オリマーの災難
私の名前はキャプテン・オリマー。
故郷のホコタテ星では、結構名前の知られたベテラン宇宙航海士だ。
あるときは小型貨物を、またあるときは、宇宙資源を、愛機の宇宙船
ドルフィン号で星から星へ運ぶ商売をしている。
ここしばらくの間、ずっと休みなく働いていた私は、自分へのごほう
びとして気ままな一人旅を計画した。出発の前夜、愛する妻が私の好
物のスープを作ってくれた。ホコタテ星の特産である、オニヨンタマ
ネギと、赤青黄のカラフルなピクピクニンジンがたっぷり入った、とて
もおいしいスープだ。満腹になった私は、あたたかいベッドにもぐり
こみ、明朝からの楽しい一人旅のことを考えた。やがて私は、幸せな
深い眠りへと落ちていった・・・。
旅は順調だった。行き先は決めていなかったが、ドルフィン号は宇宙
という大海原を軽快に突き進んでいた。短い休暇が、すばらしいもの
になる予感を覚えた。私はドルフィン号を自動操縦に切り替え、熱い
マシュルームティーを飲もうと操縦席を立った。その時!
とてつもない衝撃がドルフィン号の機体をつらぬいた。とっさのこと
に何が起こったのか理解できなかった。機器類に体を打ちつけられた
私は、気を失った・・・。
ドルフィン号は遭難し、場所も名前もわからない星にたどり着いた。
ともかく、私は無事だった。だが、宇宙船の壊れかたはすさまじく、
パーツがこの星のあちこちに散らばってしまった。おまけにこの星の
大気には猛毒の「酸素」が含まれているようだ。幸い背中の生命維持装
置は無傷だったが、装置を動かすバッテリーの寿命は30日しかない。
エンジンさえ見つかれば、大気圏内の移動が可能になり、他のパーツを
探しに行くことができるのだが・・・。残された時間内に散らばった宇宙船
のパーツを回収し、私は無事に故郷に帰ることができるのだろうか?
この星から脱出するまでの間、私は見たものや経験したことをすべて
日誌に記しておこうと考えた。そのきっかけを私に与えたのは、2つ
の不思議な出会いだった。ひとつは3本の脚で立つ、故郷のタマネギ
に似た大きな物体。そしてもうひとつは、カラフルなピクピクニンジン
に似た小さな生命体だ。
私はその小さな生命体を、「ピクミン」と呼ぶことにした・・・。