彼女なしの、スチャラカ社員である主人公が、ある日、悪友からプロトタイプのメイドロボットのモニターを依頼されます。それから、メイドロボット(デフォルト名:クラリス)に、家事一般から、一般常識、そして夜のお相手まで、色々な知識を教える2週間の同棲生活が始まるのです。
まあ、ジャンル的には、よくあるメイド(ロボット)育成ゲームです。ストーリー的には合格点でした。クラリスは、実にけな気で主人公のことを絶対的に抱擁してくれます。まさにこれは、男の夢と言えるでしょう。
それに、このゲームでは珍しく、メイドさんの性格がどじ以外に、元気、知的、お色気、女王様と5種類存在してます。そして、基本的な展開は同じですが、それぞれに少し違ったストーリーとエンディングが用意されています。この性格付けが結構よく出来ていて、とても良い感じです。どじなら転ぶわ、焦がすわ、色々してくれます。知的なクラリスならミスは少ないですけど、収納なども徹底的に進めてくれます。色気がつくと、朝も艶っぽく起こしてくれますし、女王様なら足で踏みつけて起こしてくれます。えっ、元気、うーん基本的性格なのか記憶がないな、ともかく前向きでしたかね。
この中で、私は女王様な性格が好きでした。高飛車な態度をとりながらも、相手の反応を常に伺っていますし、主人公曰く“あまのじゃくな女王様”という感じが上手に表現されています。
これで紹介を終われるならば、単なるお勧めゲームですむのですが、そうは問屋が卸しません。このゲームも致命的な欠点を持っているのです。
このゲームは、クラリスとグットエンディングを迎えるには、育成に成功してクラリスをボーナスとして貰い受ける必要があります。しかし、この育成の採点基準が全然分からないのです。途中経過を教えてくれるどころか、失敗しても何のヒントもなし。ライバルなんかも登場しないので、自分のクラリスの能力値が高いのかどうかも分かりません。
ここからはエンディングの条件について見てみるので、必然的にネタばらしになるので、自力攻略を望む人は読まないことを勧めます。
第一の問題点としては、育成ゲームながら実は一部の選択肢が実に重要という困った性質を持っています。例えば、どじな性格の設定の時で、メイドロボットと酒を飲むシーンがあります。ここで驚くべき事に相手のロボットが酔い始めるのですが、ここで三択。
1.もっと飲みなよ、
2.ロボットなのに…、
3.ちょっと横になったほうが…、
貴方だったらどれを選びますか?
正解は1番の「もっと読みなよ」、それ以外を選んだ人、残念ながら貴方はグットエンディングを見ることは出来ません。ちなみに、どの選択肢を選んでも後のリアクションにほぼ違いはないです。まさに、ノーヒントの地雷。しかもこのゲーム、選択肢が少なければ分かりますが、毎日1つぐらいはあり、その多くが何の意味もありません。そして、たった1つの過ちだけで、最後に友人に、「おまえの彼女のあつかい、あまり評判がよくない」と言われてしまいます。これで、どう評判が悪いか教えてくれれば許しますが、何も教えてくれず、基本的にバットエンドは全てこれです。実に不親切な話です。
そして、もう1つの問題です。先ほど述べた様に、クラリスの性格には5種類在り、プレイヤーの対応に合わせて、性格が変化するという仕様になっています。まあ、これが本来はゲームの肝だったんでしょう。しかし、完全に腐っています。
なぜなら、性格が後半で変わると、フラグの関係で攻略が失敗するという実に素薔薇しい展開になっているのです。五つの性格全てが、最初の悪友との会話で決定されてますので、つまり性格を変更させないようにプレイするのが正しいゲームのやり方になります。クラリスのせっかくの機能は台無しです。
これで性格の維持が容易であれば問題なのですが、クラリスには気力・体力・集中力・知性・品性・感性・プライド・好奇心・向上心・可愛らしさ・大人っぽさ・従順さ、と12個もパラメーターがあるのです(しかも、取説の説明と違います)。このパラメーターの大小により性格が決定されるのですが、攻略でも見ないとその優先順位が分からない程、複雑です。
普通の育成ゲームの様に、能力値を上げようなんて考えていますと、性格が変化すること請け合いです。なにせ、こちらはエンディングに必要な条件が分からないのですから総合能力の上昇に必死です。しかし、その行為の殆どが無駄なのです。なぜなら、エンディングの条件に必要な能力値は、「従順さ」だけなのですから。つまり、「従順さ」が上昇して、最初に低い能力値をさらに低く、高い能力値がさらに高くする育成を選んでいますと、性格を変えずに、エンディングを迎えられるでしょう。PC88時代ならともかく、今のプレイヤーには理解できるレベルじゃないです。また、取説の、育成のヒントも真っ赤なウソなので信じてはいけません。世の中、油断も隙もあったものじゃないという、いい見本でしょう。
致命的な欠点はこれぐらいにして、まずはCG・キャラクター関連を見てみましょう。CGの塗りは結構良いです、問題ありません。原画の方は「さいとうつかさ」さん、要するに「ぽけかの」の絵です。かなり個性的で好き嫌いがありと思いますが、知っていて買っているのでしょうから、個性に関しては批判しません。
それでも、あのクラリスの髪型は、それはないんじゃないか? と言う、実に凄い代物です。猫耳型三つ編みというか、超時空スパイラル三つ編みというか、どう言い表していいか分からない程に個性的です。多分、髪の毛の先端にある謎の金属球体から電波でも出していて、この耳状の部分で受信して感覚器官の足しにでもしているのでしょう。
まあ絵についてはこれで終わりにして、次はシステムについて見ましょう。一応、フルスクリーンオンリーというのが、減点対象でしょう。また、メッセージスキップもありますが、音声はスキップしませんし、このゲーム特有のHシーンのシステムとの相性も良くないです。最悪ではないけど、総合的には、もう少し努力が欲しいでしょう。
最後に、このゲームの残念な点について述べようと思います。それは、ヒロインがロボットであるということが、ストーリー的に全然利用されていないことです。明らかに知性があると思われるクラリスですが、自分のアイデンティティに何の疑問も持ちません。また、愛って何かとか、普通の人間では恥ずかしくて聞けない質問を浴びせ掛けることもないです。主人公との触れ合いで感情を持つという展開もなく、最初からご主人様に絶対的にラブラブな存在。それは、それで悪くないですが、なんか惜しいかなと思う私です。(タコマロ)
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