第一話   始まりの時

 

 イタリヤの国境、上空5000メートルに、ずんぐりした箱型に、主翼のみの、全身深緑色、ボディの後方部に、本体の5/1~4/1ぐらいの、銀色の球体の

ようなものが付いた、飛行物体がイタリヤの首都ローマに向かって、マッハ1の速度で向かっている。

 その飛行物体は、トータス・フライヤーという名称だ。

日本の三流企業が次世代エネルギー発生器のテストの為に開発した機体で

現在、日本からイタリヤへ向けての、実験飛行の最中でパイロットは2名である。

 トータス・フライヤーのコックピット内にタバコの煙がただよう

ふ〜〜〜、深いため息とともに、白いタバコの煙が、男の口から、コックピットの天井に吹きかけられる。

 ふ〜〜〜、再びため息と共に、タバコの煙がコクッピトの天井に、吹きかけられる。

 操縦席は2つ、その右の座席の後ろに、もう一つ座席があり、そこには、ピンク色の大きな熊のぬいぐるみが、シートベルトをして、座っている。

 ふ〜〜〜、今度はタバコの煙が一つの輪を作った。

タバコを吸っている、男は右側の席に座っている、と言うか、足を操縦かんの

上に投げ出して、腰掛けているといった方が、正しい状況だ。

 年齢は23歳、上下つながった空色のつなぎを、着ているのだが、上半分

脱いで、袖を腰の所で巻いている、中には、オレンジ色のTシャツを着ている

髪の毛は、ムースで全部逆立てている。色は茶色だ。

 男の名前は、涼崎 走一、日本人だ、彼は右手に写真の入ったペンダントを、

持ち上げて、ニヤニヤしながら、眺めている。

ふ〜〜、天井にまた、煙がかけられる。

「穴が開きそうやな」左側の席に座っている、男が走一に、茶化すように言い

はなった。 

男は走一とは、正反対に空色のつなぎを、きっちりと着こみ、その手には、操縦かんが、握られていた。

 男の名は宮本 光35歳 、髪はスポーツ刈りで黒である。

「みつるさんよ 結婚しなよ」「いいよおおおおお子供は〜〜」

タバコを消し、座りなおしながら、走一が、言った。

 「結婚じゃなく 子供やろ」「お前は」皮肉っぽく光が、走一に

計器板のパネルのスイッチを切り替えながら、ニッヤと、笑いながら

言った。

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