さて、このゲーム、パッケージの説明では、
「さ、行こう!」
清香が俺の腕にしっかりと腕を絡ませて促す。と、そのとき一台の車のヘッドライトが光った!
わずかな手がかりより移動マップを使って女の子を探し出すAVG。住んでいる場所がわかればこっちのもんだ・・・
全Hシーン
全てアニメーション
となっている。文章が少し下手な気もするが、けっこう面白そうに思える説明文だ。
しかし、心配になる点がいくつかある。まず、第一に社名だ。この世の中には「溢れ出す」とか「嘘つき」とか不吉な意味の英語単語を使ったソフトハウスが存在するが、それらに一部アレな所があったりして、名は体を表すという諺を一部証明している所もある。そして、このゲーム会社も名前も、それらに負けず劣らず凄いもので、「DEVIL'S WORKS」なんて名前をつけていたりするので、そこが引っかかるといえば引っかかる点だ。(一番問題なのはギャグとしても、そんな名前をつけてしまう寒いセンスなのだが)
第二に全部のHシーンがアニメーションらしいのだが、なにせアニメーションは手間がかかる。結果として、同じ手間をかけながら、アニメの方がショボイ作品になってしまう。だから、これも短いかつ面白くない可能性があることだ。
そして、最後の気になる点は、パッケージにある「監督:クリストファー武井」の文字だ。つまり、この、「DEVIL'S WORKS」は数ある「HYPERSPACE」(以下、超空間)の偽名なのである。まあ、実際の所は気になるとかそんなレベルでなく、これだけで警戒警報発令レベルなのが分るだろう。
しかし、パッケを開けてみて拍子抜けした。なにせ、例えハガキ大としても取説が中に入っているし、なんと驚くべき事にアンケートハガキまで同封されているのだ。いや、普通は報告するまでの事ではないのだが、これは超空間にしては報告すべき事項だろう。
さらに、なんとインストーラーまで入っているし、フルスクリーン・ウィンドウを選択できるし、未読・既読の判定はないがスキップ機能まで搭載。本当にこれがあの超空間のゲームかと思うほどの進歩を見せている。
まあ、後はメッセージスピードの調整機能とバックログ機能がなかったりするのだが、この程度なら老舗のF&Cすら平気で売っているレベルだ。ただ、普段はマウスオンリーでセーブもロードもできるのに、アニメーションを終わらせる時だけはキーボードが必要なことの注意書きを見たりすると、やっぱり超空間だってほっとしたのは、ないしょだ。
ただ、日本語については、超空間の他のゲームのように変だ。例えば「こうなったらこうなるともう止まらない」とか訳の分らない文章が出てきたりする。でも、日本語がネイティブでない人がこれだけの文章が書ければ「日本語お上手ですね!」と褒めるクラスの出来なので、大体の意味は分る。
それでストーリーの方だが、こっちはアレだ。まあ、最初にパッケの説明を見た時は、清香ちゃんが交通事故にあって犯人でも探し出すのかとも思ったが、超空間だからそんな骨太な展開は無い。主人公が車に轢かれそうになり、そこをある女性に助けてもらうだけだ。それで人を殺しかねない危険な運転手も降りてきて謝ってくれる。その後、道に手帳と定期が落ちているのを見つけて、相手を探し出すのがゲームの流れだ。
まあ、証拠から推理して探し出すという展開はほぼ無い。一応、駅や派出所に行くと、証拠品を取られてしまって自分で探せなくなる位のものだ。他は、雑貨屋を移動先に選ぶと、主人公が手帳をめくりだして雑貨屋の住所が書いてあると言い出す始末だ。思いっきり証拠品の意味が無い。
そんなこんなで主人公を轢きそうになった女性の職場が分るわけだが、ここから超空間の真の姿を見せてくれる。なにせ、相手を見かけたら出てくる選択肢が
話かける
ストーカーする
いきなり、コレだ。そして、話しかけたら即終わり。攻略したければ、ここはストーカーするしか道はない。そして、相手のアパートを見つけて、そこを訪れる主人公。しかし扉越しにあえぎ声が聞こえたら、コイツは中に進入する。相手の男がいたらどうするつもりなのだろう? だが、幸運にもひとりHの最中だったので、そんな心配する必要もなく、なんと相手と即Hしてしまうスピード展開。
なんだ唖然とするが、さらに女の台詞が追い討ちをかける。なにせ、この女、「誠実そうだったし、ちょっとよさそうだったから、そのまま続けちゃった。」とか言ってくるのだ。無断侵入者に、誠実そうも何もないだろうが!
しかし、主人公の方もかなりアレで、美人とこんな出会いがあったのに、部屋から出る時に頭の中にあるのはシャワーを勧めてくれなかった相手への愚痴ばかり。そんなこと、お願いすればいいだろうと思うが、そうすると相手に激怒されて即攻略失敗になるのだから、この世界の常識は分らない。
そして、こんな感じで超空間な展開で特定の女性と3回Hするとエンディングになる。
一応、超空間だから誰も期待していないと思うのだが、アニメーションについても触れておく。はっきり言って個人が製作したGIFアニメーション程度、以上。
全体として見ると、超空間な仕上がりになっているのだが、これを発売した2003年から、この調子で進歩させていけば、超空間もこんな悪名を轟かせるメーカーになっていなかったと思う。特に、アニメーションをやめてその分CGを増やして、ライターを普通の人間にすれば普通の三流メーカーにはなれただろう。まあ、それでは儲からないから、再び粗製濫造路線を突き進むことになったのだろうけど。
(タコマロ)
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