PSO小説・・・森2


「すまない、助かったよ。モエラと…」

「あぁ、タックだ。俺の後輩さ」

「よろしく。ファ−さんからは『最強ハンタ−の二人』のうちの一人と聞いていますよ」

「ははは…そんな大層な者じゃないが…じゃあ、もう一人は?」

「モエラさんって聞いてますよ」

「たははは…ファ−も視野が狭いなぁ(^^;」

「そう言う割には、満更でもなさそうじゃないかw」

「あはは…わたしも心強いですよ\(^-^)/」

「…街(Leda)での生き残りは、俺、モエラ、タックだけか…」

「スイセイさん、あんた一人でどうするつもりだったんだ?」

「あ、いや、とにかくリコと一緒の連中をなんとかしようとだな」

スイセイのセリフをさえぎって、もえらが続ける。

「手段や解決の手立てが見つかるまでは、単独行動は控えたほうがいい…リコたちがどこへ行ったのかもわからないんだし」

「…すまん」

生き残った3人は、今までの経緯を語り合う。

「スイセイさん、何か判っていることとか、ないかな?」

「…身体のメンテが終わった直後なんだが…他の街から、テロがどうとかっていう通信があったような気がする。…もしかすると、他の街も同じような事に…」

「じ、じゃあ、本格的に我々だけですか?」

「情けないこと言ってんなよ…大丈夫さ、まだ生き残りはいるって」

「そうだな…まず、この先を探索してみよう。生き残りを捜しつつ解決策を模索してみよう」

「OK!タック、行くぞ。ほら、しっかりしろ」


先ほどの襲撃以来、森は不気味な静けさを漂わせていた。時折聞こえるのは、遠くからのいななき…ドラゴンのものだろうか…。


「結局、ここまで手がかりなしか…」

「気になるのは、さっきからのいななきなんだが…複数に聞こえないか?」

スイセイの言葉に、モエラとタックは苦笑を浮かべた。どうやら考えないようにしていたらしい。


モニュメントの脇を通りかかったとき、タックがスイセイを呼び止めた。

「スイセイさん…これ、違ってませんか?」

「…確かに俺のメモリーとも違ってるな」

「読めるか?」

モエラが二人に問いかける。

「俺のデータも使ってみてくれ」

そう言うと、スイセイは首筋からコードを引き出し、タックの側頭部のジャックに繋ぐ。

「コード解析開始します…しばらくお待ちください」

「『分割され…悪意……マグ……フォトン……変……』ここまでしか、解読できませんでした…」

「マグ、か…」

「マグ…」

モエラとスイセイが呟く。
マグ…まだ未知の部分が多い成長型生態防具…ギルドに所属している者全てに支給され、装備者の能力を向上させる
もし、モエラの想像があっているのなら…

「これからちょっと試してみる…オレが二人を攻撃しそうだったら押さえ込んでくれ」

そう言うと、武装解除して、マグを着け替える…チェックル−ム跡で拾ったマドゥに。


「!!!」


突然、モエラの攻撃本能が刺激される…目の前に見えるのは、見たこともない怪物が2匹…。
咄嗟にラバ−タを使おうとした所で、銃声が響いた。
軽いめまいの後、赤ハンドガンを構えたスイセイが視野に入ってきた。すぐ後ろには、撃ち抜かれたマドゥがころがっている。

「おおかた、マグに何らかの影響を及ぼして、て所なんだろう?」

スイセイが問いかける。
モエラは少々バツが悪そうに、

「ああ、効果てきめんだったさ…オレもびっくりした」

「マグから悪影響!?じゃ、わたしのマグも!?」

タックが少々興奮気味に言う。

「いや、オレたちは街から離れてたから影響なかったんだろうが…」

言葉を止めてスイセイを見る…彼のマグは街にあったはずである。

「ん?」

「スイセイさん、そのマグ、見せてくれないかな」

「ああ、かまわないが…」

スイセイが無造作に差し出したマグを、モエラは必要以上に慎重に受け取る。見た目には何の変哲もないヴァラ−ハだが…。
装備してみる。パワ−に特化した高性能なマグだ。アンドロイドらしく、マインドには全くステ−タスがない。
…マインドには全く…

「!!!」

「どうした?」

「う?」

スイセイとタックが、惚けたようなモエラに声をかける。

「あ?ああ……タック、おまえが見たハンタ−ズの中に、アンドロイドはいたか?」

突然の質問に、タックは戸惑いながら

「え…確か……見てませんね」

「それともう一つ、街での被害者…ハンタ−ズの中ではアンドロイドが不自然に多くなかったか?」

「…そう言えば…そうですね」

「おいおい、何がわかったんだ?俺にわかるように説明してくれ」

モエラは満足げにうなずくと、こう言いはなった。

「わかったのは、リコの洗脳のからくりさ
ニッ(^^)
リコが何者かは取り合えず置いとくが…マインドのステ−タスを持つマグを経由して洗脳…幻覚とか魅了か…をしてるんだろう…それでスイセイさんが洗脳を免れてる説明がつく」

「ほほう」

「な、なるほど」

そうなると、俄然希望が沸いてくる。三人のの胸のうちに、『アンドロイドの仲間が、まだどこかにいるかもしれない』という期待が生まれたからだ。

「行こう!!」

タックが二人を促す。動けば、希望は見えてくる。

「了解」

「OK!!」

まず、目指すはセントラルド−ム…そして、その地下に広がる洞窟へ。それまでは無補給になるが、三人が抱いている『希望』が、各々を奮起させた。


何度かの戦闘の後、セントラルド−ムが、三人の視界を覆う…絶望と共に…。

「転送装置が…」

「ない、だと?!」

「!!!」

以前はドラゴンの住み家に成り果てたセントラルドーム内への転送装置があったのだが…

「くそっ」

「なんてこった…」

タックとモエラが膝をつく…スイセイも、腕を組んで立ちつくしてしまう。




ラグオルの陽が暮れ、夜のとばりが訪れる…モエラは無言のまま、焚木に火を着けた。
時が過ぎていく…時折聞こえてくるのは原生動物の遠吠え…。
焚火を囲む三人の表情には、疲労と失望がありありと浮かんでいた…無理もない、僅かな望みが断たれていたのだから…。


森1へ
小説トップへ
森最終章へ