PSO小説・・・序章


モエラが帰り着いたときには、すでに手遅れだった。
彼が帰るべき街(シップ)は、ダ−クファルスの端末となってしまったハンタ−ズによって、その殆どの機能を破壊され、街に全てを依存せざるをえない一般の人々は、『死』を余儀なくされ、わずかに生き残った人々も、ラグオルという危険な大地に飲み込まれようとしていた…。
街の残骸の中を、モエラはまず、チェックル−ムがあるはずの場所に向かった。預けてある物品の中には、今まで彼を支えてきたマグたちがいるからだ。

「!?」

ふと、残骸の中に気配を感じた…封印されたままのノダチを構え、気配ににじり寄っていく。

「…ふぅっ…くっ…」

そのうめき声に、モエラは警戒を解き、走り寄っていった。
ひどい傷だった。一目でもう助からないとわかるくらいに…。
そのレイマ−は、モエラの姿に安心したのか、苦し気な表情にむりやり笑みを浮かべ、語りはじめた。

「…へへっ、まさかあのリコが黒幕とはおそれいったぜ…奴は、今ギルドで一番の腕ききを真っ先に魅了して…配下にされた連中には俺たちがバケモノに見えるらしい…リコがどうやってステイト/メンテナンスの能力を封じてるかがわかれば…
ス、スイセイと…合流しろ…あいつは…魅了…を…まぬがれてる……」

とぎれとぎれになりながらも、彼はモエラに語りながら、唯一残っている左腕を差し出した。

「こいつを…俺の代わりに……ハ…リ……ファ……」

モエラは彼ギルドカードを確認した。

『AOBA』

そして、彼が差し出したものは…見慣れないハンドガン。
モエラはそのハンドガンをしまうと、アオバに短く祈りを捧げ、チェックル−ムへと足早に向かっていった。


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