紅き諍い女


 

仕様 評価
対応機種 WIN システム

3点

ブランド名 VEGA シナリオ

1点

ジャンル AVG 萌え萌え

1点

    せつなさ

10点

    素薔薇さ

1点

 


 さて、このゲーム、自分が購入した訳でない。さる友人が購入した物である。普段、この手の独特な味のあるゲームを買わない彼が、よりによってク○ゲー四天王とか、太陽系七大ク○ゲーとか、核地雷とかまで言われるこのゲームを買っていたのだから驚きだ。

 まあ、自分としては以前から興味があった作品だったのだが、あまり中古にも出回らず(あったとしても価格面で折り合わず)、長らく入手できない作品だったので、渡りに船とばかりにこのゲームに挑戦してみることにした。よって、今回の原稿は、その友人の弔いとして贈りたい。

 さて、このゲーム、友人が、まんまと騙された様に、ちょっと見、パッケージ自体は、普通のゲームに上手に偽装してある。しかし、よく注意すれば2つ程おかしい所があるのに気づくはずである。

 まず1つは題名。このゲームの名前は「紅き諍い女」、これは「あかきいさかいめ」と読む。諍いは、いさかいが絶えないの諍い。読み方が解っても、相変わらず意味が全然通じないだろう。普通の人間なら、こんな解らないゲームの名前はつけない。これだけで警戒に値する。

 しかし、実際、世の中には「Final Fantasy X-2」とか、冷静に考えると何言ってるのか全然解らない超有名作があったりする。確かに、それだけでは見分けがつかない事もある。だが、もう1つの注意点を見逃すようでは、エロゲーマー失格だ。簡単に言うと、このゲームは、「VEGA」の製品なのである。VEGAと言えば、エロゲー界のブラックホール、ちょっかい出して帰ってきた奴はいないとか、その筋では有名な伝説にまでなっているメーカーである。しかも、そのあまりの怖さに、ゲームプレイ中に寝てしまう者が続出という尾ひれまで付いている始末なのだ。

 そんなダメダメなVEGAの製品であるこのゲームでも誉める所はある。それは、ある有名声優を起用していることだ。その有名声優が、「はぁ、はぁ。はぁ・・・あぁぁぁぁ・・・か、体が熱いっ! はぁ・・・」と熱い喘ぎ声をあげてくれるのである。これは、誉めることだろう。

 まあ、ただ、その有名声優の名前は、「子安武人」大先生なんだけどね。
(子安武人 声優。出演作品 ヴァイス・クロイツのアヤ、エクセルサーガのイルパラッツォ様、機動戦士ガンダムSEEDのムウ・ラ・フラガ等)

 そんな金あるなら、「こおろぎさとみ」さんとか女性声優を使えと言いたいが、この辺りがVEGAのVEGAらしい所なんだろう。

 しかも、さらに、ご丁寧な事に、この極上の声を間違ってクリックして聞き逃す事が無いように、ゲーム中では一切の音声をスキップできない仕様になっているのだ。何という心憎いまでの配慮であろうか、流石、VEGA、脱帽である。

 さて実際にゲームの中身に入るが、この手のゲームのお約束に従ってシナリオの方も、いや肝心なシナリオの方が、メチャクチャなのである。この手のゲーム、お約束のパターンとして、描写が少なく会話だけで話が進んでいく。そして、その会話が、電波というか、何でそんな言葉が出てくるのか疑問に思う内容なのだ。実際、こんなゲームを好んでする人間も少ないと思うで、この先は完全ネタバレで解説していきたい。

 話の基本は、ファンタジー版「ロミオとジュリエット」。主人公は太陽の部族の皇子、そしてヒロインは月の部族の皇女。二人が偶然に出会って、恋に落ちるが、お約束通りに、二つの部族は戦争中という塩梅だ。

 ちなみに、この二つの部族が敵対関係にあるのは、月の部族の王女が殺されていた現場に、太陽の部族の装身具が落ちていたという、あまりにベタベタな陰謀が原因になっている。

