第2章 入学
一通りの事務手続きも終わり、後は入学だけかと思っていたら、
まず、「クラス分けテスト」というものを受けなければならないことが判明。
このテストでの成績が悪いと、希望のクラスに入れなくなるらしい。
とりあえず、希望のクラスに入れなくなると結構マズいので、
テストにはマジメに取組むことにする。
もちろん、そのままなにもせずにテストを受ければ、
かなりの確率でおとされそうだったので、付け焼刃は承知の上で
あわてて数学をつめこむことにする。
まずは数T・Aからはじめてみる。が、
全くダメ。
もう全然できない。
自信がないせいなのか、できるはずのものまで解けない。
・・・・結局参考書一冊は仕上げる予定が、3分の2ぐらいしかできなかった。
ますます絶望的色合いが深まってくる。
それでも、最初からテストを放棄するわけにはいかなかったので、
半ばヤケクソ気味にテスト会場へ。
しかし、そこでは意外なもの(?)が待ちうけていた。
それは・・・・
「おまえもここか。」
テスト会場にて、高校時代の友人(白)と(や)に遭遇。
(や)のほうは、電話で事前に知っていたが、彼と(S)氏以外の人については
だれがいるのかほとんど知らなかったため、結構驚いた。
早速テストが始まるまで、廊下でだべる。
「しかし、おまえらがいると高校とあんまり環境がかわらないな〜」
と(白)。
たしかに、知っている人があまり多すぎると、緊張感なんてものは無くなってしまう。
しかし、自分にとっては、今それ以上にテストが心配だった。
「でも、今回のテストはそんなに落ちる人いないらしいから大丈夫。」
と(や)。
う゛っ
なんか前にも似たようなセリフを聞いたような・・・・
ものすごくイヤな予感が。
限りなくへこみながら、席にもどる。
かくして、テストは始まった。
そして案外あっけなく終了。
結構難しかった気はするが、まぁこんなもんだろう。
・・・・・だが、答案回収の時になって他の人の答案を見てみると・・・
バッチリ埋まってる。
しかも、追い討ちをかけるように、
「これくらいの試験なら大丈夫だな」
などという言葉が聞こえてくる。
受験科目は、英語と数学だったが、いずれもそんなかんじだった。
ともかく、これはよくある(たまたま近くに秀才クンがいた)パターンかと思い、
帰り道で(や)と(白)に感想を聞いてみることにした。
1階のロビーで彼らを待っていると、見たことのある顔が二人。
同じ高校の(中)と(Y)氏だった。
彼ら二人も、状況から見てどうやら同じ予備校に通うつもりらしい。
早速先ほどのテストについて聞いてみると、(Y)氏は
「あれぐらいなら大丈夫。」
という、ショッキングな答えを返してくる。
ま、まぁ彼はなんで落ちたかわからないほど優秀だったから・・・
すると横から、
「え〜、あれは結構難しかったぞ〜」
という(中)の感想が。
少し救われた気分になって、残り二人の感想を・・・
ちょうどそこへ、待ち人二人が登場。
会話の合間に、テストのことを聞いてみる。
「あれはできないとダメ。」
「そんなにムズくはなかった。」
という(白)と(や)の言葉に、
完全玉砕。
もう、半ば落ちたものと確信する。
その後、ショックを隠しきれぬままに、帰宅。
当面の目標も失せて、勉強する気がなくなってしまった。
そして、結果発表の日がやってきた。
足取りも重く、結果のはり出してある掲示板に近づく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
受かってる!!
半分信じられない気持ちのまま、指定された教室へ移動する。
どうやら、その教室に集まっている人達が同じクラスになるらしい。
教室に入ると、(や)と(Y)氏を発見。
とりあえずほっとする。
後から(S)氏も登場。
そしてもう1人、同じ学校の(優)氏がいることが判明。
1クラスに同じ高校の人が総勢5人。
ちなみに、このクラスは総勢100人強だったので、
あまり目立つほどの集団ではなかった。
一通りの挨拶の後、いわゆるクラス担任にあたるチューターから
これからの授業のことなどについての話があった。
(この予備校では、普通の大手予備校とは違って、「チューター」は学生アルバイト
などが務める生徒の相談相手ではなく、高校までのクラス担任と同様の仕事をする
正規の職員のことを指しています。今後「チューター」と記述してある場合も
同様の意味だと考えてください。)
そして、話が一段落して、今後の勉強方針などについての話の中で、
「今座ってもらっている席は、成績順に並べたものです。
その席順を基にして、学籍番号が決められています。
そしてみなさんのテストでの順位が、番号の下3桁にあたります。」
という発言が。
思わず、自分の学籍番号を確かめる。
下3桁は、
098
座っている席は・・・・
端の方。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どうやら本当にギリギリだったらしい。
ま、落ちるよりは数段ましか。
そこで、ふとあたりを見渡すと、
高校の友人達が全くいない
1番近い(S)氏でも、軽く二十番以上は離れている。
(や)や(Y)氏や(優)氏にいたっては、ちょうど反対側の
廊下側の席にいるではないか!
・・・・・・・・・だめだこりゃ。
しばし落胆していると、ちょうどそれに答えるかのように、
チューターが話の締めくくりにはいっていた。
「まだ一年近くありますから、いまの順位は気にしないで、
これからを大事にしてください。」
ナイスフォロー
沈みきる前になんとか持ちなおす。
ともかく受かっただけで良しとしなければ。
複雑な心境のまま、(や)達と帰途につく。
この日から、いよいよ本格的な予備校生活がはじまった。
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