アンパンマンについての考察

<シリーズその一 アンパンマンについて>

・アンパンマンは顔が汚れると力が出なくなる。


従ってアンパンマンの顔は随時制作、ストックされてしかるべきである。造ってから運ぶのではその間にアンパンマンがやられてしまうからである。恐らくパン工場の中にはアンパンマンヘッド格納庫があるに違いない。しかし、アンパンマンは量産されてはいない。これは恐らくアンパンマンのボディーの方が量産不可なある種のブラックボックスであり、ジャムおじさんにも量産できない事を示しているに違いない。(核反応炉で動いているとかね)(お母さんの魂が入っているとかね)(最初の使徒の以下略)



・アンパンマンは顔を受け取る時「新しい顔よ」と言われている。

新しい頭とは誰も言わない。あれは頭ではなくて顔なのだ。
頭とは脳や目、耳などを含み、思考、情報分析、その他諸々の生物的活動に必要なものである。
しかしアンパンマンは自分の頭(に見える部分)をたやすくカバだのウサギだのに分け与えている。生物学的に見てもあれはあり得ない行動である。奴が自分のあんパンをカバに喰わせる事によって、アンパンマンの記憶が無くなったり、言語障害が起きたりしていない事から、アンパンマンの頭、つまり思考担当臓器は、あんパンでは無く他の部分にある事がわかる。
ではそれはどこか?俺の考察では胸のマント止めみたいなワッペン、あれがアンパンマンの頭部である。上に乗っかっているあんパンはあくまでダミー、デコイであり、同時にカバ男等の主食である。セントバーナードが首からワイン樽をぶら下げてる様なモノだ。



・アンパンマンのアンパンチによってバイキンマンはいつも倒されているが、アンパンマンはけしてバイキンマンを深追いしない。

逮捕もしないし、殺害、殲滅、もしくはそれに類する事もしようとしない。街の平和を守るのがアンパンマンの使命なのだから、その点から見るとバイキンマンを殺害、抹消するのが彼の目的には一番効率的なはずだ。街の住民達(といってもカバなどだが)を守る為には多少の犠牲はやむを得ない。
しかしアンパンマンはいつもバイキンマンを逃がし、次回登場時には「また出たな、バイキンマン!」と言う。これはどういう事なのか?可能性はいくつかある。



その一 バイキンマンがなんらかの意味を持って存在している。
この世に生を受けたモノには須く生きる意味がある。これは仏教的観念だが、バイキンマンにもひょっとしたらあの世界に於いてなんらかの存在意義があるのかも知れない。(増えすぎた住人を間引きしたりね)故にアンパンマンは今日もバイキンマンを退散させるにとどまり、バイキンマンは生存し続ける。

その二 バイキンマンがアンパンマンの存在意義である。
アンパンマンはバイキンマンを倒す事ができ、その結果、街の住民から感謝されている。見方を変えれば、アンパンマンはバイキンマンのおかげで、ヒーローたり得るのである。例えば、素戔嗚尊がヤマタノオロチを討伐し妻を娶った様に、怪物を倒す事によってヒーローはその力を庶民に見せつけ、崇拝させ、効率よく万民を支配、コントロールするのである。聖ジョージ然り、ヘラクレス然りだ。世界中にこの手の伝承は残っているし、ストーリーも概ね世界共通である。
アンパンマンがバイキンマンを殺してしまうと、彼はただカバ男らに食料を供給する為にのみ生き続ける事になる。悪役から街を守るヒーローが、一転セントバーナード扱いされる事になるのだ。これはヒーローにとっては恐るるべき事態ではないだろうか。故に街の平和を祈りながらも、アンパンマンはバイキンマンを退散させるにとどまり、彼は街のヒーローであり続け、バイキンマンも生存し続けるのである。



その三 アンパンマンにはバイキンマンを倒す事ができない。
バイキンマンはたびたび科学兵器を持ち出してくる。
アンパンマンの活躍によってこれらのロボットなどは撃退されるわけだが、よく見るとなにげにこの科学兵器はかなりの技術によって造られていることが分かる。
バイキンマンがいつも乗っているUFOじみた乗り物も、反重力テクノロジーを使っているみたいだし、ドリモグラ(だっけ?)も地中・地上両用である。
この事からバイキンマンはかなりの科学技術の持ち主である事がわかる。という事は、バイキン城は科学兵器の固まりの様なモノだ。ダダンダン一体に苦戦する様なアンパンマンに、この城までバイキンマンを追うという事は自殺行為なのではあるまいか。
もしバイキン城までバイキンマンを追おうと思ったら、アンパンマンは大量のアンパンマンヘッドを予備として搭載して行かなくてはならず、テレビ的にも良い物とは言えない。(アンパンマンが風呂敷に顔を満載して飛ぶ姿は下手したら子供のトラウマになってしまうからだ。)
つまりアンパンマンはバイキンマンを撃退はできるが、完全に倒す事は無理、という事だ。深追いして返り討ちには会いたくない、でもヒーローでいたい。それ故にアンパンマンはバイキンマンを追い返すにとどまり、ヒーローはヒーローたりえるのである。