 それで、双方の部族が総力戦を決行する事になり、二人はその無意味さを皆に理解させる為に、双方の軍の前で心中することにする。お互いに剣で胸を突いたのだが、皇女は皇子を殺すことが出来ずに、皇子だけが生き残ってしまう。そして。皇子は皇女の亡骸を抱き、湖へと身を投じたのである。

 ここまでは、(変な台詞等を除けば)ギリギリ普通のラインで話は展開している。はっきり言って、ここで終わっておけば良かったのにと思う程である。しかし、これから急激に話は、我々の住む世界とは違った超宇宙へと旅立ってしまうである。

 湖に投身自殺を図る主人公。だが、眼前に広がるサンゴ(湖だろここは)。しかし、そんな事は気がつかずに皇子は、心理描写なのか平然と独り言を吐いている始末。ここでビックリすることに、湖の女神が彼の元に現れ、声をかけてくる。この時点で、いくら何でも、おかしいと感じるのが普通だろう。

 しかし、この主人公、「邪魔するなら、殺す」とか物騒なモード全開で、水中で会話できる事や、女神の出現の事まで頭が回らない様子。はっきり言って、馬鹿者である。

 しかし、この女神、ある事をしてくれたら、何でも願いを叶えてくれると言うのだ。無論、皇女を蘇らせる事も可能。しかし、その肝心な女神の要望は、「大陸の平和をもたらすこと」。いきなり、話がデカ過ぎではないか? 非常に心配になるが、実際は、砂漠の向こうにある黒い塔に住む魔物を倒せば良いらしい。流石は、ファンタジー世界、ラスボスを倒せば世界平和は取り戻せると言うことなのだろう。

 当然、引き受ける主人公なのだが、別れ際で思わぬトラブルが待っている。それは、皇女の死体だ。これを女神が預かると言うのだが、主人公が強行に反対する。このバカ皇子は、砂漠の向こうまで皇女の死体を持って行くつもりなのだろうか? 鉢植えの生首を持って散歩に出る以上に、それは問題行為だろう。まあ、最後には、「ティエラ(皇女の名前)に何かあったら殺す!」と捨て台詞を言って預けることになるのだが・・・。死体に何かあったらも無いと思うのは自分だけか?

 女神曰く、黒の塔に入るのには、三つの証を手に入れる必要があるそうだ。その為に、街に向かう主人公だが、すぐに邪魔が入る。魔獣の来襲だ。こんな最初の敵なんて楽勝と思ったのだが、いきなり一撃でピンチモードに突入! おいおい、皇子、お前、実は弱いのか?

 まっ、これは旅の仲間が入るというお約束の展開か、そう思っていると、「ダァーンッ!!」の銃声と共に助けが入る。なに、銃声? この世界、銃器があるのか? それともレアな拳銃使いが仲間かになるのか? と色々と考えが暴走するが、この銃声は、何と猟師の猟銃。無論、猟師は単なる一般人なので仲間にはならない。

 それで、教会に担ぎこまれた主人公は、女司祭のHを介した治療を受けることになる。これはエロゲーのお約束だから許すとして、回復してからの行動が尋常でない。いきなり主人公に懺悔を強要した挙げ句、神の宣託を告げる始末。完全に電波女だよ、コイツ。しかも下された宣託の、内容が、
「街にいる女達に近寄り手に入れるものあり」
だからな〜。しかも、主人公が出発する時に、こんな気になる台詞を吐いてくれる。
「ああ、神よ許したまえ。迷える戦士のためです」

 それで、街に出た主人公だが、無論、ろくな当てはない。しかし、声をかけられた花売り娘を、その女だと思い込み、「やっと会えた・・・聞きたいことがあるんだ」と言い出す始末。普通なら、こんな危ない奴を相手する人間はいないだろうが、この花売り娘は、平然と話に乗ってくる。それが、この花売り娘、小さい頃に魔物にさらわれ、それ以来、興奮すると妙な傷が出るそうだ。無論、この後は、エロゲーらしくHシーンに流れ込む。すると花売り娘の背中に、ドラゴンのような傷が現れる(CGはないけどね)。

