このゲームを創ったメーカーさんはその名を「PIANISSIMO」という。皆さんもご存知だと思うが、「PIANISSIMO」とは、音楽の強弱記号で「きわめて弱く」を意味する言葉だ。普通なら、あえてメーカー名としてこんな単語を選ぶことはないかと思うが、どうもエロゲーのメーカーは、その泡沫さを象徴したいのか、縁起の悪そうな名前をあえて選ぶ傾向があるように思われる。ただし、このメーカーの場合は出している作品のキャラがロリというかプニ傾向が強いので、もしかしたら、このメーカー名はそれを表しているのかもしれない。
そんな訳で、この『どきどき☆クローゼット』でも、登場するキャラクターはロリもしくはプニ傾向が強くなっている。だが、絵の質となると少々疑問がある。なにせ、最初に登場した主人公の幼馴染キャラの立ちグラを見る限り、少々デッサンが崩れているように感じられたのだ。しかも、問題はそれだけではない。「1本、2本、3本、4本、5本、6本」、どう数えても、この典型的幼馴染(世話女房)タイプのキャラ、指の本数が6本ある。もしかしたら、これに加えて人間で言うところの親指にあたる指がまだ隠れているかもしれない。そんな訳で、絵に関しては、ちょっと怪しいレベルということを覚悟してもらいたい。
次はゲームのストーリーについて説明しよう。このゲームの主人公、速水一弥はクラブ活動に性を出すわけでもなく、また回りを美女に囲まれながらも異性と付き合うわけでもなく、両親が海外出張というある意味恵まれた環境にありながらも、だらけた生活を送っている典型的なエロゲーの主人公である。
そんな彼が、ある時、空中に浮かんだ扉から助けを求める声を聞きつけた所から、話が始まる。変に思いながらも、その扉を開けてみると、中から飛び出してきたのは、魔法少女みたいな格好をした少女だった。彼女の名前はミィス、そして、この少女の正体はなんとタンスの中のあらゆるものを司る精霊らしい。
ミィスは上級精霊になるための修行をするためにこの世界に来たのだ。しかも、その修行の内容が、扉を開けてくれた人のために2週間お手伝いすることだったことから、成り行き上、主人公は彼女と一緒に暮らし始めることになる。
それでミィスの能力なのだが、タンスの中のあらゆるものを司る精霊である彼女は、その能力で色々な服をまとうことで、その服に相応しい能力を発揮することが出来るのだ。つまり、メイド服を着れば家事全般、スクール水着を着れば水泳能力、ウェイトレスの制服を着れば接客能力を発揮することが出来るはずなのである。まあ、「はずなのである」の注意書きで分るように、未熟なミィスは完全に能力を使いきれない場合が多い。その状況に相応しい服をまとっても、かえって問題が深刻化させる場合の方が多いくらいだ。
しかし、ゲームのプレイヤーは主人公と違って直接に迷惑を被るわけではないので彼女の変身を楽しむことができる。しかも、彼女が変身する時は、新たらしい衣装を着た状態でスクロールをして最後に決め台詞を言ってくれるのだ。しかも、この決め台詞が服毎に違っている。例えば、メイド服を着たら、「主従の絆は無償の愛! メイデン・ミィス! ご主人様にご奉仕するのです」となり、ビキニならば「海辺の衝撃! ビキニ・ミィス! あなたの視線もくぎ付けよ!」になる訳だ。この辺りはよく造り込んでいて、なかなか楽しめた。
しかし、ストーリーに関しては大きな問題点がある。ミィスは服を着ているとパワーが暴走して発情状態になってしまうのだ。そんな訳で、折角の変身シーンもHシーンの単なる前振りになってしまっている。まあエロゲーなので、服を取っ替え引っ替えしてHシーンをしているだけで、問題はないと言えば問題はない。しかし、Hシーンに特化するなら、もう少し服以外にヴァリエーションが欲しかった。多くのHシーンが同じようなものなのは、本当に頂けない。
これなら、Hシーンに押しやれて端に押し込められたストーリー部分の方をもっと造りこんだ方が良かったと思う。2週間の期間が終わってミィスと別れなければならない所とかは、お約束ながらよく出来ていただろう。
ただ、それにはHシーン以外にCGを回す余裕がなっていて、何と最初にミィスが登場する空中の浮かぶ扉すら絵がない、またCGがあったとしても指が6本ある幼馴染という状況を何とかしなければならないのだが・・・。
まあ、総合するなら、このプニっぽいキャラ絵が好きで、しかもほとんどのHシーンを一人で独占していて、何にでも語尾に「〜です」を付けるドジでけなげなミィスに魅力を感じるなら買いだと思う。
(タコマロ)
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