Lesson2. スタートボタンを押す前に



相原「よし、ではワルキューレも見つかったことだし、さっそくプレイを始めるぞ!!」
竹熊「待て相原。その前に、スタートボタンを押すまでの準備がある。」

相原「なに? ど、どのようなことだ!?」
竹熊「なあに、難しくはない。まず、コインを入れたら、スタートボタンを押す前に、
ワルキューレを産み出してくれた
冨士宏先生、ならびにその世界を産み出してくれたまっこう氏をはじめとする、ワルキューレに関わる全ての人に
心から感謝するのだ。
そして、ワルキューレを置いてくれたこのスポットの店員と店長さんに感謝して、
あとはゲームの無事と早解きの達成を祈る。そのときには拍手を打ったり十字を切ったりする必要はない。
心の中で感謝し、祈るのだ。で、スタートボタンを押す。」

相原「竹熊、今回は早解きをするのだから、そのときに計測するものがあったほうがいいと思うのだが。」
竹熊「その通りだ。その際、
ストップウォッチを使うのなら、計測開始と筐体のスタートボタンを同時に押せばよい。」

相原「では、普通の時計や携帯電話のような、
ストップウォッチの機能がないものを使うときはどうするのだ?」
竹熊「その場合、
スタートボタンを押すのは10分、20分、30分……と、分の末尾がゼロになる瞬間を見計らうのがよいだろう。」
相原「なぜだ、竹熊?」
竹熊「そうすることで、
クリア時間の計算がとても楽になる。タイムアタックはエキサイトするものだ。
半端な時間から始めると、クリアしたのはいいが、始めた時間がわからなくなって計測不能という事態が発生するからだ。」
相原「なるほど。では今は12分だから、19分あたりに再びここに来ることにしよう。」



相原「なあ、竹熊。」
竹熊「どうした、相原。」
相原「先客がいるのだが。」
竹熊
「!」
相原「おれたちが目をつけていたというのに! 文句言ってやる!」
竹熊「待て、相原! これは
喜ぶべき事態だ!」
相原「なぜだ、竹熊!」
竹熊「おれたち以外の人間がこうしてプレイしているのだ! もし、
あいつがいま、おれたちのような
ファンでなかったとしても、このプレイを機にワルキューレの魅力に気付き、ファンになってくれるかもしれん!

相原「そりゃうれしいな、竹熊!」
竹熊「そうだろう! さらに
ゲームの面白さにも気付いて、友人関係に触れまわってくれれば、
ワルキューレのインカムはさらに上がる
のだぞ!!」
相原「なるほど、そうなのか!!」



新規プレイヤーには優しく! 

豆瓜 子狡念
北欧大学経営情報学部教授。
商売人の過去を持つ。お客が来そうなところを先回りして下見をし、
そこを越えるためにお客が求めそうなものを割り出して、それを
お客の懐具合に見合った値段で売りさばき、巨万の富を得ていたらしい



ゲームスポットに筐体が置いてある以上、私たち以外にも、ワルキューレをプレイする人があって当然です。
その人が私たちと同じくワルキューレのファンであればもちろんですが、初プレイ、もしくは練習中と思しきプレイヤーも
大いに歓迎するべき
です。

目的が、ゲームの面白さであっても、ワルキューレ自身であっても、どちらにしても、
まさに今、その人はワルキューレに興味を持っています。
ここは一つ、その人がさらにワルキューレに興味を持つよう、優しく、真心をもって接しましょう
その人が、私たちの同士になるか否かは、あなたの腕にかかっているといっても過言ではありません。

その接し方ですが、最も一般的かつ、効果も高いのが、冨士宏先生の描かれた、素晴らしいワルキューレのイラストを
筐体の周りさりげなく貼っておき、さらにワルキューレに対する興味を持たせること
です。その際、
イラストの素晴らしいクオリティをより伝えるため、カラーコピーにかけるお金はくれぐれも惜しまないようにしましょう。

プレイに対する称賛の言葉を贈るのもかなり効果的です。ただ、やっている真後ろで言うと落ち着いてもらえないでしょうから、
パチンコ屋で大当たりを出すと「○○番台、○○番台、ボーナスゲームスタートです、おめでとうございます!」と
マイクを通じてアナウンスしてくれるのと同じように、前もって店員になっておき、その人がボス戦などの難関を突破する度に
「舞い降りた神の子ワルキューレ、素晴らしいテクニックで一面ボス、ツインギラス撃破です。あなたこそまことの勇者です!」
といった感じでアナウンスしてあげれば、その人の達成感、ワルキューレに対する好感度も大幅アップすること間違いなしです。
そして、逆に、苦戦するようなステージがあったのならば、そのステージに対する攻略法を記した紙を、
気付かれぬよう、さりげなく、その人のポケットにねじ込んであげる
のもよいでしょう。