 これで安直ながら一つ目の証をゲットだぜと思うだろう。もし、そんな甘い事を考えた人間は、VEGAの真の姿を知らないのだ。この傷、本編には、何の関係もまったくない

 それで頭に来たのか、主人公は再び、教会を訪れるが、女司祭に何しに来たのか問われた後の、第一声が良い。「いいや、なんでもない。ただ、立ち寄っただけです」、主人公、弱い、弱すぎだよ。しかも、女司祭に「いいえ、そのお顔はそう言ってませんよ」なんて言われてる(イヤな女だね)。

 そして謝罪の一言も無く、次の宣託を下される始末だ。それも「この街を出て、魔物を倒しなさい。道が開かれます」だと。いや、魔物って先程、一撃で負けたのだが・・・

 しかし、そんな心配もしない主人公は、街の酒場に向かう(やっぱりバカなんだな)。すると、運良く北の洞窟に魔物が出ると噂話の最中。それも、狐の化け物らしい。

 それで、速攻で洞窟に向かって、あっと言う間に狐娘と遭遇。しかし、相手が女と分かって舐めているのか。「俺は勝つ! お前が負けだ! おとなしく立ち去れ!」と降伏勧告。無論、戦闘になるが、いきなり最初の一撃を喰らって血が出る傷を受ける皇子! まあ、それでも、コイツには勝てる。それで助けてやると、傷の治療からHシーンに流れ込み、そして最後には証を貰える。

 そして、再び女司祭の託宣で、今度は兎の化け物退治。降伏勧告、またまた一撃喰らうも勝って、許して、治療、Hシーン(以下略)で、2つ目の証をゲット。

 そして、今度は猫の化け物、またまたまた一撃喰らって(以下略)で、3つ目の証をゲット。

 なんか、コピー&ペーストで3つの証が揃ってしまった。かなり納得がいかない展開だが、まあ、いい加減プレイするのが疲れてきた所なので、許してやろう。

 それで、砂漠を苦労して渡る描写も何も無く、話は突然に砂漠の向こうにある黒い塔に飛ぶ。それで魔物と戦いになり、相手を倒す。しかし、この魔物、元々は悪い存在ではなかったらしい。大陸に平和に暮らしていた先住種族だったが、主人公の部族に侵略され滅ぼされたのだ。それで、その恨みで陰謀を巡らせて、二つの部族を憎み合うようにしていたらしい。

 まあ、相手にも、相手なりの正義が在ったという訳で、少々後味が悪い状態で女神の所に戻ることになる。ここからは感動のエンディングなので、少々長いが引用しよう。

 「女神よ俺はこの旅でたくさんのことを学び、聞き入れることができないような真実を目の当たりにしてきた」

 「すべては過ちから始まったのです。罪こそ憎むべき相手であり、血で血をあらそうことがあってはいけないです」

 「部族の長としてこれから先、なにをなすできであるか、たくさんの命をあなたが預かる者として、尊さや慈しみを感じてほしいのです」

 「そのつもりだ。ティエラと共にこの大陸を、すべての者のために・・・私は生きる」

 
「二人を転生しますよ。さあ目を閉じて」

 えっ? 転生ですか、女神様?

 しかも、この世界で、二人で暮らせないの?

 それじゃ、部族の長として心構えなんて関係ないじゃん!

 そんな真っ当な疑問が心に浮かびまくるが、話はどんどん進んで、皇子と皇女は別の世界へ送られちゃった。
 終わり。

 ・・・・・・なんかもう言葉もないのだが、最後に一言言わせて欲しい、やっぱり「VEGAは本物だった」ってな。
(タコマロ)