媚淫颶



快楽のラブマシーン


 

仕様 評価
対応機種 WIN システム

5点

ブランド名 Societa(ソシエッタ代官山) シナリオ

2点

ジャンル マルチストーリーアドベンチャーゲーム 萌え萌え

2点

    せつなさ

8点

    素薔薇さ

2点

 





 『媚淫颶』、貴方はこの字を読むことができるだろうか? 何と『媚淫颶』で「びいんぐ」と読ませるのだ。しかも、よりにもよってグの字には、「風」に「具」の「颶」。こんなアホな発想するのは、「男塾」か「HYPERSPACE」(以下、超空間)くらいのものだろう。そう思って、パッケージを見ると実にアレな文字が踊っていた(しかもストレートに赤色を使用)。

 ダイナミックアドベンチャーゲーム
 多彩プリティーキャラ
 立体的精密描画
 新感覚!方言あえぎ


 もう何が何だか分らない売り文句だ。ただ、「立体的精密描画」をポリゴンのことと思った人がいるかもしれないが、残念ながら全然違う。パッケージの表の絵がポリゴンなので、そう勘違いする人がいるかもしれないが、実際は、単なる2Dのエロゲーに過ぎない。

 余談ながら、このパッケージのCGは、けっこうできが良い。特に髪の毛の感じやショーツのクロッチ部分(股間の布が二重になっている部分のこと)の質感が素晴らしく、このレベルで全編創られていれば、例え一々ポリゴンで計算させなくてポリゴンで造ったCGを1枚絵として表示するだけだったとしても、結構有名になったのではないかと思う程だ。だから、皆さんも、くれぐれも騙されないで欲しい。

 そして、「超空間」が製作を手伝ったことを期待して値段も安かったので、このゲームを購入した。そして、ゲームのCDをパソコンに入れてショックを受けたことは、このゲームはインストールをしなくてもプレイすることが可能なことだ。おまけに、インストールを選んだとしても、何とインストール先を選べない。しかも、よりにもよって、Cドライブのwindowsの下に勝手にフォルダを造ってくれるのは勘弁して欲しいものだ。

 そして、ゲームを起動してみてショックを受けたのは、フルスクリーンオンリーにも関わらず、使われている画面は小さく、残りの部分が真っ暗に表示されたことだ。さらに、セーヴする時に、こちらで文字を入力して、その名前のセーヴポイントが作られるのだが、この時に使える文字がわずかに5文字だけ。加えて、常時セーヴができずに、ロードに至ってはゲームを最初から始める必要がある。そして、ゲームを最初から始めると、インストールしているのにも関わらず、インストールの有無を尋ねられ、それを一度拒否する所から始めないと、ゲームを開始することができないのだ。無論、既読スキップ機能はおろかスキップも、文字の表示スピードの調節すらない。典型的なダメなシステムと言える。これで2002年の発売のゲームなのだから、他に比べて4〜5年は遅れているだろう。

 そして一番重要なシナリオの方だが、こちらもアレなモノになっている。主人公はエロ好き、特に道具を使ってのHが好きな学生。そして、贔屓にしている大人のおもちゃの主人に見込まれて、日本古来から伝わる大人のおもちゃ(媚淫颶)を集めながら、九州の小倉から北海道の知床まで目指す任務を授かるのだ。

 そう、何を隠そう、媚淫颶とは大人のおもちゃのことだったのだ。そして、最初に渡される福岡(小倉)の媚淫颶は以下のような物だった(用法と効果についてはH過ぎるので省略)。

 明太膏
 種類:軟膏
 由来:902年(延喜1年)、菅原道真公、明太子ノ人体ニ及ボス影響ヲ応用、考案セルモノ也


 民明書房かよ、そうツッコミ入れたくなる内容だ。しかも、延喜元年は901年だろうが。ここまでの流れで、基本的にエロ+ナンセンスということは理解した。

 それと、主人公は店主からSRフリーパス(つまりJRフリーパス)と軍資金50万円を渡される。このSRフリーパス、全国のSR社が運営する電車とバスが期間中無料で利用できるのだが、それに加えて観光案内所のツアーも利用できるのだ。何で、ここで観光ツアーなんて出てくるかと言うと、基本的にこのゲームは、この観光ツアーで何を選ぶかで、イベントが起き、その町特有の媚淫颶を入手できたり、女性と巡り会ってHできたりするのだ。

