ここは霊界。閻魔大王ジュニアことコエンマの仕事部屋(?)
そこへコンコンとドアをノックする音が広い部屋に響き渡る。
「コエンマ様、入ります。ジョルジュでーす♪」
妙に明るい声で入ってきたのはコエンマの部下の一人でもある鬼、ジョルジュ早乙女であった。
「なんだ。お前か」
どっさりと積まれた書類の隙間から不機嫌そうな顔でコエンマ(もちろん霊界バージョン)がジョルジュを睨む。
「やだなぁー。そんな顔しないでくださいよv」
「せずにおれるか!!なこの膨大な書類の前にっ!!」
「まあまあ。それより今日は良い物持って来たんですよ♪」
「良い物!?」
良い物と聞いたとたん表情が変わるコエンマ。いそいそと大きな机から降り、とてとてとジョルジュに駆け寄る。
「なんだなんだ?お菓子か??vvv」
わくわくと目を輝かせながら手を伸ばした。
「違いますよぉ。はい。」
そんなコエンマを苦笑いしながらジョルジュが手渡したのは上品な紫色の四角い物体。
「なんだこれは。食いもんじゃないのか。」
「見てくださいよvお見合い写真です。」
「お見合いー!?・・・・ふむ。まだ早い来もするが、霊界を統治する者として早めに決めんといかんからなv」
一瞬戸惑いながらも案外嬉しそうにコエンマは写真を開いた。
(どれどれどんな美人が・・・・vv)
写真に映っていたのはそれはそれは美しい金髪碧眼の・・・・・・・・・・・・・・・・美青年だった。
「・・・・・・・・・っジョルジューーーーーー!!!!!」
「はっ!?はいー??」
「ばかにしとるのか!!いっくらワシがぷりてぃーでも男と結婚なんて出来るかっ!!!」
「はあ!?」
「はあ?・・・・じゃなーーーーい!!」
「あのー?コエンマ様?」
「なんだ!!」
「違いますよ。それ、コエンマ様にじゃなくてぼたんさんにです。」
「へぇ?」
思わず裏返った声になる。
「なんであいつに・・・。まだ若いだろう。」
「えーでもつい先日ぼたんさんの同期の女の子、寿退社(???)なさったじゃないですか。
だから、ぼたんさんもそろそろかなあって。で、私の知り合いあたってみたんですよ。それがその方。」
(どーしておまえの知り合いが金髪碧眼なのだ)
「そうか・・・。もうそんな年なのか・・・・・・。時は経つもんだなぁ・・・。ジョルジュ。」
急に切なくなってふと窓の外を見上げながら呟いた。
「いや、そのカッコ(霊界バージョン)で言われても;;・・・」
「うるさい!!第一何故ワシに渡すのだ!そんなモンあいつに直接手渡せば良かろう。」
「えー・・でも私ぼたんさんに会う機会滅多にないから・・・。その点コエンマ様はいつでも呼び出し可能じゃないですか。」
「た、確かにそうだが・・・・・・。」
「じゃやっぱりコエンマ様が一番渡しやすいじゃないですか。お願いしますよぉ!」
そう言うとジョルジュはとっとと退室して行った。
「あっ、コラ!」
ばたーん!!ドアが閉まる音がむなしく部屋に響く。
コエンマはどかっと椅子に座り、ブツブツ言い始めた。
「・・・・・・・・・ったく・・・冗談じゃない!!ワシがなんでジョルジュに使われなければならんのだ!がんとして持って行かんぞ!!だいたい、あいつにはまだ早いではないかっ!!」
「あのお・・・・コエンマ様?」
突然の聞き慣れたあの声に思わず飛び上がりそうになった。
「うををっ!!ぼたん!」
「どうなさったんです?独り言、大きいですよ。」
きょとんとした顔でぼたんが首を傾げる。コエンマは慌ててずれた帽子(烏帽子??)を元に戻す。
「い、いや、気にするな。・・・・ん?お前そう言えば何故ここに?。」
「さっき廊下ですれ違ったジョルジュ早乙女さんがコエンマ様がお呼びしてましたよーって・・・。」
「ジョルジュのヤツ〜!!お前もノックくらいせんかっ!」
「しましたよぉ」
ぼたんはぷくうーっと頬を膨らまし、ふと思い出した様に切り出した。
「で、ご用事って何ですか?」
「あ、ああ・・・・・」
ゴホンとわざとらしい咳払いを一つして、目線をそらす。