相原「しかし竹熊、あいつ、やたらと長くプレイしてないか?」
竹熊「なーに、ワルキューレと少しでも長い間戯れたいと思うのはおれだって同じだ。ここは逆に彼の
ワルキューレに対する愛の深さを評価してあげようではないか!」
相原「そうだといいのだが、
あまりにも進みが遅すぎる気がするぞ。」
竹熊
「ぬう、そういえばそうだな。」
相原「しかも、さっきからダラダラと、動いてるんだか止まってるんだか分からないような感じだ。」
竹熊
「むむ……これは、ダラダラプレイだな。」
相原「ダラダラプレイ?」


ダラダラプレイへの対処法

栗野 山努羅
北欧大学農学部教授。
槍の名手でもあり、教授として教鞭を振るうかたわら、
自らが設立した槍術部の顧問を務める。
しかし刀剣の人気にはなかなか及ばず、部員数においては、
同校の剣道部やスポーツチャンバラ部に大きく水をあけられている。



ダラダラプレイとは?
幸いにも、『ワルキューレの伝説』にはある操作を繰り返すことで、それをやめない限り、
ずっとゲームが続けられてしまう
という、いわゆる永久パターンは存在しません。
しかし、それには及ばないまでも、私たちが忌み嫌うべきプレイがあります。それこそが「ダラダラプレイ」なのです。

『ワルキューレの伝説』には、1ステージあたりに制限時間(ノーマルランクなら約5分30秒)が定められています
ゲーム中では、制限時間は砂時計によって表されていて、制限時間が無くなると、砂時計が砕け、
ライフを一個分失うという仕組みになっております。

しかしながら、難易度が高く設定されてでもいない限り、多くのステージ(4面と8面以外)においては、
この制限時間には余裕が持たれており、全体的にのんびりとゲームを進めることができます


これは、あまり時間を気にすることなく、ワルキューレとその世界を味わってほしいという、
開発者の方々の厚意であると私は考えておりますが、プレイヤーの中には、点数を稼ぐわけでもなく、
ワルキューレとその世界にはまるわけでもなく、ただただ時間切れギリギリまで粘るようなのもいます。
このようなプレイスタイルのことを、ここでは「ダラダラプレイ」とし、タブー視すべきプレイとします。

では、ダラダラプレイをなぜタブー視するかと言いますと、例えばあなたがワルキューレをやろうと思い、筐体に行くと、
すでに誰かがワルキューレをプレイしている。まあ、仕方ないかと思いつつ、その場を離れ、しばらくして再び来てみても、
あまり進んだ形跡が見られない。稼ぎプレイをしているのかと思ったらそういうわけでもない。よくわからないけど時間ばかりかけている。
このようなプレイを目の当たりにしたとき、あなたは心の中で叫ぶでしょう。「とっとと代わらんかい!!」と。

さらにこのダラダラプレイ、あなただけが迷惑をこうむるのではありません。あなた以外の、
特にこのゲームに興味を持った新規(になるはずの)プレイヤーが、ちょっとやってみようと思ったのに、
このダラダラプレイのせいでなかなか順番が回ってこない。もしその時、プレイを見て、なんて冗長なゲームなんだ、
と勘違いされたら最悪です
。その人は、金輪際、ワルキューレをプレイしようと思わなくなるかもしれません。
店側にとっても、ダラダラプレイ中は、その分のインカムは入らないわ、新しいプレイヤーを逃すわとふんだりけったりです。

このように、ダラダラプレイとは、当事者以外の人にとって迷惑千万な行為です。もし、そのダラダラプレイをやっているプレイヤーを
見つけたら、なんとしてでもゲームオーバーさせるかクリアさせるかして、そのプレイをやめさせなくてはなりません。


ダラダラプレイ実行者・傾向と対策
とは言っても、分別正しいワルキューレファンならば、そのような人を見つけたとしても、
いきなり頭から熱湯をぶっかけたり、非常ベルのボタンを押したりしてはいけません。私たちが糾弾されますので。

発見したら、まず、そのプレイヤーがどんな人かに関わらず、その人のワルキューレさばきをよく見るのです。
もし、あなたから見て、その人からワルキューレに対する「愛情」が発せられ、少しでも長い間、
ワルキューレと時間を共にしたいと考えているとみることができましたら、どうか、その人を見逃してあげてください


