抜き書き言葉集

あらゆる書物や映画その他から、自分の心に残った言葉を集めてみました。

 

「まあ、いってみてくれませんか」と、彼はいった。「いったい何があなたをそうさせるんです、こんなことにまで頭をつっこむなんて」

「知りませんね。僕の道徳ですかね、あるいは」

「どんな道徳です、つまり?」

「理解すること、です」

 

「ペスト」

カミュ


 

行けよ男達、山を越え谷を越え、中途半端なまま突き進めそれが人間だ

言いたい事があればその場で叫ぶんだ、後で土下座でもすりゃいいさそれが人間だ

 

本当にそんな事出来るならばいちいち歌で言う事はないだろう

だから僕はせめて歌っている時だけでも自分の感情を表に出してやるんだ

 

行けよ男達、山を越え谷を越え、中途半端なまま突き進めそれが人間だ

言いたい事があればその場で叫ぶんだ、後で土下座でもすりゃいいさそれが人間だ

行けよ男達、山を越え谷を越え、中途半端なまま突き進めそれが人間だ

言いたい事があればその場で叫ぶんだ、後で土下座でもすりゃいいさそれが人間だ

 

君にフラれた時に僕は一度ヤケクソになった

でもその感情はモラルとともに二日で崩れ落ち

だから僕は今こう叫ぶんだ アホー!

 

行けよ男達、山を越え谷を越え、中途半端なまま突き進めそれが人間だ

言いたい事があればその場で叫ぶんだ、後で土下座でもすりゃいいさそれが人間だ

行けよ男達、山を越え谷を越え、中途半端なまま突き進めそれが人間だ

言いたい事があればその場で叫ぶんだ、後で土下座でもすりゃいいさそれが人間だ

 

ガガガSP「弱男」歌詞


 

流れ続ける時間の中 僕はあまりにもちっぽけで

なんとなく過ぎていく日々に体を預けるだけなのか

無理してここまでやってきた、これからもずっと同じだろう

それでも何かを信じたい、心の奥の声

 

モノクロームの毎日をいつか、鮮やかに塗りつぶす

いつかは夢見てきたあの場所へ、たどりつけるように

 

遠くを見つめるこの目には、一体何がうつるだろう

何一つわからないままで瞬間(とき)はいつでも死んでゆく

矛盾だらけの僕の言葉、汚れ続ける僕の心

はじることなく受け入れた情けない自分を

 

モノクロームの毎日をいつか、鮮やかに塗りつぶす

いつかは夢見てきたあの場所へたどりつけるように

モノクロームの毎日になんて、染まっていたくはない

いつでも光は手をのばしたらどこかに消えるけど

 

 

ガガガSP「光」歌詞

 


 

「ははあ、そうするとあなたはそういうふうに考えていられるわけですね、ご自分の職業について?」と、タルーはいった。

「ええ、まあ大体」と、また明りのなかへもどってきながら、医師は答えた。

タルーがそっと口笛を吹くと、医師はその顔を見つめた。

「なるほど」と、彼はいった。「あなたはそうお思いでしょう、それにはよっぽどの傲慢さが必要だ、と。しかし、僕は必要なだけの傲慢さをもっているにすぎないんですよ、まったく。この先、何が待っているか、こういうすべてのことのあとで何が起こるか、僕は知りません。さしあたり、大勢の病人があり、それをなおしてやらねばならないんです。そのあとで、彼らも反省するでしょうし、僕もそうするでしょう。しかし、最も急を要することは、彼らをなおしてやることです。僕は自分としてできるだけ彼らを守ってやる、ただそれだけです」

「何ものに対して守るんです、それは?」

 

「ペスト」

カミュ


「全然わからない、それは。まったく、僕には全然わからない。僕がこの職業に入ったときは、ただ抽象的にそうしたんです、ある意味からいえば。つまり、その必要があったから、これも世間並みの一つの地位で、若い連中が考えるうちの一つだからというわけです。あるいはまた、それが僕のような労働者の息子には特別困難な道だったからかもしれません。そうして、やがて、死ぬところを見なければならなかった。知っていますか、どうしても死にたがらない人たちがあることを? 聞いたことがありますか――一人の女が死のうとする瞬間に《いや、いや、死ぬのはいや!》と叫ぶ声を?僕は聞いたんです。そうして、自分はそういうことには慣れっこにはなれないと、そのとき気がついたんです。僕は、そのころ若かったし、自分の嫌悪は世界の秩序そのものに向けられていると思っていました。その後、僕ももっと謙虚な気持ちになりました。ただしかし、僕は相変らず、死ぬところを見ることには慣れっこになれないんです。僕はそれ以上はなんにも知りません。しかし、結局・・・・・・」

