ハイスクール・オブ・ブリッツ


 

仕様 評価
対応機種 PS システム

6点

ブランド名 メディアワークス シナリオ

2点

ジャンル はちゃめちゃ女子高生カードバトルアドベンチャー 萌え萌え

6点

    せつなさ

7点

    素薔薇さ

4点

 


 トレーディングカードゲーム(以下TCG)については、ジャンプで『遊戯王』などが連載している位だから、改めて説明するまでもないだろう。かつてTCGの発売が流行した時があった。その時は、TCGが、雨後の筍の様に出てきたものである。

 そんな中で、有名イラストレーター40人以上を起用したという(ある意味見当違いな)売り文句で発売されたのが、この『ハイスクール・オブ・ブリッツ』(以下『ハイブリ』)だ。そのゲーム内容も、女子高生を無事3人卒業させるという、実にギャルゲーな内容になっている。流石は、『あかほりさとる事務所』製作。

 本来はカードゲームとして造られた『ハイブリ』のPS版が、今回紹介するこのゲームなのである。これが千円を切るワゴンセール価格で販売されていたので購入してみた。

 かつてTCG版を買ってみた時の嫌な思い出があるのだが、今度はPS版、ゲームの中では金を気にしないでカードを増やすことが出来るだろう。

 最初にチュートリアルから始める。しかし、いきなりこの出来が悪い。「ドロップ」とかゲーム内で特定の事を意味する用語の説明がない。本来なら、最初(もしくは初出)に、説明があるのが当然なのに、それが途中はおろか、最後まで無いのはいったい何故だ。多分、カードゲーム知らない人は、何を言ってるのか分からないと思う。

 それでも、ゲームのルール自体は他にTCGをしている人には、これで(ほぼ)理解できるが、PSの操作法については一言も触れない。つまり、チュートリアル見ても、取説読まねばプレイ不可能という素敵使用だ。……誰も疑問に思わなかったのか?

 まあ、追々、取説で操作法は確認するとして、「はじめから」でゲームを開始する。背景世界は、地球を巨大イン石(原文のまま)から守るために魔法で開けた次元の穴のために、六種類の世界が融合してしまったフュージョニアが舞台。まあ、SF・ファンタジー等の種族が一緒に暮らすという典型的な何でもアリアリの漫画的世界だ。

 しかし、この世界では融合の影響で男の数が減少してしまったので、より良き子孫を残すために女子校教育が奨励されている様だ。より良き子孫を残す教育って、なんか、いかがわしい気がするとか、そもそも、その都合の良い世界は何じゃとか思わないでもないが、製作が『あかほりさとる事務所』だから諦めて欲しい。

 兎も角、主人公は、この女子校の教師となって、不思議な3つの力を探すために、何の目的も無く女子校を巡って、ほぼ何の意味も無くバトルとなり、本編と何の関連性も無いカードバトルを繰り広げることになる。なに、何を言っているか分からないって、俺だってそうだ。これも『あかほりさとる事務所』と思って諦めてくれ。

 まあ、最初から本編を進めるのは無謀と思われるので、「練習」というモードを選択してみる。まあ以下は簡単なリプレイだ。

 一回戦目、こちらのミスの連発もあったが、敵に圧倒的に差をつけられて負ける。敵が非常に強い気もする。まあ、その後にトレードなんてあって、強そうなカードを明らかに使えない物と交換できた。少し強くなった気分。これで二回戦目に突入、今回の敵はそう強くない、双方共にミスの連発で、最後は引き勝負で引き負ける。なんか慣れて来たので次こそと思うのだが、敵が先行2ターン目で勝利。やってられっか〜〜、こんな敵がゲロ強い練習モード。本編行くぞ、本編。

 本編を始めてみると、こちらは敵が弱い。何の為に練習モードなんか存在していたのか、疑問に思える程だ。それでも、これを進めている内に、このゲームの極悪さが分かってきた。明らかに非常識とも思えるカードが目白押しなのだ。その例を挙げて見よう。

 セル=ロイド:帰宅/プレイヤー1人はターン終了まで山札からカードが引けない。

 帰宅とは手札に戻ることだ。この『ハイブリ』では、生徒を登校(召喚)した時は着席(タップ)状態で現れ、着席状態では能力を使うことは出来ない。つまり、この能力を使えるのは1ターンおきだ。それでも2ターンに1度は相手が山札から引くのを阻止できるのは強力である。だが、これでもほんの序の口だ。以下のカードを見て欲しい。