「恋は盲目」なんていう言葉もあります。たとえ普段、立派に分別ができる人であっても、ひとたびワルキューレの魅力に取りつかれれば、
お店のことや、他の人のことを考えられなくなり、ついつい長くプレイをしてしまうのは当たり前です。もちろん、
これは、ワルキューレのみでなく、魅力を感じられるキャラを前にしてしまった人全員に言えることですが。

というわけで、その人のプレイに「愛情」を見出したのならば、その人のプレイをそっと物陰などから見守り、
人の振り見て我が振りなおせの精神で、自分は愛は注げども迷惑にならないプレイをするぞ! と誓うのがよいでしょう。

問題は、ただ時間だけがダラダラと過ぎているような、怠惰感にあふれたプレイがされていた場合です。やはりそのときは、
インカムを増やし、他の人がプレイできるよう、きわめて平和的な方法でその人のプレイを終了させなくてはなりません。


(1)未成年
最近のガキ、いや少年少女はゲームがとても上手ですので、このパターンはかなり考えられます。
ちょっと考えればあまり意味のない行動でも、なぜか一所懸命にやってしまうのが思春期であったりする未成年の特徴です。

「ワンコインで、いかに長い間持たせることができるか?」という、考えてみればまったく意味のない行為も、
まるで自分にとっての生きがいのごとく必死こいてやるのです。世間ではこれを若気の至りと言うのでしょう。

この場合は、彼らが未成年であることを利用しましょう。年齢制限が執行される時間までひたすら待ち、
店員による強制終了を待つ
というのが最も一般的ですが、これだと時間がかかるうえ、あなたも未成年だったら、なんの罪もないのに
いっしょに追い出されてしまいます。そこで、ここはひとつ、都市伝説の力を借りるのがよいでしょう。

それは、プレイヤーの後ろに立ち、おもむろに「赤い沼」という言葉をささやくことです。
そうすれば、彼らは、ハタチになるまでに忘れないと死んでしまうというこの言葉を忘れようと必死になります。
さすれば、自然とプレイは乱れ、ミスが多くなることでしょう。ご存じの通り、忘れようとすることほど忘れられないもの。
プレイは時間を追うごとにボロボロになることうけあいです。「紫の鏡」という言葉もささやけば、さらに効果は上がります。

しかし、一見完璧なこの方法ですが、ごくまれに、おもむろにポケットなどから、ティッシュやウェディングドレスなどを出し、
それを持ち、「助けて、ホワイトパワー」と言うという、いわゆる返し技を出されてしまうこともあります。
その場合は、相手が悪かったと思い、やっぱり時の流れを待つのがベターでしょう。


(2)ゲームマニア
一番多いのがこのパターンです。ワルキューレファンとの違いは、ワルキューレという素晴らしいキャラを、ただのプレイヤーの
操る駒としか扱っていない
というところにあります。それについては、あなたがファンであれば必ず見極められるはずです。

こういう人たちは、たいてい時間もあり、「長時間プレイをする」という行為自体、マニアとしてのステータスとすることも多く、
一度プレイを始められてしまうと、なかなか終わってもらえません。さらに、ゲームにかけるお金も多めで、
クリアしたのにも関わらず、席を立たず、連コインをするという言語道断な行為すらするかもしれません。

このように、かなりの強敵に見えるこのパターンですが、ある作戦を使えば、以外と簡単に席を立たせることができます。
その作戦とは、「美少女(美少年)召還」です。

ゲームスポットにおいて、ダラダラプレイという、迷惑極まりない行為をする人間には、まず彼女や彼氏はいません。
いや、いてはならないのです。そこで、プレイしている人にとって異性となる美少女(美少年)に協力を仰ぎ、
プレイしているあんちくしょうの後ろに立たせ、例えば美少女には、以下のようなセリフをしゃべらせます。

はわわわ、これ、『ワルキューレの伝説』だにょ〜! うぐぅ、ボク、このゲームのエンディング見たことないんだよ〜。
バニラアイスが溶けてしまう前にチェキしたいもん。にははっ☆

このような萌えゼリフのカタマリを聞き、そのリクエストに答えないような独り者は、たぶんこの世にいないはずです。
(一応言っておきますが、上のセリフに他意はありません。)

