久しぶりに見る、完璧な点数。流石は、HYPERSPACE(以下、超空間)、今回も文句ナシに素敵なゲームをプレゼントしてくれた。しかし、深夜にこのゲームをしていると、題名の「God−damn Night」、つまり「呪われた・忌まわしき夜」と言うのを、文字通り体感できるのは凄いと思うよ。怒りややるせなさを超越して、尊敬すら感じてしまう程だ。そんな訳で、あえてこのゲームに挑戦する命知らずもいないと思うので、今回は、徹底的にネタバレで進みたいと思う。
まずは登場人物紹介から始めよう。
「天見 一夜」 世界に冠たる天見財閥の御令嬢だが、趣味で私立探偵をやっている。この私立探偵と言うのが驚きで、自家用ジェット機で世界を股にかけるわ、財閥の情報網を駆使するわ、私設軍隊まで投入するわと、もうメチャクチャなレベル。加えて、ポーランド人とのハーフで抜群のプロポーションと金髪が美しい完璧お嬢。
「明石 未知」 一夜の高校の同級生で、探偵の助手をしている。フランス語が話せたりするので能力的には優れていると思うのだが、比較的一般人。このゲームは三人称で進むが、基本的には彼女の視点で進んでいくことが多い。
まあ、この二人を合わせてLady・ Ladyなんだろうが、何と超空間によると、主人公は他の人物なのだ。それが、この話の発端となった事件の捜査を一夜お嬢様に依頼した人物、つまり貴方である。その内容は、謎の人間達に誘拐された主人公の友人(矢野哲郎)を救い出すことである。まあ、依頼人は事件が解決されるのを待っていても良いのだが、このゲームでは、主人公も捜査に意外な方法で協力することになる(詳しくは後で)。
それで、実際にゲームを始めると、非常にショッキングなシーンから始まる。だって、普通は最初の画面は、ゲームの題名が表示されるだろう、しかし、このゲームでは違う。そんな題名なんて無視して、黒を背景にひときわ目立つ「株式会社 ハイパースペース」の文字! さらに、その下に、まるで16色で書かれた様なアルファベットの文字が続き、まるで98のゲームを思い出させる代物なのだ(98って言っても、無論PC-9801のことである)。
「流石は超空間」とショックと感銘を受けながら、ここで「最初から」を選んでゲームを始めると、主人公の名前の決定画面になる。しかし、ここで尋常でないのは、何と主人公の名前として選べる文字は、「ひらがな」だけなのだ。そう、漢字はおろか、カタカタやアルファベットすら選べないのである。おいおい、このゲームはファミコン級か? 本当に窓98でゲームが起動しているのか、疑問になってくる。
そんなショックの連続を抜けるとゲームの本編が始まる。そして、そこは助手の未来が乗るフランス行きの飛行機の中。なんで、日本で誘拐事件があったのに、フランスに行く必要があるのか? そんな事は、ゲーム中では一切説明が無いので、一夜お嬢様に聞いてくれ。兎も角、選択の余地も無く、空の上なんだ。
そうしていると、偶然にも、未来ちゃんの隣の席に座った老紳士(ジョセフ)と話になる。その紳士は、彼女が探偵である事を知ると、何と一冊の古い本をくれるのである。おお〜、これは重要な情報源になりそうだと思っていると、案の上、その老紳士は空港で二人組みの男に攫われてしまう。少々、問題点もあったが、アクション系の探偵モノの導入としてはまずまずの滑り出しだろう。
それで、この本を開けて見ると、ページがくりぬいてあって、そこに手紙が入っているのである。で、この手紙、まず上の部分がラテン語で書かれており、これを訳してみると、なんと、そこには、「親愛なるジョセフへ。僕はいつもあなたのことを思っています」の文字が! って、そりゃ単なる定型句だろうが!
まあ、これでカッカとしない、ちゃんと手紙には下の部分があって、そこにはヒエログリフで何か文章が書かれているのだ。それを期待して訳してみると、そこには・・・「おじいさん、僕はもう、こんな関係を続けていくことはできません。助けてください」の文字が!