 

「ペスト」

カミュ

 


 

「結局?」とタルーが静かにいった。

「結局……」と、医師は言葉を続け、そして、なおためらいながら、じいっとタルーの顔を見つめた。「これは、あなたのような人には理解できることではないかと思うのですがね、とにかく、この世の秩序が死の掟に支配されている以上は、おそらく神にとって、人々が自分を信じてくれないほうがいいかもしれないんです。そうしてあらんかぎりの力で死と戦ったほうがいいんです、神が黙している天上の世界に眼を向けたりしないで」

 

「ペスト」

カミュ

 


 

「なるほど」と、タルーはうなずいた。「いわれる意味はわかります。しかし、あなたの勝利はつねに一時的なものですね。ただそれだけですよ」

リウーは暗い気持ちになったようであった。

「つねにね、それは知っています。それだからって、戦いをやめる理由にはなりません」

「たしかに、理由にはなりません。しかし、そうなると僕は考えてみたくなるんですがね、このペストがあなたにとってはたしてどういうものになるか」

「ええ、そうです」と、リウーはいった。「際限なく続く敗北です」

 

 「ペスト」

カミュ

 


 

 筆者は、しかしながら、これらの保健隊を実際以上に重要視して考えるつもりはない。筆者の立場に立てば、なるほど、多くの市民が、今ではその役割を誇張したい誘惑に負けるであろう。しかし、筆者はむしろ、美しい行為に過大の重要さを認めることは、結局、間接の力強い賛辞を悪にささげることになると、信じたいのである。なぜなら、そうなると、美しい行為がそれほどの価値をもつのは、それがまれであり、そして悪意と冷淡こそ人間の行為においてはるかに頻繁な原動力であるためにほかならぬと推定することも許される。かかることは、筆者の与しえない思想である。世間に存在する悪は、ほとんどつねに無知に由来するものであり、善き意志も、豊かな知識がなければ、悪意と同じくらい多くの被害を与えることがありうる。人間は邪悪であるよりもむしろ善良であり、そして真実のところ、そのことは問題ではない。しかし、彼らは多少とも無知であり、そしてそれがすなわち美徳あるいは悪徳と呼ばれるところのものなのであって、最も救いのない悪徳とは、みずからすべてを知っていると信じ、そこでみずから人を殺す権利を認めるような無知の、悪徳にほかならぬのである。殺人者の魂は盲目なのであり、ありうるかぎりの明識なくしては、真の善良さも美しい愛も存在しない。

 

「ペスト」

カミュ

 


 

「どうでしょう、タルーさん、あなたは恋愛のために死ぬことができますか?」

「さあ、どうだか。しかし、どうも死ねないような気がするな、今は」

「そうでしょう。そのくせ、あなたがたは一つの観念のためには死ねるんです。

それはありありと目に見えていますよ。ところがです、僕はもう観念のために死ぬ連中にはうんざりしているんです。僕はヒロイズムというものを信用しません。僕はそれが容易であることを知っていますし、それが人殺しを行うものであったことを知ったのです。僕が心をひかれるのは、自分の愛するもののために生き、かつ死ぬということです」

 

「ペスト」                                          

カミュ


 

「君のいうとおりですよ、ランベール君、まったくそのとおりです。ですから、僕はたとい何者のためにでも、君が今やろうとしていることから君を引きもどそうとは思いません。それは僕にも正しいこと、いいことだと思えるんです。しかし、それにしてもこれだけはぜひいっておきたいんですがね――今度のことは、ヒロイズムなどという問題じゃないんです。これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもしれませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」

「どういうことです、誠実さっていうのは?」と、急に真剣な顔つきになって、ランベールはいった。

「一般にはどういうことか知りませんがね。しかし、僕の場合には、つまり自分の職務を果すことだと心得ています」

「ああ、まったく」と、ランベールは狂おしくつぶやいた。「僕には何が自分の職務だかわからない。実際、あるいは愛を選んだのが間違いだったかもしれない」

リウーは彼のほうに向き直った――

「そんなことはない」と、力をこめて彼はいった。「君は間違ってはいませんよ」

 