 アン=ロイド:【ハンデ:セル=ロイドが在校生である時】全てのプレイヤーのプレイスフェイズをとばす。

 プレイスとは生徒を登校(召喚)させる時に必用条件となるカードで、プレイスフェイズはそれを設置するフェイズである。しかも、プレイスカードは両軍で1枚しか置けない。つまり、セル=ロイドとアン=ロイドが両方並ぶと、もはや新しいプレイスを置けないのだ。もし敵先行1ターン目で二人が並べば、今置かれているプレイスが貴方に合わなければ投了するしかない。恐るべき1ターンロック(はめ技)。

 他にも神のカードが大量に存在する。

  メディッサ:帰宅/プレイヤー1人が管理する全ての在校生を起立1もしくは着席1させる。

 園田リオン:帰宅/グレード2以下の在校生1人を、そのオーナーの山札の一番上に戻す。

 ヒサメ:【ハンデ:ヒサメが起立している時】全てのプレイヤーはキャラを場に出せない。

 驚くべき事に、ロック系のカードはこれ以外にも存在している。また他に除去系も存在する。

 カミーラ:着席2/在校生1人をドロップする。

 しかも何で除去能力を永続的に持つキャラなんか存在するかな? 真面目にゲームバランスを考えているとは思えない。遊戯王もビックリのゲームバランスだ。

 しかし、これでも最狂のカードは他に存在するのだ。それも恐ろしい物が。

 「この画像はまだ製作されておりません。」

 このカードに勝てる存在はない。なぜなら、敵があるカードを出してくると、十二単の女性の絵が表示されてゲームが停止するのだ。そこに書かれている台詞がこれ。恐らくプレイスカードだと思われるのだが、これを防ぐ方法は無い。出されたら、リセットを押すのみ。明らかにバグだと思うのだが、わざわざこんなCGが用意されているのを見ると製作者に敵意を抱くという副次効果も見逃せない。つーか、絶対に殺す!

 こんなロック推奨状態のゲームに揉まれながら、俺のデッキも徐々に強くなっていった。最初のプレイは、このゲームの基本3色の内で一番ロック要素の少ない黄色を選んでしまった。それでも、運が良ければ(5%ぐらいか)、2ターンで三人卒業(つまり勝利)可能で、またヒサメによるロックも視野に入れたデッキにまで進化。既に最後の勝負辺りは、最初の手札でほぼ勝敗が決まるというワンチャンスポーカー並のバトルが展開される。本当にテストプレイしたのか、このTCG?

 そんな運だけの勝負をくぐり抜けてたどり着いたラストバトル。しかし、このラストバトルで、また目が点になった。この最後の敵、通常の手段では勝負にならないと思ったのか、明らかにデッキ製作の制限を無視したデッキで勝負してくるのだ。大会だったら、絶対にレフリー呼んで失格にしてやる。

 それに加えて、これまで見たことのない非常に極悪なカードも使用してくる。全てのカードが使えると説明されているフリー対戦モードでも使えないこの極悪なカード、調べてみたら実際に作られたカードだった。ただし、プロモーションカード(販促等のオマケカード)だが。でも、大会での使用は無制限だったらしい。流石は『あかほりさとる事務所』、金に汚い。

 しかし、何て初心者に不親切なゲームなんだ。そりゃ、発売から半年もしないで東京で開催された公式大会でも出場者が三十人を切るわけだ。その関連商品のPS版『ハイブリ』の中古価格がギャルゲーなのに低いのも納得いった。

 しかし、こんな代物でも、『遊戯王真デュエルモンスターズ封印されし記憶』よりは私にとっては百倍以上面白かった。遊戯王〜は敵がデッキの中から強い順にカードを出すという、戦術なんて関係ない最低の代物だったからね。『ハイブリ』も問題点は多いが、敵の思考ルーチンはかなり出来が良いし、実際に対戦しているという感じがする。この二つが同じ99年の発売であることを考えると、『ハイブリ』は意外と悪くないゲームなのかもしれない。まあ、封印されし記憶が最低なのかもしれないけどな。
(タコマロ)