あの有名メーカー「Leaf」から麻雀ゲームが出る。しかもこれまでの「Leaf」キャラが登場するオマケソフトではなく、完全に独立したゲームとして出る。これを聞いた時に、正気かと思った。そもそも、麻雀なんてエロゲーでは時々使われてはいるが、現在では遊びとしては斜陽もいいところの存在。そんな遊びに向かって有名メーカーが全力投球するなんて明らかに戦略ミスだろう。
そう思っていたら、案の定、大量の在庫がお店に溢れ、安売りですらさばききれずに、仕舞いには福袋のタネのひとつにまでなったしまった。そして、福袋を買い漁った友人の手を経て、自分の手の中に、この『フルアニ』がある訳である。ただ、やってみて分ったことは、友人が試しにやってみた部分だけでゲーム本体の8割を超えていたので、別に借りる必要はなかったってことだ。それ位、このゲームにはボリュームはない。
それで、実際にゲームを始めて思ったことは、オープニングのアニメはよくできている。そして、主人公とお隣に住む女の子が、落雷(もしくはそう見える怪現象)によって主人公の遊んでいたゲームの世界に引き込まれたらしいことは分った。
そして、次のシーンでロリ悪魔っ娘に起こされる主人公。なぜか、主人公は鎧や剣を装備しており、冒険者モード。そして、ろくに現状を確認できないまま「ちょっと私と遊ぼうよ」と唐突に麻雀シーンに突入してしまう。
それで、この麻雀、非常に敵が弱い。そもそも聴牌(テンパイ)しない、したとしても平気で振聴(フリテン)している始末。さらに、こちらには強力なイカサマ技が用意されているので、麻雀なんて単なる時間稼ぎにしかなっていない。しかもラスボスだってそんなに強くない。一応、点数が1万点を切ると急に強くなるが、それでも十分勝負ができるクラスだし、非常にインフレ麻雀なので危険域を軽く超えて相手がハコにはってしまうことが多い。
そして、その弱い麻雀に勝ったら、相手は主人公のことを気に入ってくれたのかHシーンに流れ込む。実は、このゲーム、脱衣麻雀ではない。勝ったらHシーン、アガリでいちいち中断するようなことはない。これには驚いた。
しかし、ここまで相手が話しかけてくるシーンでも、麻雀シーンでも、そしてHシーンでも、全てがアニメーション。質については深夜アニメにすら劣る、正直言ってぴんぱいレベルだが、まあアニメはコストがかかるので、これは許せる。問題は、台詞が表示されないことだ。つまり聞いていないと話が分らない。そして、区切り区切りでクリックもなく、アニメは完全に垂れ流し状態(一応マウスで巻き戻すことは可能)。パッケには「アニメ+麻雀+アドベンチャーの新しいカタチ!!」ってあるけど、ちょっと少し新し過ぎる感じだ。もう少し、他の古いゲームのいい所を取り入れて欲しいものだ。
そして、Hシーンを経て、「あの城を登って見れば何か分るかもね」と言われて、主人公はその城に向かうことになる。因みに、この城、主人公が現実世界で遊んでいたゲームでも次の目標としていたようだ。それに、見るからに重要そうな白い城なので、言われなくても入っただろう。
さらに、城の中に入ってみれば、姫様らしい人物(姿形はお隣さんと同じ)が怪物に襲われている。それを軽々と切り倒す主人公。いきなり一般人を上回る力を手に入れているが、主人公はそれをまったく気にすることはない。今考えてみると、この辺りでこのゲームのアレさ加減は尻尾を見せていたかもしれない。
そして姫は城の奥に逃げ去ってしまうが、その後に姫を探している女司祭らしい人物がぶつかって来て、何故か勝負を挑まれてしまう。まあ良い、強引な展開は許して置こう、でも何故この勝負が麻雀なのか何の説明もないのは納得がいかない。当然、勝ったらHシーンになる。一応、こっちの方は戒律らしい。
この後、逃げる姫を追う→襲われている姫を庇う→勝負(なぜか麻雀)→なぜか敵とH、この超絶展開が繰り返される。超絶展開は置いておこう。しかし、この城は何なのか、なぜ麻雀勝負なのか、姫はここで何をしているのか、そしてこのボスらしい存在は何者なのか、まったく何の説明もないのだ。おまけに選択肢の一つもなくて、何がアドベンチャーなのだろうか?
「アニメ+麻雀+アドベンチャーの新しいカタチ!!」を目指したとしても、あまりにアバンギャルド(前衛的)すぎだろう。いや、アバンギャルド(前衛的)と言うより、より近いものを自分は知っている。そう、説明がなく勝手に電波な話が進むゲーム達。例えば、部族の長としての心構えについて教えられていたと思ったら異界に転生されされた『紅き諍い女』とか、「くりぷうぴ」という名の焼肉屋が出てきたりする『やきにく くりぷうぴ』とか、元公務員ながら凶悪な犯罪者になった主人公が、実はアレな施設の教育係だったりする『奴隷−オベイ−』と変わりはない。つまり、このゲームのストーリーに関しては、天下の「Leaf」様もあの超空間ことHYPERSPACEと何ら違いはない。
確かに、『フルアニ』の場合は全てがアニメーションだ。話をしているだけのアドベチャーシーンでも無駄にキャラが動いている。ここで説明を長くすれば、それだけアニメシーンを増やすことになるだろう。そうなれば必然的にコストを急上昇させることになる。そこをカットしたいのも分る。でも、そこを切ったら、超空間と変わりがない。そこにあるのは単にスケールの違いだけだということを肝に銘じてもらいたい。
それと、このゲーム、麻雀の勝ち方でHシーンに変化が出てくる。でも槓子を2つ持ってあがることが必要とか、完全にノーヒントでクリアできる人間がいるのか疑問に思うものが多い。せめて、先に条件を示してオマケモードの対戦にしてくれたら楽しめたと思う。
(タコマロ)
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