「ペスト」 

カミュ

 


 

「わたしも可能な限り手をうつ。それは確約する。正直、あとのことは考えていない。いや、考えたくない。より大きな悲劇を呼び起こすかもしれないからだ。そしてその可能性は高い。しかし、眼前の悲劇を放置はできない。おそらくそれがわたしの人間としての限界なのだろう。洗脳のせいかもしれない」南郷はこたえた。「まぁ、気にもならない。自分が不完全であることを認識するために神をもちだす必要はない。絶対値ではなく、相対値、というだけだ。あなたの協力が得られなければ、別の手段を考える」

 

「地球連邦の興亡4 さらば地球の旗よ」

佐藤大輔


 

 たとえば「恋愛は戦いだ」とか、そういった形でよく「生きるということは戦うことだ」みたいなことが言われたりするが、しかし実際には人生というのは必ずしも勝ち負けをはっきりさせるために存在しているわけではない。極端な話、戦争に駆り出されて明日をも知れぬ生命の人々にとっても、最も重大なことは敵を倒すことではなくて、足に合わない靴でできた靴擦れがいたいのをどうすればいいのかとかそういう話であったりする。自然界は弱肉強食で生きるか死ぬかだとかロマンティックな響きで語られたりするが、しかし実際の自然界にはもっと現実的な棲み分け現象というものが存在していて、争いはむしろ回避されるような原則になっている。よく極限状況で人間の真実が明らかに、とかいうふれこみで生死すれすれな目に遭った人々の話が語られるが、確かにそれらの話は人間のある局面における可能性の顕れではあるが、真実唯一のものでも極限でもない。単なる一局面である。その人々のそのときの勇気にはむろん感動するが、しかしその人たちとて生き延びた後では「さて今日の晩飯は何にすればいいか」というようなより頻繁な、人生の問題に直面していかなければならないのである。

 

ところで私の最も好きな漫画家であるところの荒木飛呂彦先生は西部劇が大好きなのだそうである。西部劇といえばなんと言っても決闘シーンであり、無法者が向き合い、風が荒野を吹き過ぎていき、そしてさっと伸びる手に一瞬の銃声が轟き、やがて片方がばたりと倒れる、とまあこんなようなところであろうか。こういうものにはついわくわくしてしまうのだが、しかし前述の人生の問題からするとこういうものはどうでもいいもののはずではあるのだ。にも関わらず、そこには確かに心を沸き立たせるなにかがある。いや何も殺し合いでなくともよい。ひいきのスポーツチームが善戦しているときのあの感覚であっても同じだ。なんでなのか?勝負なんてのは本来なら避けた方がよいもののはずではなかったのか?単なる代償行為か?

 

いや、おそらく我々は誤解している。日常における勝負というものがあるとすれば、それはすなわち「他人を蹴落とすこと」「その上に君臨すること」だと思いすぎているのだ。だからそうではない、ただ単に「相手と自分、存在するのはただそれのみ」という純粋な勝負というものを見失っている。そんな気がしてならない。もしも真剣に勝負を考えて、その上で対峙し、そして負けたとしたら、おそらくはその問題以外のことではこの両者にはもはや争うべき理由がない。たとえばどこかの民族紛争などはその辺のことが完全に混乱しているので、相手のことを見ようともせずに自分たちの混迷をただ苛立ちとして相手にぶつけ合っているだけ、ということにしかなっていないと思うのだ、私は。何故ならほとんどの問題というのは「それが、どうして問題になっているのか」をはっきりさせたところで八割は終わっているはずだからだ。どうしてそれができないのかというと、要するにあまりにも、勝負すべき場所があやふやになっていて決着をつけるべきことがないがしろになっている、世の中の問題とやらは実はそれだけのことでしかないことが多すぎるような気がしてならない。

 

 だから我々は、まだまだ「勝負」というものに憧れて、それを我がものとして取り込む努力ということを考えてもいいのではないか、とかそんな風に思うのだ。第一カッコイイじゃん。薄の群生が風に揺れる原野で、剣をかまえし二人の武者が、向き合い微動だにしない――とか。そう、人が「これカッコイイ! すげえ!」と思う気持ちというのは、やはりいいもののはずで、それを「ガキっぽい発想」とか言って切り捨ててもっともらしさばかりを考えるから、それで世の中つまんないのかも知れないなー、とか、ならそういうことと勝負してみるかおまえ、大変だぞとか我が内なる声とも戦いつつ、やっぱり文章は途中で終わって続きません。以上。

