プロローグ



 『勇者オルテガ、火山に散る!!』(アリアハンスポーツ一面より)



記者A : 「すみません、今のお気持ちを一言!」
記者B : 「やはり魔王に人間が立ち向かうのは、無理があったのでは?」

 突き出されるマイク。王は、不機嫌そうにその中を突っ切る。

レポーターA : 「この冒険の企画責任者として、王様はどのように考えていらっしゃいますか?」
レポーターB : 「ご遺族へのコメントをお願いします!」

王 : 「ノーコメント」

 王は短く言うと、扉を開けて執務室に入る。大臣が素早く扉を閉めて、集まっている記者たちの対応をする。

大臣 : 「まだ遺体は確認されておりませんので、これ以上のコメントは差し控えさせていただきます」
記者B : 「火口から転落したと聞いていますが、生存の確率は?」
レポーターB : 「勇者サイモンも行方不明だそうですが、その件についてサマンオサからなにか情報は?」
記者C : 「王様は記者会見を開かないんですか?」

 口から泡を飛ばして、矢継ぎ早に質問する記者たちを前に、大臣は辟易していた。オルテガと共に旅立った兵士達の一人が瀕死で戻ってきたのが三日前。勇者オルテガが火口に落ちて死んだ、というのはその兵士が死の間際にうわごとのように言ったのだ。あまりに確証がない。
 それに、この芸能リポーターの群れが、大臣には非常にいけすかない連中に思えたのだ。

大臣 : 「オルテガ氏の安否については、先日、捜索隊を派遣いたしましたので調査結果待ちとなります。今の段階では、オルテガ氏が戦死したという確証はありません」



 数ヶ月後、アリアハンを旅立った捜索隊も魔物に襲われ、ほうほうのていで引き返してきた。結局、ロマリア周辺の探索のみに終わった捜索隊は「税金の無駄遣い」として厳しく批判され、第二陣の出発は白紙撤回された。


 結局、勇者オルテガは「行方不明」とされ、各警察署の掲示板に尋ね人ポスターが張り出される以外の対策は打ち切りとなった……









 オルテガ行方不明事件から6年の歳月が流れた。


そして今、新たな冒険がはじまる……










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