『デビュー!! No.1 Vol.2 「イメクラ嬢・メイドプレイ篇」』という長い正式名称で大体予想がつくかもしれないが、このゲームはイメクラ嬢を育成してデビューさせるゲームである。しかも、ゲーム中にはふんだんにムービーが多用されており、その数は115個(+メーカーロゴが1つ)にも及ぶ大作だ。
そんな凄そうなゲームなのに名前を聞いたことがないって? まあ、自分も、中古屋のワゴンで発掘するまでその存在すらも知らなかった程だから何の不思議はない。
でも、このゲームの場合は普通のエロゲーマーが知らなくても不思議ではない理由がある。なぜなら、このゲームは「実写」なのだ。しかも、最近増えてきたDVDPG(DVDプレイヤーゲーム)ではなくて、本当に少数派である実写のCD−ROMのパソコン用エロゲーなのである(発売は1999年2月1日)。
それで、このゲームの発売元はアダルトビデオを大量に出している「クリスタル映像株式会社」さん。1999年と言えば、恐怖の大王が降ってくる、もといDVDプレイヤーはまだ確固とした地位を築いておらず、WIN98の発売以降パソコンの普及率が急速に伸びていた時期。だから、きっと「クリスタル映像」さんもパソコン市場に対する明日のためのその一として、このゲームを発売したのだろう。
で、結果としてどうなったかと言うと、この『デビューNo.1』のシリーズ2作をもってこの方面への進出が終わったことからも予想が出来ると思う。そもそも、実写というのはジャンルが絞られる。普通のAVGを造ろうと思ったなら、例えCGの代わりに写真のような1枚絵を使ったとしてもドラマを造るような手間と金がかかってしまう。それ所か、エロだけの単純な作品を造るだけでも、脱衣麻雀クラスで女優とスタッフの1日分の給料が必要となるし、調教ゲームだとしたら、よほど要領よく撮らなければ数日分は軽く費やされるだろう。つまり、それだけの経費をペイできるだけの売り上げが当時はなかったということなのだ。
話が逸れてしまったので、このゲーム自体に話を戻したい。このゲームのストーリーは、有名な風俗嬢教育係の主人公が新装開店するメイドプレイ主体のイメクラで働く風俗嬢を教育することである。風俗嬢は全部で「夕樹舞子」・「矢沢ようこ」・「夏木あやの」さんの3人。全員AV女優で、芸名とゲーム中の役名が同じになっている。AV女優については詳しくないのだが出演している作品はそれなりにあるみたいなので(特に「矢沢ようこ」さん)、それなりにあの業界では有名なのかもしれない。
ゲーム進行は、彼女達をそれぞれ1週間育成し、毎日、午前午後に会話を1回とトレーニングを3回選んでいくことでパラメーターが変動する。無論、トレーニングの内容はムービーで表示される。そして、最後に、そのパラメーターに応じたエンディングを迎えるという、エロ育成SLGとしては実にオーソドックスな造りになっている。
てっきりこのゲームはCGのエロゲの事なんか勉強せずにスポンサーをだまして造ったデキトーな作品かと予想していたので、思ったより普通だった。しかも、トレーニングも失敗・成功・大成功で違うムービーが用意されていたりして、意外とよく造り込んである。
しかし、このゲームをやった経験から人に勧められるか言うと、実写であることを除いていても、ちょっと首を傾けざるをえない。なにせ、ゲームをプレイしていて凄く飽きるのだ。まあ、育成ゲームはただでさえ同じ行動が多くて飽きやすいジャンルなのだが、このゲームの場合、イベントがもう非常に起こらないので完全に単純作業になりがちなのだ。特に、パラメーターを有効に伸ばそうとすると、選べる育成内容がごく一部に限られてしまうので、さらに変化がなくなって眠くなってしまう。
まあ、イベントらしきモノもない訳ではないのだが、ストレスが溜まり過ぎて倒れたり(しかも普通にやっていれば起こらない)、必殺技を覚えたりする位のものだ。この必殺技、一定以上のパラメーターになると覚えるみたいで、特別なムービーが流れるのだが、これがつまらない。
必殺技と言ってもバキュームフェラとか覚えたりするのだが、CGなら無茶な構図もできるのだろうが、実写では所詮演出に限界があるので、はっきり言って普通の行為と見分けがつかない。これでも描写があれば違ってくるのだろうが、このゲームの場合はエロシーンを全てムービー一本に頼っていて文章がないので、その手も使えない。まじに、必殺技を覚えたとしても、育成的には嬉しいのだが、エロとしては全然嬉しくない。
また、会話シーンくらい普通のものを用意すれば良かったと思うのだが、このゲームの場合は相手が喜んでいるとか、すねたとか説明されるだけに近い状態。ここで特別な話題をふったり育成の状態によりイベントが起きたりすれば気もまぎれたと思うのだが、そんな演出はない。まあ、もし造る気があったとしても、あの女優さんの演技力では諦めるしかなかったもしれないが。実際、あいさつとか読書の育成シーンとかのムービーを見ると、あまりの演技のアレっぷりに見るのが忍びなくスキップしてしまったことが多かった。
それとシステム面もコンフィグが一切ない等、かなり悪い面が目立つ。まず、古いゲームなので仕方がないが、ムービーのCodec(コーデック)にIndeoを使用しているのでXPでこのゲームのムービーを見るのは少し苦労することになるかもしれない。
さらに、強制フルスクリーンなのに、ゲームに使うムービーの大きさが決まっており、それに合わせてゲームの表示の枠を決めているので余った部分が真っ黒という非常にふざけた状態になってしまっている。これならウィンドウモードも搭載して欲しかった。まあ、メッセージスピードに関しては全ての文が瞬間で表示されるし、文章自体も非常に少ないので、これで十分だろう。しかし、メッセージスキップも読み返し機能もないのは困りものだ。この辺りは、エロゲーで培われた経験を、ゲームの流れだけでなくシステム面にも応用して欲しかったものだ。
それでも、最悪って程ではないので、もしゲームに登場する女優さんが好きだったら、入手できるならプレイしてみるのも悪くないかもしれない。自分としては、ムービーは全部、隠しファイルになっているだけでそのまま入っていてクリック一発で全部見ることが出来るので、そうした方が利口だとは思うが。だた、それではアダルトビデオを見ているのと違いがなくなってしまうのだけどね。
(タコマロ)
|