 

(しかし日常の中での“対決”という問題ぐらいはフォローしろよおまえ)

(まあいいじゃん。それはそれぞれでやってください、っつーことで)

 

 

「ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生あとがき――生死が二人を分かつまで」 

上遠野浩平

 


通り雨 過ぎたあと 光が

夏服に キラキラと はじけている

町並みも 標識も 夢さえも

何一つ 変わらないものは ないから

 

恋を知った二人 胸をいため

あふれくる 涙を はじまりに変えて

振りむかず 旅にでる

 

世界中で一番 たどりつきたい場所は

自分の心にある 青く澄んだ遠い場所

手に入れた自由に 淋しさを感じても

Good times,Bad times あきらめない

いつか 飛び立てる時まで

 

金網にもたれて あのころ

サティスファクション 何度も 口ずさんでた

朝やけの輝く 旅路で

違う私に 明日こそ 出逢えるでしょう

 

粗雑に生きてた 自分のこと

少し愛せるように

しなやかに 強く まっすぐに歩けたら

 

世界中で一番 せつない夜は きっと

My wish,Your wish 流されて

愛を見失いそうな夜

ふぞろいの 未来は いつもこんなふうに

言葉が足りなくて 遠回りばかりしてる

 

遠ざかる地球 画面の中 あの惑星に

手をつなげないまま ぼくたちは いるんだね

 

世界中で一番 たどりつきたい場所は

自分の心にある 青く澄んだ遠い場所

手に入れた自由に 淋しさを感じても

Good times,Bad times あきらめない

いつか 飛び立てる時まで

 

 

渡辺美里「世界で一番 遠い場所」歌詞


 

人を助けるには、まずそうした権利を手に入れる必要がある

 

「罪と罰」

ドストエフスキー

 


過ぎ去りしあなたへ 思い出のあなたへ

かけがえのないものに気付きゆくこの頃です

 

ささいなことに情熱をぶつけ傷つけ合って

それさえも微笑みに変わります 今ならば

 

遠い夏を越えて 秋を過ぎて

あなたの事を想うよ

今でも会いたくて 寂しすぎて

愚かな自分を恨みもするけど

 

過ぎ去りしあなたへ 想い出のあなたへ

今じゃ別の誰かの胸に眠るはずだよね

花ゆれる春なのに

 

Mr.Children「手紙」歌詞


 

 

ため息色した 通い慣れた道

人混みの中へ 吸い込まれてく

消えてった小さな夢をなんとなくね 数えて

 

同年代の友人達が 家族を築いてく

人生観は様々 そう誰もが知ってる

悲しみをまた優しさに変えながら 生きてく

 

負けないように 枯れないように 笑って咲く花になろう

ふと自分に 迷うときは 風を集めて空に放つよ今

 

恋愛観や感情論で 愛は語れない

この想いが消えぬように そっと祈るだけ

甘えぬように 寄り添うように 孤独を分け合うように

 

等身大の自分だってきっと愛せるから

最大限の夢描くよ たとえ無謀だと他人が笑ってもいいや

 

やがてすべてが散り行く運命であっても

わかってるんだよ 多少リスクを背負っても

手にしたい 愛・愛

 

負けないように 枯れないように 笑って咲く花になろう

ふと自分に 迷うときは 風を集めて空に放つよ

ラララ……

心の中に永遠なる花を咲かそう

 

 

Mr.Children「花」歌詞


 

この国に社会主義が広まりつつあるのは、主としてセンチメンタリズムによるものですからね。

 

「悪霊」

ドストエフスキー

 


 

チチ・ロドリゲスという老プロ・ゴルファーがいる。日本で行われたあるシニア・トーナメントで三位になって上がってきたとき、彼はこう言った。

「マザー・テレサはお金は一銭もない。しかし、世界で一番裕福な人だ」

そして、賞金を寄付した。チチ・ロドリゲスは名前の通り、スペイン系のアメリカ人だ。人種差別と戦いながら、貧困からのし上がってきた男である。その男に、マザー・テレサを尊敬する心がある。感動的だった。(略)

