顔のない月〜リプレイ
ゲーム開始早々、主人公は電車の長旅で疲れたのか倒れています。後で分かることですが、養父母が亡くなり、縁続きの旧家に引き取られることになって、そこまでの旅だったようです。まあ、連れがいるので普通なら少しは安心できるのでしょうが、しかし、こいつらが非常に薄情です。駅に降りたのなら、そばの人家に助けを求めるとか、救急車を呼ぶ、とかしないのでしょうか? さらに、氷枕を買いに行った奴が、女性を送っていって帰りが遅くなったと聞いた時点で、こいつらの行動が愚かさでなく確信犯であると理解できます。普通は、そんな長時間にわたり気を失っている人間は、危険な状態であると考えるのではないのでしょうか? まあ、死んでも所詮は赤の他人、こいつらには知ったことじゃないのでしょう。
さらに、そこから車で2時間もかかる屋敷まで強行軍された日には、まさに八甲田山、ゴー、ゴー、モードです。しかもこの屋敷、最寄駅が車で2時間らしいです。一体全体どこにあるのでしょうか? しかも後のシーンでは、この電車が屋敷の近くから見えるんですが、ここは竜王の城なんでしょうか。開始早々、嫌な予感がします。
しかも、主人公の丸太の扱いは、これだけではすみません。この屋敷でも、グロッキーな失神している人間に、初夜の床入れの準備をすすめて、薄衣を身に纏った女性が送りこまれる始末。
まあ、この長い黒髪のこのお屋敷の令嬢、大人しいお嬢様を予想していたら、なんと声優が、こおろぎさとみさん。はっきり言って嫌いではないのですが(いやむしろ好きと言えるのだが)、イメージが違う、どうやらお嬢は外見と違ってお転婆娘らしいです。そんな訳で、当然ながら、いきなりの初夜は失敗。
さらに、一緒に来たメイドさんに、体の調子が悪いのだから無理してはいけないと言われますが、明らかに無理させようとしたのは、あなた達だと思うのが普通の人間でしょう。
そんなこんなで、次の日となり、奥様に呼ばれます。この奥様もかなり変そうです。人に、オウムの様に「それで心は決まりまして」を連発します。まるで太古のAVGを思い出させてくれます、これまで何の選択肢もありませんでしたが、フラグが足りなかったのかと心配になってしまいます。しかも、その説明をする段になると、「同じことを繰り返し話すのは苦痛です」だと、ふざけるのもいい加減にしろ、この年齢不詳の妖怪女。人のこと呼び出しておいて、なめたこと言ってんじゃねー。
いやいや、この私としたことが、失言をしました。奥様の内容の方は、婿養子の件の確認なのですが、普通は床入れの前に取るのが普通でしょう。それでも、このゲームにはまともな人間は登場しないようなので、これぐらいで驚いてはいけないと心に言い聞かせます。なにせ、主人公だって、白昼夢(幻影?)で女の子の姿をよく見ているので、人のことは言えません。普通の診断なら、立派な精神分裂症でしょう。
流石に、こんな人間を独りで行かす訳に行かないと、引率の教授が付いて来ています。しかし、この引率のジジイに、「もっと怯えと憔悴と、寝不足でボロボロのはずだが」とか「昨日の原因不明の高熱もそれに関係していると思う」とか、この幻影について言われますが、このジジイが氷枕を買いに行って、糸の切れた凧になった奴かと思うと、悲しくなってきます。どうやら親切めいた事を言っていますが、主人公はこいつにとって単なる珍しい症例の被験者その一にしか過ぎないようです。
でもすぐに、これが勘違いであるとわかります。教授の専攻は民俗学で、この旧家の婚礼のしきたりを研究にきたそうです。まあ、どっちにしろ、主人公が被験体であることは変わりません。こんな教授の下には、私なら絶対につきません。
さらに危険な事実が判明します、主人公の養父母は最近死んだらしいですが、なんとこの旧家(倉木家)の当主も、その前日に偶然に死んだそうです。どこが偶然なのか詳しい死因を聞きたくなってきます。なんか、すでに屋敷には、袴に下駄の私立探偵がいても不思議がない状態になってきました。
婿養子の件に話を戻しますが、ハッキリ言って私ならきっぱりと断って、エンディングNo1をゲットする所ですが、これが何の選択肢もなく、1ヶ月の猶予期間が与えられます。なんか、月待ちの儀という、いかにもやばそうな儀式までに当主が決まればいいらしいです。主人公も、上手く言いくるめられて1ヶ月の滞在を約束してしまいます。
そういうわけで、やることもないのでお屋敷の探検に乗り出します。図書館で美少年を口説く教授などがいましたが、中庭で恐ろしいこと発見。なんと、離れに住む大奥様は、どうやら婚約者の曾おばあさんにあたる高齢らしいです。驚きました、てっきり祖母だと思っていました。
それに、庭に椿の花を見つけます。木はまったく椿に見えませんが、花だけは椿です。大体、背景の他の木と変わらないものに、まるで学芸会の大道具の様に不自然な花のつき方をしています。このゲームで椿は、カーソルが椿の花になっているくらい重要そうな物なのに、実物は見たことないんですか? CARNELIAN様。他の絵は全て綺麗なのに、この絵だけはかなり投槍に見えます。なにかあったんですか、CARNELIAN様。
しかも、真夏に椿の花が満開です。そのことをメイドに確認したら、体の心配をされてしまいました。当然です、こんな真夏に椿は咲きません、椿は冬の花です。ストレートに頭の心配をされなかっただけ、相手の慎み深さが伝わってきます。夏椿と言う木もありますが、あれは伽羅(キャラ)の親戚の落葉樹に白いお茶のような花を咲かせる代物で、全くの別種です。
