| PSO小説・・・洞窟 |
| 「この先か!!」 聞こえていた戦闘の音が途絶えたのは、ほんのつい先ほど。 たどり着いた部屋の扉を開ける。 「!!!」 「おおぅ」 モエラが見たのは、扉の直前で倒れている少女、モヨポンが見たのは、部屋に広がる20数体の怪物たち…。 まずは…。 「アイシャ、たのむ!」 そう言って部屋に入って行く。アイシャもその後に続く。スイセイが続こうとしたところで、モヨポンがスイセイを制した。 モエラがジェルンを使い、周囲の敵の防御力を下げる。 それとほぼ同時に、アイシャが叫んだ。 「コンフュ−ズ設置します!離れてください!」 モエラとアイシャが、慌てて扉の外に出る。振り返ると…部屋はモンスタ−たちの地獄絵図…混乱した怪物たちが手当たり次第に周囲を攻撃しているのである。 1分たたないうちに、その数は十数体にまで数を減らした。 「よし!行くぞ!」 スイセイの合図で4人が部屋に踊り込む。 スイセイの赤ソ−ド、モエラのノダチ、アイシャとモヨポンのダメ−ジトラップで、あらかたの怪物は片付き…部屋は再び、紫色のじゅうたんに彩られた。 モエラは、部屋の中央付近と扉のすぐ脇に倒れていた、見覚えのある二人の少女を介抱する。 「フルイドは…まだあるな…」 そうひとりごちると、2人にリバ−サ−を施す。他の3人は、キーとサイレンのマグに照準を合わせて待機している。 「ありがとうでし♪」 「……」 キーは目覚めたが、サイレンは倒れたまま、ぴくりとも動かない…。 「サイレンちゃん?」 「…まさか、手遅れだったか?」 キーとモエラに緊張が走る。 と… 「…うぅ〜ん…あと5分寝かせるのだ…」 キ−を除く4人から苦笑が漏れる。キ−はサイレンが落とした巨大なハリセンを手にすると、にこやかにサイレンの頭に振り下ろす。 「とっとと起きるでしよ♪」 スパ〜ン!!! 危ういところで何とか助かった二人のハニュエ−ル…キ−とサイレンは、自分たちの育てたマグを交換、装備(二人は着せ替えと呼んでいる)しているうちに、リコに率いられて遺跡に向かったハンタ−ズたちの異変に気が付いたという。 「説明するまでサイレンちゃんはわかってくれなかったでしけどね♪」 「ほっとくのだ♪」 少数だが、同じように異変に気付き、周囲に知らせようとした者もいたという。しかし、リコの管理下にあるハンタ−ズに包囲され、この洞窟の各所に閉じ込められてしまったという。 「うちたちも、危うくそうなるところだったのだ♪」 「でし♪」 かろうじてその難を逃れたキ−とサイレンは、絶対に敵に回したくない二人の人物を、密かに解放しようと動いている途中に見つかり、今に至ったそうだ。 「サト姉とウオコままでし♪」 「特にウオコままは、真相を知った上でリコ側に付きそうで…危険極まりないのだ♪」 幸いにして、どうやらこの洞窟の扉は全て開いているらしい…捕らえられた者達がいる部屋以外は。 「よし、二手に分かれて捕まった連中を解放しよう…人数を揃えて坑道に向かってもいいし、街の復旧作業を頼んでもいいんじゃないか?」 モエラの言葉にスイセイが続く。 「それなら俺とモエラは分かれたほうがいいだろう…あとは各職業ごとに分かれればいい」 「キーさん、捕まってる人数って、わからないかな」 「さすがにそこまでは分からないでしね」 「そうか…それじゃ、二手に分かれよう」 何か考えていたらしいアイシャが、手を上げる。 「提案〜。この際だから、救出組とリコ追跡組に分けない?私とモヨとで救出組やるわ」 「しかし…なんでまた?」 スイセイが問い返す。 「扉は全部開いてるんでしょ?だったら私たちのフリ−ズトラップ使えば、簡単に道が作れるじゃん…それに、事は迅速に進めないとね…何やらかすかわかんないし…」 「連絡はメ−ルでできるっしょ」 モヨポンがアイシャの後に続いた。 「しかし…」 不服そうなモエラにアイシャが悪戯っぽく問いかける。 「なによ?私達には任せられない?あ、心配してくれてるんだ?もしかして…私に惚れちゃった?」 「おいおい…」 「をいをい…」 モヨポンとサイレンが同時につっこみを入れる。アイシャは笑いながら、 「あははは、冗談だって…伊達にモエラの同期じゃないのよ、私達だって」 「ま、何とかするって」 モヨポンがアイシャと顔を見合わせて言った。 確かにテクニックが使える者が3人になれば、洞窟の出口を守るダル・ラ・リ−や、その先の坑道は、かなり楽になる。 「キ−さんたちはどうする?」 モエラの問いかけに、キーとサイレンは少し考える素振りを見せて、 「とりあえず奥の方へ行ってみるのだ♪」 「下手するとウオコままは、とっくに寝返ってるかもでしからねぇ」 さすがに6人とも失笑を禁じえない。 ウオコとは、歴史上の英雄『ネイ』の生まれ変わりとも噂される容姿を持つ、キ−とサイレンの母親である。その性格はともかくとして、実力は『ネイ』と比べても引けを取らないと言われている。 「よし、行くか…行動することで、活路は見いだせる!」 スイセイが声を上げる。二手に分かれた4人と2人は、それぞれの目的に向かって行動を開始した。 フォン! ヒュッ! ヴヴン! すぱ−ん! 洞窟に武器の風切り音がこだまする。 モエラ、スイセイ、キー、サイレンの4人は洞窟の最深部に近づくにつれ、奇妙な違和感を覚えていた。 …誰かに見られている…そんな感じを覚え始めたのは、洞窟のほぼ中間地点にあたる『滝部屋』の辺りだっただろうか…。 |
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