 このHシーンでは、マウスカーソルやアイコンでクリックする方式だったり、拙いけどアニメーションがあったり、使用する道具(媚淫颶等)でHシーンが分岐したり、意外と造りこんであった。さらに、女性も京都では舞妓、四国では八十八ヶ所を巡礼している未亡人、東北では老舗旅館の女将とか地域の工夫以外にも、おのおの御当地の方言を話す工夫もある。エロゲ版センチみたいな感じだ。

 エロ以外でも、観光ツアーは本当に地域の名所案内になっていて説明があって意外と楽しめたし、体力回復のための食堂のメニューも場所によって違っており、さらに店主の台詞も違っていて、3980円とは思えない程のできに思えた。

 それで、最初は意外と面白いかと思っていたのだが、名古屋にたどり着く前に完全に飽きてしまった。なにせ、このゲーム、あまりにもワンパターンなのだ。色々な町に降り立っても、全て作りは同じ。ほとんどの町は、店以外には観光案内している所と公園しかない。観光ツアーは出発する時間が決まっているので、それまで公園でダラダラと休息して時間を潰すしかない(基本的に1行動1時間、1日24時間行動可能)。しかも、当たりのツアーは町につき基本的にひとつだけ。外れを引いたら、苦労してロードしないと単なる時間の損になってしまう。さらに、金を節約するために、毎日、毎日、公園で野宿。なぜ、こんな男が女にもてるのか不思議でならない。

 それに、Hシーンになっても、基本的な攻略方法は同じ。マウスカーソルやアイコンでクリックする方式なのだが、嫌いな行動をすると興奮度が下がってしまうので、一度成功した行動を続けた方が安全策で有利なのだ。しかも、基本的に最初は胸を揉んで、それからアソコを擦るという、全員に通用する黄金パターンを見つけてしまうと、Hシーンも単なる作業になってしまう。それにストーリーもなく出会いからマッハでHシーンに流れ込む展開。それに、システムの操作性が悪く、反応も悪いので、どうしてもやる気が失せてしまう。

 結論から言うと、もう少しパターンを増やしてくれたり、バカゲーを目指すならもっとナンセンスさを増やしたり、普通のエロゲにするならもっとCGに力を入れたりすれば、もう少し遊べたゲームになったと思う。ちょっと、攻略人数11人(+4体のセクサロイド)は多すぎたのではないだろうか。


 薀蓄:
 このゲームを造ったのは、よく見たら、「有限会社ソシエッタ代官山」だった。これまで、このメーカーの名前を聞いたことはあったが、実際にプレイしたのは今度が初めてだった。

 この「有限会社ソシエッタ代官山」、元々はセガサターンで年齢制限のあるゲームを創る会社だった。それから、コンシューマー機での年齢制限制度が廃止され、パソコン事業に進出することになる(『媚淫颶』はその時期の作品)。それから、有限会社アクティブが解散し、そこから人員が移って、現在の形(有限会社ソシエッタ)になった。ここまでは、栄枯盛衰やら引き抜き・転職が日常茶飯事のゲーム業界のこと、よくある話だ。

 ここから普通でない展開になってくる。この有限会社ソシエッタの役員の多くが、あるNPO団体に所属していることがネット上で暴かれたのである。そのNPO団体は、ジュベネイル・ガイド。その目的は青少年の健全育成で、野田聖子衆議院議員などの超党派の議員を集めてアダルトゲームの規制のための研究会を開いていたのである。しかも、自分たちはエロゲを販売し続けながらだ。

 しかも、ジュベネイル・ガイド理事がアクティブの元社長、即ちソフ倫の2代目理事長であり、そして、ジュベネイル・ガイドが本部としている住所が使われていないことを、週刊誌にすっぱ抜かれることになった。さらに、ジュベネイル・ガイドは単なるソフ倫との利権争いではないかと疑惑が浮かび上がってきた。これらのことによって、この超党派の集まりは崩壊してしまった。まあ、野田聖子衆議院議員以外の主要メンバーである水島広子元衆議院議員が落選してしまったことが大きいかもしれないけど。

 しかし、この週刊誌の記事がなかったら、今頃はゲームの規制はどうなっていたのか、ちょっと想像してしまうことがある。

(タコマロ)

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