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夜空に浮かんでる月は地上を見て一体何を想うのだろう?
真昼の空に浮かんでる月は僕等を見て一体何を想うのだろう?
僕は空を見上げては君を想い。
想いを馳せる。
このまま君を連れて、他には何も持たずに逃げ出せたらどんなに楽なことか。
何度も何度もそんなことを考えてまたふりだしに戻る。
そんな毎日。
気が付けば君が居て、気が付けば君に惹かれてて、気が付けば君が好きだった。
重苦しい時の中で、君と居る時間だけがゆっくりと流れてた。
時間が長かったわけじゃない。
ただゆっくりと流れていた。
金の髪が揺れる。
君が踊る。
人々の拍手がこの空間を支配する。
拍手の中、君は僕に向って微笑む。
君が好きだった。
この想いを伝えたかった。
そして君に応えて欲しかった。
君を連れて逃げ出すことは出来たかもしれない。
でも僕は僕の背負ったものを捨てることは出来なかった。
あの時引き返していれば、もしかしたら幸せになれたかもしれない。
でもきっと君には出会えなかったから。
『今』の方が良いと思う。
せめて君にはずっと笑っていてほしい。
だから伝えられなかった。
君はきっとこれからも踊り続け、その微笑みを絶やさないだろう。
人々の拍手の中で君は踊り続けるだろう。
そんな事を考えながら僕は今日も眠りに就く。
決して満たされること無い想いを胸に抱きながら。
FIN.
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