何かの暗喩かパスワードかと思われるが、これでは全然捜査の糸口にはならない。でも、少なくとも被害者の身元ぐらいは洗えるかと思うが、こいつらは無常にも、夜になったので酒飲みに行ってしまう。未来ちゃんも心配している素振りはあるけど、どうやら口だけらしい。
それで、酒飲んでホテルに戻ってから、主人公は一夜お嬢に「探偵している時は体が熱くなっちゃって」なんて言われて、Hすることになる。しかし、驚きのことに、このシーン、HCGがない! それどころか、立ちグラすらもなし。ホテルの一室らしいテジカメ画像を粗くしたものをバックに、アンアン喘いでいるだけ・・・・・・。
なんか呆れて口が馬鹿みたいに開いてしまうが、驚愕するのはここからだ。何と、Hすると一夜お嬢様の体力バーがMAXに! そして、今度は未来ちゃんとHシーン(ここもCGなし)が終わると、彼女も体力がMAXに。そう、主人公の仕事は、ホテルでHして彼女達の体力を回復させることだけなのである。無論、この回復には時間がかかり捜査や戦闘中には当然出来ない。だから、重要な回復要員である主人公は、ホテルでずっとお留守番。こんな、主人公、見た事ないよ。
そんな訳で、次の日になると、主人公を置いて女二人でパリの街で捜査となる。って、この広い大都市で聞き込みでもするのかと思うと、事件は向こうの方から転がり込んでくる(何て安易な)。なんと、女性が今にも誘拐されそうになっているのだ。それで助け出した女性の名前はミランダ、何やら路地裏で怪しい実験動物か何かを見たということで狙われているらしい。これは危ないと言う事で、ミランダさんとこれから一緒に行動することになるである。
まあ、ここまでがゲームの導入部。ここから本格的な捜査となる。しかし、次の選択肢を見た時には、本当に自分は愕然とした。
だって、行き先が
LONDON
>PARIS
STOCKHOLM
WARSAW
NAIROBI
CAPETOWN
なんだよ! 普通の探偵モノなら駅前で聞き込みとか、被害者宅とか選択肢に出てくる所が、このゲームではヨーロッパ・アフリカの大都市の名前が! すげー、何てワールドワイドなんだ、このゲームは。
ここで暫く途方に暮れてしまったが、ここは思い切って南アフリカのケープタウンに飛んでみることにした。まあ、どうせフラグの関係で何も起きないと思って冗談で選んでみたのだが、ここで偶然にも、本来の捜査対象の矢野さんを見つけ出してしまうのだ! それも罠でも何でもなく、本当にマジに本人。 まさか、日本で誘拐された人間が南アフリカの道の上で倒れているとは、お釈迦様でもご存知無いだろう。
これでいきなり依頼は解決なんだが、肝心の矢野さんは薬か何かのせいで廃人同然。犯人については何も分からない。怒りに燃える一行は、さらに犯人を探すことになる。
そこまでは良い、だが肝心な捜査方となると恐ろしいことになる。何と、一夜お嬢の「アタシの勘が、そう言っているのよ。喜望峰に行けって…。そこで何かが起こるはずだって」という鶴の一言(電波受信)で喜望峰に向かう一行。そして、海岸線を当ても無く洞窟なんか覗きながら秘密基地を探すことになるのだが・・・・・。まあ、普通はそんな事しても良くてペンギンの巣穴が見つかる位だろうと思うだろう、だけど、だけど、偶然にもあるんだな〜、ココに秘密基地。(なんてご都合主義な展開だよ。)
それで、あっけなく逆に敵の組織に捕まってしまう御一行様。ここで、時限爆弾を置いて放置と言う馬鹿スパイ物お約束な仕打ちを受けることになる。(因みに、ミランダさんだけは別に連れ出されしまう。)
本当は非常に危機的情況なんだが、敵の組織は非常に頭が悪いのか、二人は体が縛られていながらも簡単に爆弾までたどりつけてしまう。ここで、後ろ手で爆弾を解除するか、それとも足先でいいから目で見ながら解除するかの選択になる。
どっちを選ぶのも違いがなさそうなので、適当に、「後ろ手」を選択したら、
ドコォォォンッ!!と爆音がして、
「捜査は・・・終了した。」
の文字が、出てきたのだ。これで終わりかと思っていたら、何故かホテルでの回復シーンまで飛ばされる。あれっ、本当は成功したのかと狐につままれた気分だった。
