このゲーム、取扱説明書のオープニングテーマの歌詞を見ただけでぶっ飛んだ。なにせ、
お姉ちゃんが大好きなら
お姉ちゃんは増えてもいいね?
お姉ちゃんでいっぱいなの
おねえちゃん、きゅーぶっ!
お姉ちゃんは普通、増えないだろう・・・・・・そう思うのが常識だが、このゲームでは増える。しかも、時空の歪みとか何かで、主人公のお姉ちゃんが3人に分裂してしまうのだ。
しかも、常識的な姉が増えただけなら兎も角、このお姉ちゃん(春崎七夏:通称ななねー)は尋常でない。だって、主人公の部屋は、
ななねーポスター
ななねークッション
ななねーごみ箱(目が光る)
ななねー時計
ななねー人形
ななねーシーツ
等の「ななねーグッツ」で埋め尽くされているのだ。そして、これら全てが姉のプレゼントなのである。さらに、毎日毎日主人公の耳掻きをしたりする超甘やかし姉。これが、3人に増えたのだからたまらない。実際に、やって見ると分かるが、本当にゲームの中はもの凄い事態になってしまっている。
かなり考えの甘い主人公にも「この人達がおかしい。姉性愛に溢れているというか、溢れすぎてタダ漏れになっている。」と思われているし、かなりこの異常事態に慣れている友人達にも「あー何かあれねえ・・・行き着く所を通り過ぎた感じのする愛情表現ね」って思われてる程だ。
しかし、どんな姉だとしても、それが増えたとなると、トンでもない非常事態だと思うのだが、この世界では平然と受け入れられてしまう。なにせ、分裂した本人達に自分達が元々は春崎七夏だったという自覚はあるし、既に名前すら決まっているし、服だって着ているし、極めつけは回りの人間すらあまり気にしないのだ。よって、分裂に関する混乱は、非常に穏やか且つ緩やかで、ベタ凪の海同然の状態になっているのだ。
実際に姉が分裂したとしても、普通の人間には、フュージョンの呪文を習得したり、この世に散らばる願いを叶えてくれる七つの光る球を集めたりして事態を解決することができる訳もなく、これまで通りの日常を送ることになる。まあ、この日常が、大学のサークルの忘年会の為に、忘年会準備合宿に入るという、それはそれで非日常的になっていることが、せめてもの救いだ。
まあ姉が分裂しながらも忘年会の準備に余念がないことからも分かるように、このゲームは基本的にナンセンスというか不条理なギャグを中心に進んでいく。後は、かなりのシモネタを打ち込んだ塩梅だ。
一方、ストーリー的展開とか伏線とかは全然ない。ある意味、非常に平坦でダラダラした展開を永遠と続けることになる。
そんな状態でも、少しは話が進み、アルビノで虐められていた主人公を受け入れてくれた悪ガキの話になる。この主人公の恩人である悪ガキは幼くして病死しており、その命日に墓参りをすることになるのだ。ここら辺りは、ポンチな話も急に湿っぽくなり、ここから話が急激に展開して、忘年会そして三人の姉の内、誰かと急接近、そしてエンディングって展開になると思っていた。
だが、しかし、しかし、このゲームは、そんな常識な展開が許されるような甘い代物ではなかった。
何と、この悪ガキ(鎌倉タケル)、墓参り中に墓の中から復活するのだ。
しかも、しっかり成長しているし。
さらに、鎌倉タケルって名前なのに女だし。
おまけに、主人公を上回るギャグメーカーだし。
こいつが復活した後、湿っぽくなった話が、以前より輪をかけて不条理でナンセンスな展開になってしまい、ますますストーリーは端に追いやれてしまう。一応は、姉毎に泣けるストーリーがあるのだが、それが展開されるのは、もっとずっとずっと後のことになってしまう。
そんな訳なので、ストーリーに関してはおいて置いて、それ以外の所を見ていきたいと思う。まず、CGだが、かなり少ないし、塗りも2003年発売にしてはイマイチだし、パースも狂っている。だがCGに関しては、このテキストで押すこのゲームでは、立ちグラのバリエーションが豊富な方が重要だ。しかも、これ、イベント絵よりも断然、出来が良い。本当に、このメーカーは、どこに戦力を集中する良く分かっていると感心する所だ。
だが、音声が無いのは残念な点だ。これは台詞数が非常に多くて金がかかるとは思うが、ぜひとも上手い声優さんを使ってリメイクして欲しい。きっと、声が入れば、よりいっそうバカに磨きがかかるだろう。(声優を使えなかった為か、OPとEDの曲には力を入れている。これは良い曲だと思う)
それと、最後に、これを見てコミカルで面白そうだやってみようと思った人に忠告しておくことがある。それは、このゲームの少ないHシーンが、ゲームの雰囲気をぶち破って、縛りとか、触手とか、電気攻めとか、どれもこれも特殊な代物ばかりな事だ。これだけは、ゲームジャンルの「甘やかされ系あどべんちゃー」を信じていると不意打ちを喰らうので注意して欲しい。
(タコマロ)
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