このゲーム、実は買う直前まで購入する気はさらさらなかった物である。それが、何で購入する気になったかと言うと、実は「G.J?」さんの『姉とボイン』を買いに出かけたのだが、これが品薄でなかなか売っていない。それで、最後に見つけたのが、ある中古屋で『姉とボイン』とこの『boin』が2個セットで売っていたのだ。しかも、セットに名前がついていて、さらにそれが「ボインセット」という凄い名称だった。一応、セット価格だけあってお値段も多少安いようだし、最終的には買ってしまったのだが、結果としては、この『boin』の購入は失敗だった。
簡潔にこのゲームについて述べるとするなら、「原画は最高、塗りは今一、ストーリー最悪」となるだろう。
原画に関しては、人気原画家の「八宝備仁」さんなのだから問題はない。個人の好みはあるとは思うけど、安定はしていると思う。塗りは確かに、もう少しがんばって欲しい所はある、特に、ゲーム中にCGの拡大をよく使っているのだが、それが単に拡大しているだけなので非常に質が低く、それを見るとゲンナリしてしまった。それでも、全体として見るなら、この程度の塗りの作品は珍しくない程度だ。
最大の問題点はストーリー、より詳しく言うとキャラクター、それも一番重要な主人公の性格が最悪なのだ。まあ、エロゲーなら犯罪行為でも気にしない外道なキャラでも問題ないのだが、こいつの場合は超ヘタレなのだ。
コイツの何がどうヘタレなのかを説明するには、導入から説明することになる。このゲームの主人公である一条大介は、テレビの熱血教師に憧れ、医者である親の反対を押し切って大学を卒業した新米教師である。最近の少子化で教師という職業もかなり狭い門になっているらしいので、これを聞く限り、主人公は立派そうな人物に思える。しかし、実際は、主人公の祖母に学費の半分を借金しているので、多少は割り引いて考えて欲しい。
それで、主人公が先生となるのが私立衣更学園なのだが、ここの理事長が主人公の学費を補助してくれた祖母その人なのである。まあ、縁故採用というやつだ。そして、このゲームの主要な攻略キャラは全員、この学園の関係者で占められている。まずは、主人公のいとこ(祖母は同じ理事長)であり、学園の生徒の「飯井原なお」。それと、同じく主人公のいとこで先輩でもある「衣更透子」学年主任。最後は、「飯井原なお」の親友で、筑紫野財閥のお嬢様である「筑紫野みつぐ」の3人だ。
それにしても、やたらに親族率の高いゲームだ。親族やら職場関係の色恋沙汰は破綻したら、後で気まずさが残りそうだが、このゲームの主人公はそんな事は考えない。なにせ、この主人公ときたら、よりにもよって話の前半でメインヒロイン全3人と同時に関係を結んでしまうのだ。それも、プレイボーイキャラという訳でもなく、なんか流れに流されるまま、迫ってくる相手と関係を結んでしまって三又まで行ってしまうのだ(一部不可抗力もあるけれど)。
普通に考えたら、ばれたら徒では済まないだろう。なにせ三又のうち二人は親族であり、加えて祖母がよりにもよって主人公の最高の上司である学園長だし、ただ一人親族ではない「筑紫野みつぐ」ちゃんの家も学園に多額の寄付をしてくれるお家柄。主人公もそれを分っているで、女性陣が集まってヤバイ雰囲気なると、必死になって話題を逸らして、一時的に危機を逃れようとする。しかも、これがスマートなやり方ならば兎も角、なにせ馬鹿な主人公がする事なので言い訳も見苦しく、実に見てられない展開が続くのだ。
まあ、この主人公がどれだけ馬鹿なのか例を示すと、まずこのヘタレは新卒の分際で始業式に遅刻してくる。それで、学園長にお叱りを受けるのだが、そのシーンだと思って欲しい。
(学園長)「おおかた、インターネットですけべなところでも見てハァハァ言っておったんじゃろう!」
(ヘタレ)「うっ、ばあちゃん、どうしてそれを! はっ!」
これは開始早々のシーンなのだが、これだけで、笑える所か、この主人公のあまりの馬鹿さ加減にプレイする気が半分以下に減退してしまった。まあ、原稿のためとは言え、こんな超ヘタレな主人公をプレイし続けるのは、なにかの罰ゲームにしか思えなかった。
しかし、そんな苦しい展開も話が中盤に進むと少し緩和される。実は、この主人公は、職業適性診断の試験導入の仕事を任されている。それで、この職業適性診断の方法だが、生徒が特定の職業に扮して、教師(この場合は主人公)を相手にしてロールプレイを行うものなのだ。
無論、エロゲーだし、この女と見れば欲情する主人公にかかれば、職業適性診断も単なるイメクラになってしまうのだが、これでもヘタレの苦しい言い訳を見るくらいならば、こっちの方がずっとマシだ。何かにつけてエロに持ち込もうとするヘタレの態度は実に見苦しいが、少し我慢すれば綺麗な原画が見えるので、通常のイベントに比べればずっとマシだ。まあ、この職業適性診断の期間中、日常シーンが毎日同じ台詞の繰り返しになってしまうが、通常のイベントなんて痛々しいだけなので、それを見ないですむと思えば、何も起きない方がずっとマシだ。
パッケに書いてある「明るく楽しくコスプレエッチ」のうたい文句は、他のゲームと比較すると間違いなのだが、きっとこのゲームの他の部分との比べて「明るくて」・「楽しい」と言うことを製作者は示しているのだろう。それには、自分も同意する。しかし、残念なことは、このコスプレが各キャラ4種類で、各2パターンしか存在せず、その為に職業適性診断が8回だけでエンディングに向けての展開になってしまうことだ。
このエンディングへの展開で、これまでのヘタレのダメダメな関係が清算されることになる。だが、この最後くらいは、主人公がキメてくれるのかと思ったのだが、このヘタレに限ってはそんな事はない。なにせ、一応はメインヒロインらしき「飯井原なお」の場合なんて、結果的に選ばれなかった女の子達が万事取り計らってくれて、怒った「飯井原なお」と主人公の仲を取り持ってくれるのだ。何かもう、あまりにありえない展開で、目が点になってしまった。
一応、OHPや宣伝によると、このゲームは「八宝備仁」さんが胸にこだわって作った作品らしい。確かに、各ヒロインも、「飯井原なお」がバスト102センチのGカップ、釣鐘型おっぱい、「衣更透子」がバスト116センチのKカップ、ロケット型おっぱい、「筑紫野みつぐ」がバスト89センチEカップ、おわん型おっぱいと細かい設定になっている。確かに原画はよく出来ているのだが、ゲームに出てくるコスプレもあまり胸を強調したものばかりではないし、エロシーンもそんなに胸にこだわった物ではない。なんか、最高の食材を使ってダメな料理を作られたとしか思えない作品になってしまっている。なんか有名なフリーの原画家に限って作品に恵まれない(他にもっと酷い人もいるけど)という、ジンクスをまた証明する作品になってしまったことは残念でならない。
(タコマロ)
|