[2013/09/24/10:38]
3YVO - Imagination - 名称不設定5、何所

3YVO - Imagination - 名称不設定5、何所


 気付いたら、布団に寝ていた。
 ……布団? って事は、この世界はもしかして……。
 起き上がり、周りを見渡す。
 まず第一に、ここは自宅のような敷き布団ではなく、ベッドだった。床が布団より低いのだ。
 第二に、天井がパネルの釘留めである事。家ではない。
 第三に、格好がネクタイ、白Yシャツ。……通称、学生服だ。
 最後に、白い衝立と外の景色。病院によく有る物だが、外には三種類の運動場が。
 よって、ここは学校の可能性が高い。
(……って、今、何時だ?)
 慌てて見るが、既に午前九時二十分。一限の授業は終わりかけている。せっかく眠っていたんだから、もっと寝る事にした。
 それから何時間経ったのかサッパリ分からないが、何者かが接近した。こちらは目を瞑っているので、見るのは難しい。
(そうだ、ベッドから転げ落ちて見るか。)
 落下時の衝撃を少し我慢して大きく寝返りを打ち、ボンと落ちた。
「んん〜〜、あれ?」
 そこには、怒り顔のあいつが居た。下方は水色に加え、赤が見え隠れ……って、そっちじゃない! ……あれ、何の用事だったろうか。
「何で待ってなかったのよ!」
(う〜ん、そんな事、言われたか?)
「あんたが来なかったせいで、何も見つけられなかったわ! どうしてくれるの!?」
 ……何だ、そりゃ。
「どうもこうも……何を?」
 さらに憤怒するあいつ。
「アレに決まってるじゃない!! 今まで何聞いてたのよ!」
「さぁ……、何だっけ……?」
 無意識に天井を見てしまう。
「もう、とにかく定期券を寄こしなさい!」
 そう言うと、ナント、こいつは圧し掛かって俺の定期券を奪いやがった!
「え、ちょ、何で!」
 盗り返そうとあいつに迫るが、難無く距離を取られてしまう。挙句の果てには、上方に浮かせる始末。
(くっそー、俺がもう少しだけ背が大きければ、楽に潰せるのにー!)
「また、一人で帰ろうなんて許さないんだからっ! それまでコレは、あたしが預かっとくわ。」
 帰り際に一言、念を押していた。
「じゃ、今度こそ! 教室で待つ事! 絶対だからね!」
 指で釘を指し、あいつは出て行った。
 本当はこのままダラ〜ンと寝ていたかったが、立場が立場だ。大人しく二限から授業に復帰した。保健室に居た理由は、『寝不足』にでもしといた。

 そして昼休み。少なくとも話題くらいは聞きたい。
「最近の噂って何かない?」
「う〜ん、やっぱり話題なのは、変な人の話だよ。」
「……変な人?」
「そうさ。体全体が少し黒っぽかったんだと。……あっ!」
「……何だよ。」
「そう言えば、ちょっと君に似てるかも。」
「……ドイツ(国名)が?」
「体や特徴が、君に似てるんだ。」
「ふーん、俺に似てるのか……。(ふぁぁ〜。)」
「そういえばこの話、前にしたよね。」
「……そうか?(全く覚えが無いが。)」
 それから色々と時間が経過し、いざ帰ろうとした時。
(……あ、テーキが無い。)
 困った……。どこで失くしたんだろうか。登校できたから、学校周辺の何処かだ。その中で唯一、出し入れする時は……、教室しかない。
 床、黒板、教卓、机、用具入れ、ゴミ箱……。何処を探しても無い。
 座席で途方に暮れていると、何者かが右肩を軽く叩いた。
「……?」
 あいつだった。手に持ってるのは、…紛れも無い俺の定期券! それで腕を伸ばしたら、容易く腕を捕られた。
「ほら、行くわよ!」
 校内を三周回されただろうか。日は日没間近になった。するといきなり「帰る。」と、あいつが言い出し、やっと定期券が返された。
(……はぁ〜〜。)
 もうノリも、独自の行動もダメだった。夜の街を歩くだけでしか帰れなくなっていた位に、疲れてしまった。
(注:電車には乗ったが。)




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