その男は、ダラダラプレイなど早々に切り上げ、クリアに向かって突っ走るでしょう。この時点で、
美少女さんにはその場を離れていただきます。エンディング中、彼が振り向くと少女の姿が見えないので、彼は少女を探すため、
つい席を立つでしょう。その隙を突いて、私たちが席に座り、ワルキューレを始めるのです。
(ちなみに、美少年の場合の萌えゼリフはよく分かりませんので、皆さん各自でリサーチの上、作成ください)

もし、このような萌えゼリフをしゃべられても反応がない場合、いわゆるへテロではないというかノンケではない可能性があります。
そのときは、同性を連れてきて、萌えゼリフをしゃべってもらってください。

それでもダラダラプレイを止めようとしなかった場合、非常に信じがたく、不愉快極まりないことですが、
その人に、既に彼女(彼氏)が存在してしまっていることが考えられます。
そのときは、この世の不条理さを悲観しつつ、ひたすらそいつのプレイが終了するまで呪いの言霊をかけつづけるとよいでしょう。


(3)営業マン(不良社員)
平日の昼間などにスーツ姿でゲームスポットにいる人間は営業マンと昔から相場が決まっています。
通常、営業マンがゲームスポットに行くというのは、取引先に向かう際の、ほんの時間つぶしがほとんどですが、
なかには不良社員もおります。彼らは、この不景気に契約なんて取れるわけねえよ、と終始諦めムードであり、
ただひたすら退社時間まで時間を潰そうとします。そのため、ワンコインで長くもたせることのできる、
ワルキューレをひたすらダラダラとプレイするのです。彼らには、いわゆる言葉責めが有効です。

言葉責めと言っても、「バカ」「アホ」「たわけがあッ!!」といった暴言を吐くのではありません。ケンカになります。
要するに、その人の仕事に関わるキーワードを、その人に聞こえるように言えばよいのです。

例えばその人が先物取引の営業マンだった場合は「なあ、たった今入ってきた情報なんだけど、アラビカコーヒーが大暴騰だってよ!」
とでも言えば、その人はプレイをほっぽり出して、早々にゲームスポットを飛び出すことでしょう。

会社の社長を登場させるという手もかなり有効です。いくら不良社員であっても、その姿を社長に見つかっては、最悪あすからの
おまんま食い上げという事態も発生するので、ミス誘発どころか、即刻仕事復帰にもっていくことができます。

しかし、さすがに行動範囲から考えて、ワルキューレが置いてあるゲームスポットから、
少なくとも半径2キロくらいにある会社の社長を全員呼び出すわけにもいきません。
そこで「あっ、○○の××社長!」というように、虚偽でもいいので、その人が振り向く(=勤める会社と社長の名前が一致する)まで、
いかにも近くにあんたの会社の社長がいるんだぞ、という演技をしてみるとよいでしょう。

もしうまいとこ振り向かれたら「なんだ、もう疾風のごとく出ていってしまわれたぞ。しかし、こんなところまで社員の視察とは、
モーレツな社長さんじゃのう!」とつづければ、顔面蒼白、慌ててゲームスポットを飛び出すことうけあいです。

というわけで、私たちは、ワルキューレが置いてあるゲームスポットから、少なくとも半径2キロくらいにある会社と社長の
名前が言えるよう、就職活動の大学生など相手にならぬほどの会社研究に励む必要があるでしょう。

もし、以上の手を使っても何ら反応がない場合、その人自身が会社の社長であると考えられます。
てめえの会社があるというのに、こんなところでダラダラプレイに興じる社長が経営する会社などろくなもんじゃありません。
この場合は、その社長の会社が倒産するまで待つのが最も有効な手段といえるでしょう。


以上のパターンに対する作戦が、万が一、失敗してしまった場合は、待つことこそが一番の対処法となりますが、
時間などの都合で、どうしてもプレイすることが叶わないときもあります。
その場合、歯茎全体から血があふれ出るほど悔しいでしょうが、ここはあきらめて家に帰り、悔しさをこらえ、ナムコミュージアムで
明日に備えることをおすすめします。帰る途中でスーパーに寄り、デンターTを買うのもお忘れなく。



竹熊「というわけで相原。パターンを判別し、対策を割り出すため、あいつの外見的特徴を言ってみろ。」
相原「うむ。えーと、身長は約2メートル、パンチパーマで着物姿。肌にカラフルなアートが施され、
さらしには短刀と、拳銃のようなものが巻かれ……。」
竹熊「退却だ、相原。」
相原「うむ。」


また一歩、野望に近づいた!!


つづく


Lesson3.は近日掲載!!


Lesson1.はただいま掲載中!!

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