・アンパンマンは何者なのか? アンパンマンの生みの親は多分ジャムおじさんだ。実は天馬博士とかいうマル秘ネタも聞いた事がない。アンパンマンはジャムおじさんによって生み出されたと見て間違いないだろう。
アンパンマンはジャムおじさんの焼くあんパンを頭上にいだき、今日も街の平和を守りつつ、バイキンマンとお茶濁し的な戦いを展開しているわけだが、一体彼は何者なのだろうか?
ジャムおじさんによって定期的にメンテナンスを受けている様にも見えない為、ロボットでは無い様だ。では、生き物なのか?生き物があんなにコロコロ頭をはずしたり付けたりしていいものなのか?謎は尽きない。ここからは全て想像というか、妄想、こうであったら面白いなぁというものである。



説その一 ジャムおじさんが永久凍土内から発掘した古代有機兵器である
ジャムおじさんの素性については別記するが、アンパンマンは彼が一から造ったモノでは無く、過去のオーヴァーテクノロジー、所謂オーパーツの一種ではないか、とする説。奈良県赤膚山児童アニメ考察委員会(役員数約一名を数える組織で、随時研究員募集中)では、この説が最も有力視されている。
ジャムおじさんが氷山を発掘中、偶然にもアンパンマンのボディーを発見、これを以て軍事企業界にデビューしようと考え、様々な検査の結果、この物体の主燃料成分がアンパンに比較的近い事を発見。アンパンマンの誕生となったが、それと時を同じくして、世界の遺跡に祀られていたバイキンマンが呼応して復活。アーマゲドンに向けてアンパンマンのもとに飛んだ!
そしてジャムおじさんはバイキンマン対策に追われ、いつしか軍事企業界のことは忘れ去られ、アンパンマンは街のガードロボットとして機能する事となる。続いてジャムおじさんはアンパンマンの量産を試みるが、ボディーについては完全なブラックボックスである。解析は困難さを極め、量産は不可能に思われたが、なんとか構造をまね、簡易型とも言うべき弐号機カレーパンマン、実戦配備機であるオフィシャルタイプ食パンマンをロールアウト、これで市場は独占かと思われたが、同時期にジャムおじさんを監視していた各国情報機関によって情報は盗まれ、合衆国産おにぎりマンや、イギリス産メロンパンナちゃん、フランス産ドンブリブラザーズなどが次々と市場に現れる様になった。
これにより市場は混乱、性能差のデモンストレーションの為、各国の機体がパン工場付近に配備される事となった。今やパン工場の当たりは各国の観察部でひしめきあっているに違いない。メロンパンナちゃんも普段はアンパンマンなどとにこやかに話しているが、スイッチひとつで多分自爆する。(そんな嘘設定に俺がメロメロ。)

説その二 ジャムおじさんの元息子である
ジャムおじさんは高齢である。彼にも妻や子供くらいいよう。バタ子さんが妻か娘か愛人かは不明だが、ジャムおじさんにもかつては愛すべき家族がいたはずだ。しかしある日平和は踏みにじられ、彼は家族を失う。幸せとは往々にして長続きしないものであり、永遠に続く幸せなどないのだ。そうして彼の妻は他界し、息子の首から下だけが残った。まだ若かった彼は、息子を忘れたくない一心で、息子の躯を使い一体のロボットを造った。頭には息子の好物だったアンパンを載せて・・・。
ジャムおじさんの背負う過去を浮き彫りにした説。おセンチに過ぎるという事で、当委員会では支持者は少ないが、哀しみのあるいい説である。

説その三 ジャムおじさんが昔創ったロボットである.
アンパンマンはジャムおじさんによって設計され、産み出されたロボットであり、メンテは隠れて行われているとする説。当委員会ではジャムおじさんは第二次大戦中、独軍に所属した元科学者で、現在は追っ手を撒く為に好々爺を演じているという説を採っているが、アンパンマンはジャムおじさんが大戦中に対連合軍用に造り出した人型兵器で、任務設定を容易にする為人格らしき物が設定されている。(カレーパンマンなどについては前述とほぼ同じである。)アンパンマンの完成を待たずして戦争は終結、アンパンマンはお蔵入りとなるが、もしアンパンマンがノルマンディーに配備され、連合軍による上陸戦に対抗兵器として投入されていれば、戦局は大きく覆ったのではあるまいか。こんな話をする世界史教師がいたら俺一生付いていくけどなぁ。



他にもいくつか説はあるが、当委員会ではこの三つを一応の候補として挙げる。個人的には説その二を推すが、いつかアニメで真実が語られる日が来るかもしれないし、来ないかもしれない。 


<シリーズその二 ジャムおじさんについて>に続く