パート3特集ということで、今度は『瞳裸3〜傀儡哀〜』(正確には3はギリシャ数字)をお送りします。この作品は第3作目ですが、時間軸上では1と2の間に位置します。
1の話は、ちょっと人体実験に失敗しちまって、自分が錬金術師として使えていた帝国を追われた賢者ミスランディアさんが主人公。それで彼はその復讐として、人造人間のアリアを製作し、彼女を帝国の後室に送り込んで皇帝を篭絡しようと目論見ます。それって、とても賢者の行動に思えない、単なる逆恨みでは? でも、我が日本でも、ちょっと地方に左遷されたぐらいで根に持って祟りまくった挙げ句、学問の神様してる奴がいますから、それと同じですかね。
話は戻りますが、『瞳裸1』の当初の目的は、宮廷の要人に取り入り、アリアを後宮に入れることです。まあ実際のプレイは、Hなアイテムを開発してアリアで試験し、要人に渡して行くことになります。
ジャンルは調教シミュレーションですが、難易度は非常に低く、好きなエンディングを簡単に見ることができるでしょう。無論、アリアを後宮に入れない、相思相愛のエンディングも存在します。しかし、3へと繋がるエンディングは、火事でアリアを失うという、CG回収かクリックミスでもないと見る奴はいない程の馬鹿なバットエンディングです。
多分クリックミスして、さらに1回もセーブしてなかったミスランディア様、余りのショックで放浪の旅に出てしまいます。しかし、「偉大なる哲学者にして錬金術師である自分が、そんなつまらない事で悩む必用はない。簡単なことだアリアを復活させればよいのだ」と気づくのが、何と百年後。ミスランディア、相変わらず、本質的にはお間抜けさんです。
そして、アリア復活に必要な助手兼練習として2体の新しい人造人間(サーバント)を作成し、ある町に必用な道具を揃えた時点で、この『瞳裸3』が始まります。
しかし、この時点で大きな問題が存在します。実は、アリア(瞳裸)の作製に必用な、百年に一度程度の頻度の星辰が起きるのが、なんとたった30日後。それまでに、助手の能力の開発と、マンドラゴラの収集に努める必要があるのです。8月最後の週になって、あわてて宿題を始める小学生ではないのですから、賢者たるもの、もう少し計画的に行動して欲しい。これじゃ、まるで海のリハクです。
まあ、実際のプレイは、Hなアイテムの改良開発をしつつ、怪しい店の経営、材料の買い出しを行うことになります。難易度は、1より少し難しくなっています。
話自体は、二人の人造人間は主人公に対して絶対的で、かなりラブラブな展開。しかし、主人公と人造人間の双方に不安の種が存在します。主人公には、この国に流行し始めた疫病に人造人間が罹患する可能性を気にしています。一方、人造人間の方は、自分達はアリアの復活の為にしか必用ないのではないかという疑念を持っています。
まあ、後者の悩みは深刻ですけど、前者の問題は、仮にも偉大なる錬金術師のミスランディア様、お茶を入れる間に解決してくれるはず……。そう思ったんですけど、殆どのバットエンディングで人造人間は疫病で簡単に死んじゃいます。これが正体不明の病気ならともかく、ミスランディア様、病名はおろか治療法までも知っているのだから、何とも情けない話です。それにしても、賢者たるもの、余人よりも一歩先を見て行動して貰いたいものです。
それで逆に深刻そうに思える後者の問題ですが、実にあっけなく解決します。その疑念を口にした彼女達に対して、ミスランディア様、「そんなことはない、お前達も今まで通りアリアと一緒に暮らせばよいのだ」と即答。それで、すっかり安心する二人。いくら従順な人造人間が相手だとしても、盛り上がるこの展開をこの一言で終わらせるのは、反則ではないでしょうか?
また、アリアの復活も、同じ様に期待外れに実に淡白に終わります。再会シーンでも感動はありませんし、あっさりと1回肌を合わせるだけです。これまでの苦労がぜんぜん報われてない気がするのは、私だけでしょうか?
しかも、これでゲームは終わりません、まだまだ続きます。今度は疫病との闘いです。しかし、ゲーム中ではそんな説明は全然ないので、なんでゲームが続いているのか頭を悩ますような不思議な展開になってます。でも十分なマンドラゴラさえこの期間に確保しておけば、ゲームクリア。最後には街を特効薬で救って、その尽力に対して新しい大公に任命されてベストエンディングです。
けれども、ミスランディア様、今回もシリーズの流れ上は、バットエンディングです。Hアイテムを作製しすぎたのか(一部の品の製作にはマンドラゴラが必用)、それとも単に経営が下手だったのか、マンドラゴラの本数不足でアリアを含めた人造人間全員を疫病で失ってしまいます。そして、『瞳裸2』の舞台であるボッサールへと流れ着き、そこで失意の内に没するのです。それにしても、何て巡り合わせの悪い奴なのでしょうか。
まあ、ここでさらにミスランディア様に追い討ちを。彼が哲学史に名を残すと豪語している、シリーズの名前にもなっている瞳裸ですが、これが非常に役に立ちません。なにせ、単に魅了の能力を持っているだけの石。まあ、愚民には需要はあるでしょうが、それを扱うのは哲学や錬金術より、怪しい呪術師の分野です。人造人間が製作されている所で、今更チャームとか言われても明らかにレベルが低いです。しかも、『瞳裸2』によると、瞳裸が効果を発揮するには相手と数回性交する必要があるとのこと。それって、完璧に意味なしでしょう? まあ、それでも『瞳裸2』では、ミラスランディア様は歴史上の人物として名を残しているのだから凄いことは凄いのでしょう。
なんか、これまでミスランディア様について散々悪いことを書いてきました。しかし、この博識で、大衆を無知蒙昧と断する悪舌家の事を、私は結構好きです。あれで完璧な奴なら、究極に嫌な奴ですが、その意外と間抜けな所があって、やっと人間らしいと言える。特に、『瞳裸3』での少々丸くなったミスランディア様と、お茶でも飲みながら、錬金術談義に耽りたいものです。そして、彼に言ってやりたい。
「幾等なんでも、『金の黄昏錬金術師結社』はね〜だろ。それじゃ、アレイスター・クローリーの入団した『黄金の暁教団』のパクリじゃん!」ってな。
(タコマロ)
|