だが、何度かプレイしている内に、このゲームの流れが分かり始めた。このゲームでは選択肢を間違うことは即失敗を意味するのである。失敗の結果は、その都市で情報が入手できずに再度都市を選ぶことになるか、もしくは死亡して前日のホテルのシーンからやり直しになるかの違いはあるが、兎も角、次々と出される選択肢は絶対に正解しなければならないのだ。(因みに、先程の爆弾は失敗すると死亡扱い。)
まあ普通なら頭の痛くなる所だが、今回は超空間のゲームにしては、非常にシステムがフレンドリーなので実際のプレイは難行苦行レベルではない(苦行レベルには達してるが)。なんたって、選択肢でセーブが可能なのだ。ただ、セーブには「ESCキー」を押して、「SPACEキー」でセーブポーントを選んで「ENTERキー」で決定する必要があるのだが、そんな事は些細な事だろう。えっ、マウス? そんなドイツの巨大戦車と同じ名前の機器なんて、このゲームでは使わないよ。
まあ正しく言うと、確かにマウスだけでもクリアはできる。ただし、このゲームでは文章の表示スピードが設定できず、デフォの速度が非常に遅い。自分も、一度、セーブを忘れて選択肢を選んでしまって、やり直しとなった事がある。その時はデータをロードしてから、SPACEキーに重石を置いて、トイレに行ってお茶飲んでから部屋に戻ってきても、まだ件の選択肢までたどり着かなかった程なのだ。これをセーブが出来ないマウスでクリアできた人間がいたなら、自分はその人を神に認定しよう。
まあ、話は脇道にそれ過ぎたので、南アフリカでの捜査の所に戻るが、最終的に足で爆弾を解除して、二人は脱出に成功する。しかし、危機また危機の展開で、一夜お嬢様が敵のピストルで撃たれ、夜の海に落ちて行方不明になってしまうのである。それで、残された未来ちゃんは、必死に一夜お嬢様の情報を集めることになる。そうすると、怪しい爺の情報屋が現れて・・・・・・。
まあ、簡単に言えば、これも非常にお約束な展開だ。自分はこんな展開に対しては、文句は言わない、いや、むしろ好きだと言っても良いだろう。ただ、この展開で文句が言いたいのは、未来ちゃんが幸運にも、ある情報を入手する流れだけだ。
まあ詳しく、その流れを見ると、未来ちゃんが情報屋の待ち合わせの為の時間潰しで、あるレストランにいる時だと思って欲しい。そこで、あのジョセフさんから預かった謎の手紙を読んでいる時に、ある青年に声をかけられるのである。
しかも、この青年の台詞が、
青年「これっ、間違いないよっ。僕の書いた、手紙だよ」
そう、偶然にも、彼がこの手紙を書いたジョセフの孫のロブなのである。しかも、罠でも何でもなく、この出会いは本当にマジの偶然なのだ。さらに、ジョセフさんが考古学の大学教授であることを初めて聞く未来ちゃん。
だから、お前らは、ちゃんとした身辺調査をしろと。それに、こんな偶然が何度も起きる訳がなかろう。もう、少しリアリティがある話を書けんのか! しかも、肝心な手紙の内容を、ロブ君は教えてくれないし・・・。
なんか愚痴を言っていると、日が昇ってしまいそうなので先に進むことにする。それで、まあ未来とロブと情報屋の怪しい爺と伴に、再度秘密基地に潜入する一行。この後は、まあ爺のバレバレの正体が明らかになり、ここでの事件は解決する。(一応、書いておくと、ここでの展開は、予想通り、名探偵明智小五郎そのままである)
これでケープタウンでの事件はクリアだ。それでも、敵の組織の末端員を捕まえただけで、敵の全貌は掴めない。ただ、表向きは稀少動物の保護を唱えてクローン技術の開発を進めているアドナリムという秘密結社である事が分かるだけである。ああ、それとミランダさんは、ケープタウンの事件が解決すると、車で送り返されてくる。
まあ、ケープタウンの話だけを永遠と書いてしまったが、後の都市も似たような代物である。簡単に書いてみると、
ストックホルム・・・街で金メダリストのミラーさんと偶然にも遭遇。しかし、彼女は偶然にもアドナリムの技術で自分のクローン人間をスペアとして造っていたのだ!
