| 「これで、ティトともしばらくお別れか・・・」 緑が生い茂る林の片隅で、クレインが寂しそうにつぶやいた。 その隣には、ティトがどこか恥ずかしげに座っている。 最後の戦いも終わり、現在ロイたちはそれぞれの帰るべき場所への帰途についている。 もちろん、クレインとティトも例外ではない。 「不謹慎だけど、ティトと離れるくらいなら、戦争が続いていたほうがいいとさえ思えてくるよ・・・」 クレインの言葉に、ティトは俯くしかなかった。 姉のユーノや妹のシャニーは、このままクレインについて行ってもいいと言っている。 ティト自身も、本心では、このままクレインについて行ってしまいたい・・・。 このまま、ずーと一緒にいたい・・・。 しかし、戦争で荒れ果てたイリアを見捨て、エトルリア行くことなど、ティトには出来なかった。 つまり、彼女はクレインではなく、イリアを選んだのだ。 (私のような堅物な女が、クレインさまを待たせてしまっていいのだろうか・・・) ティトは、このことが引け目になっていた。 ティトがイリアへ帰ると言ったとき、クレインは、それが分かっていたかのように指輪を差し出した。 この指輪を自分だと思って大事にしてくれと・・・。 イリアに帰っても、僕のことを忘れないでくれと・・・。 その時、ティトはしばらく事の意味がわからなかった。 しかし、今になって冷静に考えてみれば、それは求婚の申し込みだとも取れるのだ。 最後になって、受け身な自分にプロポーズしてくれたクレイン。 そのことに気づきさえしないバカな自分を、いつまでも待っていると言ってくれたクレイン。 クレインの優しさに対し、自分は何か応えることが出来たのだろうか・・・。 いや、応えることが出来るのだろうか。 ここ数日、ティトはそんなことばかり考えていた。 (私は今まで、クレインさまの優しさにあまえてばかりだった・・・) 明日、ついにクレインと別れなければならない。 ティトは、その前になんとかしてクレインの優しさにむくいたかった。 「ティト?」 クレインが少し驚いた顔で、ティトを見つめた。 ティトは、恥ずかしそうに俯いてしまっているが、なんと、その手はしっかりと、クレインの手を握り締めていたのだ。 「ク・・・クレインさま・・・、わ・・・私は・・・その・・・」 クレインの手を握り締めたまま、、ティトが何かを言おうとする。 しかし、顔は俯いたままだ。 そして、その頬は、この上ないほど上気していた。 (私って、ほんと臆病者・・・) ティトは、たった2文字の思いを伝えるために、こんなにも恥ずかしがり、自分の本心を伝えることさえ出来ない自分が情けなかった。 しかし、そんなティトを見て、クレインは微笑む。 (ティト!可愛いすぎるよ!!) そして・・・ 「わ・・・私は・・・、クレイン・・・さまのこ・・・きゃッ」 ティトが突然の衝撃に、小さな悲鳴をあげる。 なんと、クレインがティトを押し倒したのだ。 「ティト大好きだよ!」 クレインが、ティトをおもいっきり抱きしめながら言った。 ティトは、一瞬何が起きたのか、理解することさえ出来なかった。 しかし、肌を通して伝わってくるクレインの温もりが、ティトを覚醒させた。 「ク・・・ク・・・クレインさま!!」 「しばらく、こうさせていてくれないか」 クレインがティトの耳元でささやく。 クレインの吐息が、ティトの耳元にかかる。 「!!」 ティトには、もう何もすることが出来なかった。 まるで、金縛りにでもあったかのように、ティトの体は硬直してしまっていたのだ。 「ティトの体・・・温かい」 そんなティトのことなどお構いなしに、クレインはさらに強くティトを抱きしめた。 (忘れるものか!この温もり・・・絶対に!) クレインは、ティトの温もりが自分の体に焼きつくまで、その体を離さなかった。 |
| コメント;読んで頂き、本当にありがとうございます! そして、下手くそでごめんなさい。 いちおう、クレイン×ティトの妄想小説です(爆) 戦いが終わり、別れる直前のお話。 途中、指輪が云々という文がありますが、あれはオリジナルS会話のほうのエピソードを元にしてます。 まだお読みでなかったら、そちらのほうも読んでやってください。 (1)となっていますが、きちんと続きがあります。 下手くそなので、たいしたものにはならないと思いますが、少しでも皆様の妄想の手助けになりましたら、幸いです(爆) 感想や意見などがありましたら、是非是非、掲示板に!! |