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5121小隊1組は暗い雰囲気に包まれていた・・・。
「はい、たかちゃん。おべんとうなのよ。」
にこにこ笑顔でののみは自分の恋人にお弁当を渡した。
そのお弁当は可愛らしい猫型のお弁当箱でそれが彼女の幼さを表している。
「ありがとう。ののみ。」
お弁当を受け取った恋人の瀬戸口は満面の笑みを浮かべお礼を言う。
そう、今日は瀬戸口とののみが付き合ってから初めてのお昼。
そして彼女の手作りお弁当。嬉しくない筈が無い。
「えへへ。ののみね、あさはやくおきていっしょうけんめいつくったの。」
ののみは頬を紅く染め、上目使いで瀬戸口を見る。
その仕草はとても可愛らしい。さすが小隊のアイドルといったところか。
辺りの暗い雰囲気を無視し、この二人の周りだけは明るい雰囲気が漂っていた。
瀬戸口とののみが付き合い始めたのは昨日から。
元々、同じ部署という事もあって二人はとても仲が良かった。
だがののみは子供だ。どんなに仲が良いといっても『友達』の域を越える事はないだろう。
誰もがそう思っていた。
そしてその思いは瀬戸口の「俺、ののみと付き合う事になったんだ。」の一言で裏切られた。
突然の爆弾発言のせいで一組全体は暗い雰囲気に包まれることに。
ののみの事が好きだった茜と岩田と滝川と若宮は失意状態に。
瀬戸口の事が好きだった加藤と萌と壬生屋も失意状態に。
「ラブラブだねー。良いなあ、ほのぼのしてて。」
「周りは暗い雰囲気だがな・・・。」
速水と舞が遠目で瀬戸口とののみを見ている。
この二人は出会って2日目で付き合うというある種の伝説を作ったカップルだけあってこういう状況であっても冷静だ。
ののみが速水と舞の視線に気が付いてとととっと二人の傍まで歩いてきた。
「ねぇねぇあっちゃんまいちゃん、いっしょにおひるごはんたべよっ!」
ののみのお昼提案。
いつもだったら喜んで受け入れるところだが、今日はちょっと状況が違う。
瀬戸口が速水と舞をじーっと見ている。もとい、睨んでいる。
そう、今日は瀬戸口とののみが付き合ってから初めてのお昼。
やっぱり2人きりで食べたいのだろう。
瀬戸口の視線があまりにも痛いので2人は丁重にののみの誘いを断った。
ののみは断られて少々ショックだったようだったが、すぐに瀬戸口に誘われて屋上に行った。
2人が出て行ってさらに辺りは暗い雰囲気になる。
「まあ、戦闘に支障がでなければ良いよね・・・?」
「でなければな。」
速水と舞は完全に傍観者だ。
そして出撃。
1番機パイロットは壬生屋。2番機パイロットは滝川。3番機パイロットは速水と舞。
スカウトは若宮と岩田。
オペレーターは瀬戸口とののみ、衛生官は石津、運転手は加藤、司令は茜。
5121小隊暗い雰囲気のまま出撃!!
結果は惨敗。
これが原因で人類は撤退せざるをえなかったとか。
それは、また別の話。
おしまい。
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