ロンドン・・・街で出会った少女は、偶然にもアドリナムの初期クローン(不良品)だった。
ワルシャワ・・・ここのアドナリム秘密基地の幹部は、何と偶然にも一夜お嬢様の幼馴染だったのだ。
ナイロビ・・・いきなりサバンナでアニマルウォッチをしている御一行。完全に観光客気分でノリノリの彼女達の耳に、最近、密猟が横行している噂が入る。
パリ・・・ミランダさんが再度誘拐されそうになる話。
こんな感じで、殆どが偶然で進んでいく。それで最終的にはアドナリムの目的が分かるのだ。彼らは、優秀な人間だけ残して人類を淘汰し、クローン技術でその選ばれた人間だけを永遠に存続させる世界を創るつもりなのだ。(お〜、わんだふる〜、実に素晴らしいオーソドックスな目的だ。)
そんな事をしていると、誘拐されたジョセフさんが、テレビで「アドナリム、ええよ、ええ組織だよ!」って感じの演説をするのだ。爺のクローン(この世界のクローンは急激に成長できるのだ!)だと思うが、確認に向かう一行。
しかし、ここで、これまでの馬鹿展開を余裕で数倍上回る凄い事が待っていた。そう、ミランダとロブが会った時のシーンなのだが、
ロブ「ああっ、姉さんっ」
ミランダ「ロブ、ロブっ、ロブ。ああっ、あたし、すごく、すごくっ、心配してたっ」
おいおい、二人は姉弟だったのかい! 確かに、ケープタウンでロブが居る時には、ミランダさんは誘拐されていて、二人は直接に会っていない。だが、話ぐらいは出ていただろうから、普通なら気づくだろう、ミランダ。それに、皆が必死に探しているジョセフが自分の祖父であることくらい教えろ!
こんな訳で、すでに99%怪しかったミランダさんだが、これで完璧に敵になっちまった。でも、この馬鹿御一行様は、このことを変に思わないのだ。(お前ら、絶対に探偵を止めろ!)
しかも、この段階で、アドナリムのボスが正体不明となれば、もう敵の首領の正体は小学生でも予想がつくだろう。まあ、そんな訳で、最後にはバレバレのミランダさんが死んで、アドナリムも崩壊してゲームは終わる。
ああ、そう言えば、本来の目的であった矢野さん誘拐の理由なんだが、その原因はロブが間違えてクローンの秘密を書いた日記を彼にメールしたからなんだね! もう、おっちょこちょいなんだから、ロブ君も! まあ、最終的には、ミランダの怒りに触れて爺と共にクローンになってオリジナルは破棄されているから許してやるけどさ。
余談だが、そんな訳で、本編の内容だけでも凄いことになっているが、CGの方も明らかに枚数が足りないし、ジャギも酷いし、システムのセーブとロードしかないしと、こっちも凄いことになっていることをお知らせしておこう。
まあ、一言で言えば、いつもの「超空間」という訳だ。
(タコマロ)
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