ボビー・ジョーンズは、全英オープンと全英アマ、全米オープン、全米アマを制し、初のグランドスラムを達成したゴルファーだ。しかし、彼は生涯アマを通した。グランドスラムを制したとき、彼はこう言った。

「私はこんなことをしていていいんだろうか。本職は弁護士である。人々の苦悩を救うのが私の仕事だ。こんなことをしてはいられない」

 そして、彼は弁護士としての仕事に没頭し、生涯アマで通した。こういう人々がいるからこそ、私は人間に希望を失わないでいる。アメリカを批判することはたやすい。しかし、あの国の中にはまだ涙を持っている人間が大勢いる。涙を忘れ、怒りを忘れた国民は滅びるほかはない。

 ピュアな心を持たない人間に、心に沁みる映画は創造できない。怒りを忘れた人に、真の反戦映画はつくれない。ましてや愛のなんたるかを問う映画など撮れるわけがない。

 

「映画が僕を世界へ翔ばせてくれた」 

落合信彦


 

「俺にはおまえのことはわからない。そしておまえだって俺のことはわかるまい。だから――それに関しては俺たちは対等だ」

「ならば、遠慮も容赦もいらんな!」

 

イナズマとフォルテッシモの会話

「ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生」 

上遠野浩平


 

湾岸戦争には、石油の他に、もうひとつ、巨大なビジネスが絡んでいた。

イラクのクウェート侵攻、これを受けてのアメリカ軍の大量展開という事態となった1990年は、ベトナム戦争が終結した1975年からちょうど15年目に当たる。これまで何度も繰り返し指摘してきたことだが、アメリカの軍産複合体は、15年に一度戦争を必要とする。武器の開発、消費というサイクルからそういう体質になっているのだ。

 

「憎しみの大地」

落合信彦


 

戦争はいつだって力がある者、富のある者が決定し、貧しい若者が死んでいく。

ブッシュ大統領は「正義はどんなことがあっても遂行されねばならない」と説き、サダム・フセインは「アラブの大義」を主張した。

どちらも百パーセントの真実ではない。百パーセントの真実ではないが、十分の一の十パーセント、いや二十分の一の五パーセントの、それぞれのやむにやまれぬ事情がある。

ましてや現代文明を支える石油の最大産出地である中東には、さまざまな民族が入り乱れる。歴史が違う、政治が違う、利益が違う。そうした、やむにやまれぬものの総和として、戦いがおこり、さらに悲惨な状況に事態は転化してゆく。

 

「憎しみの大地」

落合信彦

 

 


 

国連を後生大事に考える一部の日本人から見れば、そこでのリップ・サービスなどけしからんと考えるかもしれないが、悲しいことにこれが現実なのだ。つまり、アメリカもイスラエルも、心の底では国連の存在を軽視しているということだ。

これは何もアメリカとイスラエルだけに限ったことではない。これまでも多くの国々はいったん自国の利益がかかっている事態に直面すると国連の調停など無視してきた。フランスのアルジェリア戦争、イギリスのフォークランド戦争、中国の対ベトナム戦、ベトナムのカンボジア戦争、ソ連のアフガニスタン戦争などに対して国連はまったく無力だった。

これらの国々、特に大国にとって国連は利用できるときだけ利用する機関でしかなかった。

 

「憎しみの大地」

落合信彦


 

内部抗争に明け暮れ、しかも今回の湾岸戦争でイラクにつくなどの愚行を繰り返すPLO幹部にフェイザル・フセイニが絶縁状をたたきつけたくなるのも無理はない。しかし、同時に抗争を繰り返さざるを得ない幹部たちの立場も理解できる。

スポンサーの意志にそって動かねばならぬ彼らは、時には自分の考えも曲げなければならない。信念を押し通そうとすれば、かつてのハバッシュのように、ホスト国(彼の場合はシリア)から投獄されるか、アブ・イヤドのように殺される覚悟が必要だ。

 

「憎しみの大地」

落合信彦


 

過去四度の中東戦争や今回の湾岸戦争を見て、ひしひしと感じさせられることがひとつある。それは中東には一時的な“和平“は訪れるかもしれないが”平和“はそう簡単にやって来ないということだ。表面的な戦闘状況は終わっても、その裏で渦巻く”戦争“は終わらない。

