チェーザレ・ボルジア
あるいは優雅なる残酷
塩野 七生
ルネサンス時代の「メフィストフェレス」、
法王であるアレッサンドロ6世の私生児で、
当時、生涯の栄誉である枢機卿の緋の衣を投げ捨ててまで
イタリアを統一し、自らの王国を建国しようとした男。
彼はその悪業から、現在までの500年間、
さまざまな劇や音楽で悪役として描かれている。
彼は、現代で言えば合理的な思考の持ち主で、
華やかで、優雅さの中に冷酷さを併せ持った、
男ならば、憧れずにはいられない毒を持った男
自分の為に、父親を利用し、妹のルクレツィアを利用し
全ての物を利用した男。
世界を手に入れようとした男の短い31年の生涯を、
単なる歴史のなぞりなどでなく、その時代に生きた人間としての息吹が
感じられる文章で書かれた本。
彼の心情を表した物が、剣に記名した銘というのも面白い
塩野七生の本は、どれも甲乙つけがたいが
主題が、野望に満ちたこの男なので、一番好きな本です。