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今日は久しぶりのデートだ。
だから前の日から心臓はバクバク言っていた。
そして一睡もせずに次の日を迎えてしまったのだった。
睡魔と戦いながら舞は校門のところに立っていた。
久しぶりにおめかしをして瀬戸口を待っていた。
「眠い・・・、それに何をこんなに緊張しているのだ・・・。いつもと変わらぬのに・・・・・・」
しかし今日は何処か違う――、そんな気がした。
それが的中しようとは現時点では誰も気付かなかっただろう・・・・・・。
「よう。」
後ろを向くとそこには瀬戸口の姿があった。
「遅いではないか・・・待ち草臥れてしまったぞ・・・・・・」
少々呂律が回らないのを必死に隠して舞は言った。
「・・・?何か元気ないよな・・・」
「な・・何でもない・・・・」
「そっか、じゃー行こうか。」
そういえば何処に行くのだ?今日は私が誘ったわけではないから何処に行くのか知らない。
「おい・・・何処に・・・・・」
「いいから、ついて来いよ。」
そう言って行った先は何と公園。
「こ・・・ここは私が嫌いだと・・・・・・」
「いいからいいから。たまにはのんびりしないとな。」
そして公園のベンチに座った。
「さて・・・姫さん。」
「何だ?」
「どうして目の下に隈なんて作っているんだい?」
「え・・・?」
も・・・もしかして一睡も眠っていないのがバレたのか?
ま・・まさかな・・・いやしかし・・・・・・・
「し・・・知らぬ・・・・」
舞は声を上擦らせながら言ったが、瀬戸口はさらに言った。
「だからここに来たのさ。」
「へ・・・?」
「寝よっか?」
「し・・・しかしそれではデートの意味が・・・・・・」
「いいんだよ。これでもデートの一部だろ?」
「しかし・・・」
「いつも姫さん、俺を拒むだろう?だからたまにはこんな日もいいかなって思ってね。」
「そ、それはそなたが私に抱きつこうとするから・・・・・・」
舞の言葉が終わらないうちに瀬戸口はギュッと抱き締めた。
「こんな日くらいはそばにいて欲しいんだ。何もしないからさ・・・・・・」
「・・・・・・だ。」
「・・・ん?何か言った?」
「いつもいつも私のそばから消えるのはそなたの方だ。私は寂しがり屋なのだぞ・・・・・・」
頬を真っ赤にしながら舞は言った。
「ん、解った。もう何処にも行かない。だから、もっとそばにおいで。」
「ん・・・」
舞は二度と離れないように瀬戸口の背に手を回した。
そしていつしか眠りに落ちていた。
「わ――、きれいだね、あっちゃん。」
「そうだね・・・」
厚志とののみも公園でデート中だった。
「あれ・・・?」
「ん?どうしたの・・・ののみ・・・・」
ののみの指さす方には瀬戸口の腕の中で眠っている舞の姿があった。
「どうしたの――、こんなことろで・・・」
厚志の小声の問いかけに気付いたのかジェスチャーで、おいでおいでをした。
「・・・?」
「昨日から寝てないらしくってここに着いたら眠りに落ちたんだ。」
「ふーん・・・そっか。」
「かわいいねがおだねー。」
ののみの言葉に厚志も、
「そうだね、こんなに可愛い寝顔しているんだからいつもから可愛い顔見せればいいのに・・・」
二人は苦笑した。
「さてと、僕たちは帰ろうか。」
「うん。」
「ののみの大好きなケーキ作ってあげるからねー。」
「わーい。あっちゃん、だいすき。」
「僕もだよ。・・・あ、遅くならないうちに帰った方がいいよ。じゃーねー。」
そして厚志とののみは去った。
「さて・・・このまま運びますか・・・」
眠っている舞を起こさないように瀬戸口は家まで運んだ。
しかし、その後何があったのかは誰も知らない。
それは本人しか解らないこと。
しかし次の日の舞の機嫌が最悪だったことは間違いない。
FIN
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