どんどんっ!!
真夜中に近所迷惑そうな騒音が響き渡る。
真っ暗な部屋の中ぼたんはベットのなかでその騒音に目を覚まされた。
こんな夜中にドアをたたくのはどこかの酔っぱらいか何かだろうか。
それともまだ夢の中なのか。
どちらにしろ脳がまだ働いていない今の時点では開けない方が正解だろう。
布団をさらに深くかぶり、再び眠りに着こうとした。
どんどんっ!
しかし騒音はまだやまない。
「ん〜???どちらさんー・・?」
聞こえるハズもないほど小さな声でやる気なさげに応えてみた。
「開けろ・・・。」
「!?」
脳が起きた。
そのかぼそーいフラフラの声の主は・・
「ひ・・飛影!?」
間違いない。
「えっ!?ホントに!?飛影!?なんでっ!?」

かち

部屋が明るくなる。

理由は分からない。だがいつもの強い口調とはうって変わった弱々しい声は確かに彼の声だ。あわてて近くにあった上着を羽織り、髪を適当に整え玄関に走る。
「飛影・・なんだね?」
ドアの前で念のために再確認。
「いいから開けろ・・。」
間違いない。やっぱり・・・。
ガチャ
「飛影っ!」
ドアの向こうにいたのは確かに彼であった。が、
ふらっ・・・
「ち・・・ちょっと!どうしたんだい!?いきなり倒れたりして・・」
「熱い・・・。」
「んにゃ?」
おもわずネコヅラ。
「体が・・・頭が熱い・・・。どうにかしろ・・。」
「どうにかってあんた・・・。」
ぴと。
飛影の邪眼つきおでこに手の平をあててみる。
「あっつー・・・。成る程ね〜。あんた、風邪ひいちまったのかい。」
そういえば顔も真っ赤だ。
「か・・ぜ・・?」
ごほっ
飛影がせき込む。
「ほらっ!いいから入んな。」

ぼたんに支えられながら飛影はフラフラと部屋に入れられた。



「とりあえず
布団新しく敷いたからそこに寝ときなよ。
ん〜と・・・あ、そうそう。服も着替えたがいいね。はい、これ。買い置きのパジャマ。」
と渡されたのは赤のチェック柄。
「何故俺がこんな柄・・・もっと他にないのか・・。」
にらみつけてもその迫力はいつもの数百分の一。
「文句言ってる場合じゃないでしょ。風邪は清潔にしとかなきゃ治んないんだから。
そーだ。ちょっと待ってな。」
「くそっ・・。」
ぶつぶつ・・・。

どう着るんだこれ。ああ、普通でいいのか。ボタンおおくてめんどくさいな・・・・・。
あ、着れた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・袖も足も余る・・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「飛影?着れたー?」
台所から声がする。
黙って頷く。
「着れたようだねvあとは、これでも食べて。」
とん
目の前に置かれたのはインスタントのお粥。
「なんだこれは。」
「あっははー;;ホントはもっとちゃんとしたの作りたかったんだけどね。悪いねぇ。インスタントで;;
でも風邪の時はこういう消化にいいものがいいってよく言うし。」
「かまわん。」
「あ、飛影、袖めくった方がよくないかい?」

ぐさ

「ほら」
くるくる。
抵抗する間もなく七分程度に曲げられる。
「こっちの方が食べいいだろv熱いから気を付けなよ。」
「・・・・・・・。」
ぱく
「あっつっ!!」
舌。火傷。
「だから言ったのに〜!!もー・・・」

じ〜

「なんか今日の飛影かわいー。」

かわいい??俺が??

「気色悪いこと言うな。」
「はいはい。そうだ!風邪にはリンゴもいいんだよね。今切ってくる。
あと薬もね。」
「・・・・・・・・・・・。」
黙って頷く。


数十分後
「飛影ごめーん;ちょーっと(?)時間かかりすぎちゃったね。
いや〜、リンゴ切るのって難しいやねぇ。」

あ。

寝てる。
お粥からっぽ。

すーすー・・・・。

寝息が穏やかに聞こえる。
「薬、おいとくねv」

かち

部屋が再び暗くなる。
ごそごそ
ぼたんもすぐ横のベットに入る。
すーすー・・・
飛影の寝息が聞こえる。

ねぇ、なんであたしんとこに来てくれたんだい??

もしかして・・・・??

やだなぁ、眠れそうにないよ。

明日には治ってるといいね、飛影。

あ、でもね、

あと数日なら面倒見てもいいんだよ。

おやすみ。
・・・・・・・
・・・・
・・




翌朝


「予想はついたんだけどね。」
窓の開いた部屋にただ一人たたずむぼたんがいた。
ふとんはもぬけのから。いつもの黒服のみならず赤のパジャマもない。

「着て出てったのかねぇ。」


お礼なのか。
お椀はしっかり洗ってある。

洗ったの?飛影が?

当分大事にしとこ。

「お大事にね〜」

どこかにいる彼に呼びかけてみるのでした。







あとがき

初の飛影×ぼたんな小説です。
いつか書きたいと思っていた飛影の風邪ネタ。いつもつっぱった飛影が
風邪なんかひいちゃったらかわいいんじゃないかな〜と思って。
ん〜;;でもやっぱり相変わらずの意味不明。
しかもなんだか暗くなっちゃいました。
やっぱり飛影はいつもの調子が一番ですね。


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