(JICC出版局 「重装機兵ヴァルケンのすべて」より)
西暦2060年代、すでに地球の資源は完全に枯渇しつつあった。
その原因として、人口問題解消のための「コロニー計画」が挙げられる。
巨大なコロニーを建造するためには、膨大な資材が必要とされたからである。
資源不足の解消策として、各国は資源を求めて宇宙に乗り出し、
月をはじめとする太陽系の各惑星に開発の手を伸ばしていた。
そこで、ひとつの大きな問題が提示されたのである。
「宇宙における領土はどのようにして分割されるのであろうか?」
すなわち、宇宙での採掘権利問題である。
そのころ地球では、南北アメリカ大陸および東アジアの一部を含めた「環太平洋合衆国」と、
ECおよび旧ワルシャワ条約機構国を中心とした「欧州アジア連邦」の
二大勢力が、月面の採掘権を巡っての争いを繰り返していた。
宇宙開発における領土問題は、この二大勢力の争いに拍車をかけ、
ますます双方の関係を険悪なものにしてしまったのである。
そして2093年。
二大勢力の争いは激化し、ついに第三次世界大戦が勃発してしまったのである。
第三次世界大戦は2096年まで続いた。
またこの大戦で初めて「アサルトスーツ」と呼ばれる人型の機動兵器が戦場に投入され、
戦術史に大きな革命をもたらすこととなる。
人類の科学力が、戦争のたびに飛躍的に発達しているということは、皮肉なことであった。
3年間に渡って続けられた戦争は、太陽系の資源を食いつぶしてしまっただけの愚行に過ぎなかった。
その代償として、絶望的な資源の不足が、深刻な問題となって人類にのしかかってきたのである。
もはや、争いによって資源を浪費している場合ではないのだ。