「ピリリリッ。ピリリリッ。ピリリリッ。」
突然ケータイが光って、無機的な電子音が鳴り響いた。 着メロじゃないところが彼らしかった。 (ったく、おっせーんだよ。トモヒコ。)
≪ただいま。今日はバイトで疲れちゃった。 家に帰っても一人ぼっちだから寂しいよ。 ・・・・・・あと10日で会えるね。おやすみ。≫
(なんだコレ。名前ねーじゃん。まさかトモヒコのわけねーよな。 あーあ、初メールが間違いなんて・・・。ツいてねーなー。オレって。)
その夜シンイチはそのまま寝てしまった。ケータイのことは もうすでに意識から消えていた。 満月が輝く、不気味で美しい夜だった。