怪奇! ドリル男の恐怖


 

仕様 評価
対応機種 WIN システム

4点

ブランド名 TETRATECH シナリオ

7点

ジャンル ホラーアドベンチャー 萌え萌え

5点

    せつなさ

10点

    素薔薇さ

5点

 


 思い起こしてみると、2002年には色々な事件が起った。牛肉の偽装事件、ノーベル賞の初の日本人ダブル受賞、宗男・真紀子と無限に連鎖する外務省不祥事。無論、そんな世間の重大なニュースとはレベルの違う些細な(しかし一部の人間には重要な)事件も02年には起きていた。それが、「ドリルバブルの崩壊」である。

 何を言ってるのか分からない人もいると思うので説明するが、02年末まで秋葉原では、ドリルの名前が付くゲームの値段が4千円代と比較的高値で安定していた。「ドリルは漢の浪漫」という格言もある様に、まあ少ないながらも手堅い需要があったのだろう。

 しかし、それが急に年末になり、『ドリル少女 スパイラル・なみ』が2千円代、『怪奇! ドリル男の恐怖』で千円代と大暴落したのだ。しかも、中古品でなく新古品で。

 これまでの高値のドリル相場は造られた相場だったのだ。許さんぞ、ヘッジファンド!

 つ〜か、本当の所は、どっかの問屋が潰れて、デットストックが市場に溢れ出ただけと思うが。しかし、その問屋も、少しは中古屋に流していれば、もう少し長生きできたろうに。まあ、理由は何であれ、値段も御手頃、ゲームも馬鹿っぽいとなれば、購入決定になった訳だ。

 前置きは終わりにするとして、このゲーム、はっきり言って、あらゆる意味で普通のゲームとは違う。その尋常でない馬鹿さ加減の一部だけでも理解できるように、なるべく詳しく説明していきたい。

 まずパッケージにしてから尋常でない。パッケ絵には『怪奇! ドリル男の恐怖』と赤文字で書かれ、まるで50年代にB級モンスター映画を量産しまくったAIP(American International Picture)製映画のポスター風。さらに、芸が細く、「カラー作品」の文字+東映を思わせる三角形のマークも加わっている。

 さらに、箱全体は昔のプラモの箱同然。後ろが茶色のボール紙というシックなスタイル。さらに、嬉しい事に、おまけに「メンコ入り」。本当にスッタフの考えには呆れる。しかも、それらに場所を取られて、ゲームの説明は少なくなっている。その少ないスペースも、「金(に塗られた)ドリルキャンペーン」等に使われているのだから、ある意味、漢と言ってもよいだろう。

 何時までも、箱に感心している訳にはいかないので中身に入ろう。・・・・しかし、中を見ると、これが外部に劣らずに歌舞いている始末。そもそも、CDが入っているのが紙のケース。そして、そこに書かれた内容が凄い。

 全世界を震撼させた衝撃の作品! 全トラックL.A.にてレコーディング
 リンガリンガ、待望のファーストアルバム!! ここに完成!!


 おいおい、レコードかよ。しかも、中のCDを出してみると、ちゃんとレコード溝の絵が描かれているのだ。

 完全に普通でないゲームなのだが、まだ「最後のとり」が残っている。そう、おまけの「めんこ」だ。この四角型のメンコは9枚のセットからなり、表にはゲームの登場人物の絵が、昔風の淡いタッチで描かれている。そして、後ろには「ドリル男」であるリンガリンガの大秘密の解説。このリンガリンガ、右腕にリンガフィラメントスラッシャー(女の子の服だけ破ける)、左腕にはリンガドリル(女の子の服だけ破ける)、そして股間にはリンガバルカンを装備する筋肉質な怪人なのだ。

 これだけでも十分に頭が痛いのだが、さらに取説では、メンコの遊び方まで丁寧に説明されている。因みに、ルールは足立区ルールだ。そして、親切な事に、イカサマチューニングまで書いてある。つまり、「メンコをそらせ、角を削る」「ロウを塗る」から始まって終いには、「セロテープでぐるぐる巻く」「糊で貼って2枚重ね」まで登場する始末。

 本気で、スタッフはゲームを売るために造っているのか疑問になってくる。でも、自分は好きだ。こんな「びっくり箱」みたいなゲーム。








 と、ゲームの内容を説明しないで終われれば最高なのだが、実は肝心なゲームの方が芳しくない。まあ、絵がヘチョイことは二流メーカーの特徴として置いておくとしても、操作性が悪いのがどうにもダメ。その具体的な例は、後に置いておいて、先にストーリーについて説明しよう。

 このゲーム、雨宿りの為に山奥の洋館に迷い込んだ三姉妹の内、一人を選んでプレイする。それで、行方不明になった残りの姉妹を助けて脱出するために、屋敷の中の謎を解くのだ。ここで、怪人「リンガリンガ」が襲い掛かってくるのだが、この部分がリアルタイム。

 そう、ここで先程述べた操作性の悪さがガンになる。操作性・レスポンスが悪く、リンガリンガを中々まくことが出来ない事があるのだ。結果的に、ゲームのかなりの時間は、リンガリンガとの追いかけっこに無駄に費やす事になる。これは、ホラーな感じを出すためにも、もう少し工夫した方が良かったと思う。

 まあ、このリンガリンガに襲われる度に、女の子の服が段々破けていくという馬鹿な展開もあるので(無論CG付き)、あまり彼の登場シーンが少なすぎるのも問題になるのだが。なにせ、屋敷の中には、なぜか巫女服や体操服とか、ホラーらしからぬ服まで色々あるから、ついつい無駄に着替えて色々試したくなる(しかしバカゲーだな〜)。この辺りの、遭遇率のバランスは、低くても困るし、高すぎても困る。もう少し考えて欲しかった。

 それでも、この屋敷の中の雰囲気は、結構良い。しかも、三姉妹いても、それぞれシナリオの展開が違っていて、まったく同じ繰り返しシナリオではないのだ。まあ、殆どのCGが使いまわしなのだが、それは、それ、B級映画のテイストとして許して欲しい。この辺りは、やって面白い点である。

 だが、自分的にこのゲームの最大の問題点は、屋敷が最後に燃えないことだ! おいおい、何であんなAIP映画丸出しのパッケで最後に屋敷が燃えないか? AIP映画なんて、屋敷が出れば、ほぼ確実に燃えていたのに(まあ、あれも何時も同じカットの使いまわしだったが)。自分としては、操作性よりも何よりも、「屋敷が燃えない」、ただ、それが残念でならない。

 追記:プライベートガーデン3に先立つ、このゲームでもTPRG(それもTORG)のネタがあることを触れておこう。このゲームに出てくる、マッドサイエンティストの芦沢博士(名前はゴジラの芹沢博士のパロ)の造ったマシンが、かのDr.メビウス様の作ったマシンと同じ「オメガトロン」なのである。
(タコマロ)