PSO小説・・・洞窟


「モエちゃんとスイセイさんがいると、楽勝なのだ♪」

「自分が役立たずって言ってるのと変わらないでしよw」

「…ほっとくのだ♪」

違和感を覚えながらも滝部屋からしばらく進み、洞窟の最深部ももう近い頃…部屋の敵を片付け終えた直後、スイセイの聴覚センサ−が、足早に遠ざかる足音を捕らえた…これから進む扉の向こうに。

「逃がすか!!」

突然走りだしたスイセイの後を、慌てて3人が追いかける。
扉を抜ける…スイセイが部屋の入口付近で立ちつくしている…その視線の先には…。

「サトねえ?!」

「…モアちゃんか…」

だだっ広い部屋の中央に、グルグスにまたがり、雨傘をかついでいる幼いフォニュエ−ルと、バズ−カを構えた黒衣のフォマ−ルの少女…モアとサトである。

「サトさま、悪い怪物がきたにゅ♪」

「オケオケ、さくっとやっちゃおう」

「Okにゅ♪」

二人はすでに戦闘態勢…戦いは避けられそうにない。

「マグを狙おう…それしかない」

モエラのつぶやきに、3人がうなずく。

「にはははっ♪」

またがったグルグスを走らせ、あまがさを槍のように構えてモアが突進してくる…さながら小さなダ−クブリンガ−といったところか。

「くっ!」

前にいたスイセイがかろうじて身をかわす。
突進の隙にマグを狙おうと、赤のハンドガンを構えようとしたところで、サトからのバズ−カの砲撃が来る。  キ−とサイレンが、サトを取り押さえに走る…が、今度はサトとモアのラゾンデによる波状攻撃…。

「くっ…一旦引くぞ!」

回復に徹していたモエラが叫ぶ。
4人ともモエラと共に一旦部屋の外へ…。
幸いにして、モアとサトの二人は部屋の外には来ないようだ。

「…何とかして近づかないと…」

「じり貧なのだ♪」

「そんなに明るく言うことじゃないでし」

「…とにかく、何か手はないのか?!…」

スイセイが焦り気味に怒鳴る。
しばしの沈黙の後、モエラとサイレンが同時に声を上げた。

「ゾンデ!」

モアとサトが放つラゾンデは、全周囲、広範囲に放つゾンデの最上級テクニック…それだけに、放つまでの時間が長くなる。ゾンデは単体に対してだが、最速で効果を及ぼすテクニック…うまく二人の間に割り込めれば…。

「サイレンちゃんも、たまにはいいこと言うでしね♪」

「うちはいい事しか言わないのだ♪」

「…おいおい…」

全員からつっこまれ、サイレンは嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。

「よし!俺とスイセイさんで近づく…キ−さんとサイレンさんは、二手に分かれてゾンデを頼む」

「Okでし♪」

「了解りましたぁ〜♪(ラジャりましたぁ)」

行動を開始しようとした矢先、モエラのギルドカ−ドにメ−ルが入ってきた。

『お〜っす、アイシャだよ〜。こっちはおおかた救出成功♪タックさんも回収できたさ♪』

モエラは安堵の笑みを浮かべ、3人に報告する。

「アイシャのほうは成功だ。今度はこっちを成功させるぞ!」

キ−とサイレンが左右に展開する…モエラとスイセイが走る!

「狙いは…」

「マグのみ!!」

両サイドからのゾンデにモアとサトはかなり戸惑っている。

「サトさま〜><」

「あうあう><」

たとえモアとサトがゾンデ、ギゾンデを使ってきても、これだけ散会していれば、全員に効果は及ばない。近づければ、ハンタ−にはかなわない…程無くして、スイセイのハンドガンがモアのマグ、オモチャオを撃ち抜いた。
モアが苦しそうに頭を抱えてグルグスから崩れ落ちる。

「お助け〜><」

サトが敗走を始めた…逃げるところなどないのだが…。

「すまん…!」

モエラのノダチが、サトのマグ、イラ−を真二つに切り裂く…淡い藤色の髪が数本、宙に舞い…サトもくずおれた…。

モアとサトを無力化したことで開いた扉の奥には、地下水道へ続く洞窟の第三階層への転移装置があった。
それを確認したモエラは、正気に戻って介抱されているモア、サトと、お互いの経緯を交換し始めた。

「マグの影響…ウオコママは大丈夫なはずなのに…」

「たしかパワ−マグでしたにゃあ」

「げ」

「やっぱりでしね…」

キ−とサイレンが苦い表情でつぶやく。

「この先にいるのか?」

スイセイが問いかける。サトは苦笑いを浮かべるだけで、語ろうとしない。それどころか…

「キ−ちゃん、アイシャさんたちのお手伝い行こうか」

などと言いはじめている。しょうがない、という表情でモアが口を開いた。

「この先で、ダルちゃん手懐けてまってるにゃあ…」

「!!!」

「……」

「うわ…」

モエラとスイセイは絶句して、言葉が出ない。サイレンもかろうじて一言を発するだけで、後が続かないでいる。
そんなことをしているうちに、サトとキーは、さっさと森へ向かい始めている。

「あ…うちも行くのだ〜!」

サイレンも、逃げるように二人の後を追いかけていってしまった…。

「…いいのか?」

苦笑いのスイセイがモエラに問いかける。

「…まぁ、仕方ないだろう…あの3人にとっては、荷が重いだろうしな…後方支援だって、重要な役割さ。
…モアちゃんはいいのかい?」

モアはにこやかな笑みをモエラに返しながら、

「フォ−スがいらなければ、おいらも行くにょよ?いるでしょ?フォ−ス(^^」

「ありがとう!!!」

「助かる!」

「にははっ♪」

フォニュエ−ルが加わったことで、人数減少の穴は十分に埋まった。モアは長期戦に備え、ありあまるTPを温存し、補助と回復テクニックしか使っていない。にもかかわらず、ハンターの二人の活躍ぶりは、今までの倍以上と言っても過言ではない。


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