「・・・・?お見合い写真?・・・ですか?」
「何故分かった!?」
「コエンマ様、手に持ってらっしゃるじゃないですか。開いちゃって中身丸見えですよ。
・・・・・ありゃあ・・・男の子?コエンマ様、そういう系だったんですかぁ・・///」
何故か頬を染めながらせつなげーな瞳でコエンマを見つめる。
「馬鹿者!なにを赤くなっとる!これはお前のじゃ!!」
「あ、あたし?お見合いですかぁ?」
「(しまった;;)いや、その・・・・ジョルジュがな・・・。ほら、お前の同期が前に結婚したろ。
だから・・・・。いや、ワシはまだ早いような気がするんだが・・・。」
と、しどろもどろに答えた。
ぼたんはそんなコエンマに疑問を感じながらも写真をじっと見つめながら声を漏らした。
「はぁ・・・・。お見合い・・・・結婚・・・ですかぁ・・。」
「ど・・・−する・・・のか?」
何故かドキドキする心臓を悟られまいと目線を泳がせながら尋ねる。
「え?あ、・・・まだいいですよ。」
ぼたんは当たり前のようにそう答えた。
「本当か!?」
「だってまだ早いじゃないですか。同期って言っても年違いますし。なにより私恋愛結婚派ですから♪」
「そうか!!あん?恋愛結婚ー?・・・・・と言うことは誰かいるのかっ!?」
ついさっきまでの安心した表情が一瞬にして険しくなる。
「は?」
がしっ!!
ぼたんの方を両手で掴みガクガクとゆらしながら顔を近づける。
「はじゃないだろう!!誰だ?幽助か?蔵馬か?飛影か????
あ・・・・ああそうか幽助か。確かにあいつはワシも認めたいい男だ。だがヤツはまだ若い!!結婚するならもっとつき合ってからでも遅くはないぞ!!え?違う?・・・そうか!蔵馬か!!むー・・・ヤツは年上だし、きちんと就職もしてる!・・だがかつての大盗賊だぞ!!いつ本性を現すやもしれん!!ぼたん、もし何かあったらワシのところにおいで!!あ?違うのか?なら飛影か!!大丈夫か!?飛影で!!根は良いヤツだが現役盗賊だぞ!!しかも何話すんだ!?明るい家庭を築けるのか!?」
「ち、ちょっと・・・・・コエンマ様?変ですよー!???」
無理矢理両手をひっぺがされ、コエンマは我に返ったようにぽつりと呟いた。
「・・・独り言?え?じゃあ・・違うのか?」
ぼたんは思わず吹き出しながら答えた。
「大丈夫ですよ。コエンマ様に心配かけるような事してません。」
「・・・・・・そ・・・か。」
「あのー・・・すみません、仕事に戻ってもいいですか?」
「あ、ああ・・・・・すまないな。引き留めてしまった。」
再びちょんと座り直す。
「いいえ。」
クスクスと笑いながらぼたんは扉へと向かって行った。
その後ろ姿に向かって小さな声で・・・呟いた。
「・・・・・ぼたん。」
「はい?」
あの笑顔で無邪気に振り向く。その笑顔が妙に胸に苦しく、思わず俯いたまま続けた。
「本当に・・・・・何か困ったことあったらワシのところに来いよ。いつでも待っとるからな。」
「困ったことって・・・・例えば行き遅れとか?その時はお嫁さんにしていただけるんですよね?v」
「えっ!?」
思わず耳まで真っ赤。
「じょーだんですよv」
ぼたんがいたずらっぽく笑う。
「あっ////」
「しっつれいしましたぁ〜v」
「・・・・・・//////」
ばたん!!
元気良く扉が閉まった。
コエンマはお見合い写真をゴミ箱に入れると、心の中で呟いた。
「ホントに・・・今すぐでも。」

あとがき
またもや駄作です××
一応テーマは「花嫁の父」(笑)でもコエンマ様、やっぱり何かありますね。
「花嫁の父」目指したんですがなーんか違うモノになっちゃいました。
しかも言い過ぎよ。コエンマ様;;幽助達かわいそ・・・・・。
幽助、蔵馬、飛影は3人ともぼたんにとってもお似合いvvですよぉ!!
それとこのお話は別にお見合い結婚を否定してるわけではありませんので;;
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