ソフ倫の細則ではゲームの題名には直接の性表現を避けるようにという取り決めがあったらしい(現在は知らないが)。それでも、この規制は緩く、読みが同じでも漢字が少し違っているだけで許可がおりたそうである。その規制の中でギリギリのラインというか、明後日のラインをついてきたのが、このゲーム『フェ○りんぴっく 〜江口家の咥内事情〜』である。
ゲームの題名も題名ならジャンルの方も「ユメみがち咥内アドベンチャー」。少なくともどんな鈍い人でもこの時点で、このゲームがバカゲーとして製作されたことが分るだろう。そして、それはこのゲームのストーリーに関しても如何なく発揮されている。
このゲームの主人公である江口湧は生後まもなくハモニカ保育園の前に捨てられているところを、保育園を経営する江口家に引き取られた。そして現在は、事故で養父母を失い、義理の三姉妹とともに一緒に暮らしている。そこに、突然1000万もの借金が降って現れたのである。途方にくれる江口家であったが、ある光明を見出す。偶然にも咥楽園の地下にある秘密の地下奉仕場で優勝賞金1000万の「フェ○りんぴっく」という大会が開かれることを知るのである。この大会に優勝するため、江口家では義理の姉弟で出場を決意し特訓をすることにしたのである。これがこのゲームの導入部分だ。
こんなアレな話に、異常なまでにノリがよいオープニング曲「ちゅぴちゅぱBJ!〜めくるめく姉のベーゼ」(演奏:下襠チュパラダイスオーケストラ)が電波に導いてくれる。さらにゲーム中でも、大会の司会を務める奮立一物郎アナウンサー等の小ネタがあちこちに効かせてある。これに加えて、咥楽園の地下での秘密の大会ということで予想がつくと思うが、主人公の親友として繁馬くんが出てくるように、全体としてバキのパロディにもなっている(因みにバキの本名が範馬刃牙)。
無論、このゲームはバカだけでなくフェ○チオについても力を入れている。Hシーンでのアニメーションに加えて、声優陣もフェ○艶技のうまい声優さんに主演いただいたそうだ。自分は本当にうまいのか分らないが、声優陣は、涼森ちさとさん、木葉楓さん、白井綾乃さん、一色ヒカルさん、榎津まおさん、韮井叶さんが出演している。そして、実際にフェ○シーンもやたらに多い。
さらに、エロとバカだけでなくて、話の前半戦には、異常な状況下ながらも姉弟から恋人になるまでの恋愛ストーリーが描かれ、後半は繁馬くんペアとのスポ根物のノリが展開される。自分は特にこのスポ根的な感じが非常に好きだった。
これだけ良い所が揃っているのだから、さぞかしこのゲームは素晴らしいゲームだろうと思うかもしれないが、そうは問屋が卸さないのが世の中の難しいところだ。いくら、カレーと寿司とケーキが好きだと言っても、それを全部一度に混ぜたら上手い所か地獄の釜の蓋が開かれてしまうだけであろう。
このゲームの場合もそれと同じで、それぞれがそれぞれの持ち味を殺してしまっている。いくら繁馬くんと強敵と書いてトモと呼ぶ展開があっても二人が競うのはフェ○チオだったり、いくらエロイシーンが見られても直ぐにバカキャラが茶々を入れてきてヒートした気分が瞬間に縮んでしまったりするのだ。
それも、このゲームがこの系列(ブルーゲイル)の中でも少々安価なラインなことに原因があると思う。普通のゲームならば色々なシュチュエーションも幕の内弁当のようにある程度仲良く共存させることもできるが、このゲームの場合、あまりにも内容に比べて尺が短い。なにせ、肝心な「フェ○りんぴっく」ですら、1回戦を勝ち上がったと思ったら、直ぐに決勝戦になってしまうのだ。これではあまりにも短すぎる(どうせバキをぱくるなら、あの入場のシーンをやって欲しかった)。まさに、色取り取りのオカズを無理矢理小さい弁当箱に詰め込んで、それぞれが潰れて中の汁が染み出してしまっているような出来になっている。
きっと、これでもこのゲーム製作者さん達は、このゲームの草案を練っている時に飛び出してきたネタを製作にあたって大量に切ったことだと思う。それでも切り足らなかったのだろう。できれば、もっと大きい作品でのびのびと表現して欲しかったと思う。それでも、このゲームの各要素が好きで好きで堪らない人であったなら、一回り価格が安いゲームでもあるので、ぜひやってみてもいいと思う。
(タコマロ)
|