さらに探索を続けても、こんな山奥で屋敷を外から覗く青年と、怪しい爺ぐらいしか見つからずに探索は終了しました。
館に戻ると、さらに驚天動地の新事実が発見されます。まさに驚きの連続、これが夢の21世紀というものなのでしょうか。なんと、主人公は女の顔をこの十年間認識できなかったのに、この館に入ってから急に認識できるようになったそうです。そんな重要なことは、もっと早く気づいて教えて欲しかったです。どうやら、この主人公も、プレイヤーに可能な限り情報を渡さない不親切な奴みたいです。名前が変更できるなら、主人公の名前はヤスに決定です。おそらく、この連続殺人事件の犯人はこいつに決定したようです。
さらに、奥様曰く、ヤスは気の向くままに自由に行動して良いそうです。ヤス、ピンチです、1ヵ月後には生贄確定です。でも民族学を専攻していながら馬鹿なヤスは、それには気がつきません。ヤスには見えませんが、私にはある風景が浮かんできます、そうそこは、ある晴れた昼下がり、市場に続く道……。
下らない話はおいて置いて、メイドとの雑談でさらに新事実をゲットしました。倉木の家は小間物問屋として有名らしいです。こんな裕福な小間物問屋なんているのでしょうか、このゲーム、疑問はつきません。小間物問屋なんて、代官に黄金色のお菓子を出すのが精一杯、それでも両替商や材木問屋に比べても数ランク落ちます。大体が、話のスタートで押し込み強盗に襲われて一家惨殺というのが基本的な役回りでしょう。さらに副業が白拍子、つまり巫女さんらしいです。まったく訳がわかりません、ともかく先祖代々のキチ○イの家系ということは分かりました。お金のほうは、倉木山には黄金伝説があるので、おそらくそれが真の財源なのでしょう。
メイドとの雑談は、まさに雑談で話はあちらにフラリ、こちらにフラリとしますが、さらに前当主、行方不明だそうです。1年前に車が川に転落したそうですが、死体は発見されていないそうです。ヤスの養父母が死んだ前日に、当主も死んだと聞いた気がするのですが、あれは空耳だったのでしょうか。後で確認をとるとしましょう。
もう些細な事は気にしませんが、これは言わせて下さい。居間に来るようにと言われて、なぜ応接間に行くのでしょうか、しかも相手も平然とそこにいますし。この屋敷は、客室も2間以上もあるのに、居間と応接間が共用なのでしょうか、2度もこんなことが続くと単なるミスではないようです。
まあそんなつまらないことはおいて置いて、大奥様と会うことになります。しかし、この大奥様、ヤスを見るなり、「その影は・・」と言って、発作を起こしてしまいます。怪しすぎますが、そんなことを言ったらゲーム内の全ての人間が怪しいので、いまさら何を言わんや、というレベルですけどね。
これからは真にプレイヤーに行動選択の自由が与えられます。昼と夜に行く所を選べるようになりました。でも、毎日、少し甘い怪しい水を飲まされます。薬らしいですが、信用できません。飲みたくないですが、直接監視下では、飲用しない訳にはいきません。
行動の自由ができたなら、お嬢様(鈴菜)の所に行くことにしましょう。なにせ、婚約者ですし。そうして通っていると、鈴菜は禍蛇という儀式をやっているらしいです。それに、先代にヤスはお嬢様の共達に決められたということが分かります。ヤバい感じがするけど無視して先に進みます。
まあ、そうやって鈴菜の部屋に通っていると、まあ、こちらも薬を飲まされていたし、向こうも儀式で興奮していたこともあって、なんとお嬢を襲ってしまいます。でも、どうした訳か、これが契機になって、追い出されるどころか、なぜかお嬢との仲が急に良くなる始末。女心はわかりません(このゲームの女は特にな)。
それからお嬢の下に通って1週間、やっとヤスも行動を起こす気になったようです。ヤスの部屋は、前当主の部屋を使っているのですが、そこの机の中を調べはじめます。私ならば、とっくにやっている所ですが、ヤスだから仕方ないという所でしょう。そして、机の中から椿の観察日記と鍵を発見します。どちらも重要そうですが、無論、ヤスは無視です。さらにキャビネット内には、ビデオテープの観察記録がありますが、無論、これも無視。さすが、生贄のヤス、自分の役割を忘れていません。やはり、こういった物は、手遅れになるまで見ないのが、生贄の生贄たるゆえんでしょう。
そうやってゲーム期間中、唯ひたすらにお嬢様の尻を追いかけて、普通の選択を選んでいたら、突然にゲームが終わりました。なんか、主人公がよく会っていた奥様は、とうの昔に死んでいたらしく、それでも霊体になって、ここを霧につつんで何かを企んでいたらしいです。でも、急に自分のやっていることは良くないことだと思ったらしく、消えてなくなりました。これまで館の人は、平然と奥様と話していたのに、何の記憶もありません。
霧が晴れると普通の世界、どうやらこれまでは不思議な時空にいたようです。登場人物の言動がおかしかったのも、非論理的な展開があったのも、話が矛盾しているのも、全てこの霧のせいなのでしょう。納得がいきました、どうやら今夜はよく眠れそうです。
そして、主人公はお嬢と結ばれてハッピーエンディングを迎えます。
もちろん、伏線はすべて謎のままに。
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