アラブ諸国が完全に民主化され、民主政治を敷き、イスラエル国家の生存を認め、20世紀の国際ルールに従って行動することになれば話は別だが、現状からしてそんなことはまずなされ得ない。多分イスラエルとパレスチナ・アラブの妥協のない確執は、100年、いや200年たっても消えることはないだろう。

 

「憎しみの大地」 

落合信彦

 


 

若いアメリカ兵士がカメラに向かってこう告げた。

「今日のため、この舞台のため我々は訓練してきた。何万発という実弾を撃ってきた」

レポーターがその兵士に聞いた。

「敵を殺せますか?」

兵士は苦しそうに顔を歪めた。

「わからない。殺さないと私が殺される。しかし、本当に殺したら、一生、そのことが自分の心の傷として残るだろう。だけど、殺らなきゃ殺られる。でも、誓って言うけど、わたしは人を殺すために生まれてきたんじゃない」

 

「憎しみの大地」

落合信彦                                     

 


 

 

口先で平和を唱えているだけで平和が手に入るなら誰も苦労はしない。

“平和”とは“自由”と同じで、人から与えられるものではない。自らの意志をコミットして、時には少なくとも精神的にしろ血を流し、傷つき、戦って勝ち取るものだ。

だからこそ、平和はこの上なく尊く、高いものなのだ。

 

「憎しみの大地」

落合信彦

 


厳密な意味でのジャーナリストの使命とは、予測を的中させることにあるのではない。

できるだけ多くのインテリジェンスを収集し、自ら作り上げたフィルターにかけて分析し、考えうる最悪のケースを想定して、警告を発することにある。それが現実になることも、事態が好転してはずれることもある。最悪のシナリオは、むしろ、当たらない方が幸いなのだ。

ジャーナリズムは、日本人お得意の希望的観測や自分の好き嫌いでなく、事態を冷静に分析し、その結果いくつかのオプションを提示することにのみ意味がある。

 

「憎しみの大地」

落合信彦

 


 

「三千世界がひっくり返ろうとも、知識に『充分』などあり得ない」

 

遊佐

「精霊少女・ミュリエル」 

新城カズマ

 


「魔王領は素晴らしい場所。夢のような国です。しかし、この世の楽園ではありません。生身の者たちが、それぞれの夢と現実を生きながら、喜びと哀しみをくりかえし、自分ではけっして使いわけられない賢さと愚かさに笑い泣かねばならない者たちが住まう場所です。あなたはそんな国の支配者なのです」

 

中島ワティア

「A君(17)の戦争3 たたかいのさだめ」

豪屋大介


 

さよなら さよなら さよなら

多分もう会う事はないよ、君が強く心をつなぎ、そして今日も日が暮れていく

さよなら さよなら さよなら

素直に喜べる事は無いよ、僕は君を卒業するよ、切ない気持ちとともに

 

また多分君を思い出す事があるだろう、過去の話になるには時間がかかるだろう

あなたの事で涙を流せなかった日々が、僕はふと後悔してしまう事があるだろう

あぁ僕は君を本当に卒業できるのか、寂しさと、切なさと、懐かしさがかけ巡る

言葉と心が反比例してしまう、本当に僕はあなたを忘れて生きる自信がないのさ、だけど

 

さよなら さよなら さよなら

君にもう会いたくはないよ、君と会えば僕は多分一生忘れられないから

さよなら さよなら さよなら

素直に喜べる事は無いよ、僕は君を卒業するよ、切ない気持ちとともに

 

僕は君に何かをしてあげる事が出来たのか、なんか僕はあなたに迷惑かけた気がします

ごめんと言えばわざとらしく聞こえそうなので、あえてあなたの前で謝ろうとはしないつもりです

最近、僕は自分の足で立ちたいと思い、そこで僕は昔をひきずりたくはないんです

でもあなたを見ると切なくなってしまうので、本当に自分勝手やけど僕はあなたを忘れます、だから

 

さよなら さよなら さよなら

多分もう会う事はないよ、君が強く心をつなぎ、そして今日も日が暮れていく

さよなら さよなら さよなら

素直に喜べる事は無いよ、僕は君を卒業するよ、切ない気持ちとともに

 

さよなら さよなら さよなら

君にもう会いたくはないよ、君と会えば僕は多分一生忘れられないから

さよなら さよなら さよなら

素直に喜べる事は無いよ、僕は君を卒業するよ、切ない気持ちとともに

 

 

ガガガSP「卒業」歌詞

 


 

 


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