このゲーム、パッケージや宣伝によると、「「黒髪少女隊」のラストストーリーから始まる5篇+外伝のショートシナリオ!」ということなので、「はにいぽっと」さんが2005年2月に製作した『黒髪少女隊』の続編というかファンディスクだと思って欲しい。
元々、自分は本編である『黒髪少女隊』は好きなゲームだった。だが、世間一般の流れを見ると、とても売れているとは思えない代物だった。よって、そんなゲームの続編が出ること自体信じられない幸運というものだ。だから、ついつい、こいつを通信販売で購入してしまった。
一応、リメイク作品の『黒髪少女隊 Re:Birth』が超空間ばりの速さで造られていたのだが、流石にリメイクでエロゲ1本分弱の金を出す気になれなかったので、こちらはスルーした。
それで、話を戻して、通販で届いたダンボールを開けてみて最初に思ったことは、ゲームのパッケージの中央にいるのが黒髪少女隊の面々でもなく、そして主人公でもなく、なぜ筒型メイドロボットの「トリタン」こと「トリスタン」なのかってことだ。まあ、トリタンは一番美味しいキャラだとしても、それでは、なぜコンビの相方である女性型のメイドロボの「ミンミン」こと「ジャスミン」がいないのだろう。疑問だ。
それより問題なのは、同封されたCDだ。それも、特典のCDではない方。なにせ、題名が「黒髪少女隊えくすて! Upgrade patch ver.1.00→ver.1.10」なのだ。そう、どこをどう見ても、こいつは単なるパッチ用のCD。まあ、リメイク版の『Re:Birth』ですら、複数のパッチをアップしている程のメーカーなので覚悟はしていたのだが、流石に現物を見るとゲンナリ来る。せめてもの慰めは、これを当てておいたら、エンディングまで、さしたる問題もなくプレイできたことだ。
他のシステム的な問題点としたら、エフェクト(アニメ)が重かったことぐらいだが、これはマシンの性能差も影響すると思うので、重大さは少し分らない。一応、推奨環境であるメモリ1024MB、ビデオメモリ128MBを自分はギリギリ、クリアしていたのだが、少し重かったと報告しておく。
それで、肝心なシナリオなのだが、これが不味いことになっている。前作は、最初に主人公が歴史ある女子校に女装して入学する所から始まり、個性が強烈な黒髪少女隊の面子を交えてドタバタの展開、そして伝奇物の要素を加えたシリアスモードという流れになっていた。つまり、ギャグからシリアスという流れだ。しかし、今回はその逆で、シリアスからギャグモードという、難しい流れになっている。
なにせ、第一話のアフタープロローグからして、前回の最終戦闘シーンの最中から始まっている。パッケには「「黒髪少女隊」のラストストーリーから始まる」と書かれていたけど、まさかラストストーリーの途中から始まるとは思ってなかった。しかも、確かに前作は製作時間が足りなかったのか後半急ぎ足かつ端折り気味だった。けれども、まさかラストバトルの一番危険な所が省略されていたとは・・・・。いや、もっとはっきり言うと、黄泉比良坂を開こうとする中ボスを倒したのに、その衝撃で黄泉比良坂が開いていたなんて、敵を倒した意味がね〜。
まあ、それは倒して前作のストーリーに戻るのだが、ここからは、主人公にとっては悲しい別れがあったり、なおかつ黒幕の一人には逃げられたりと、鬱な展開になっているのだ。前作は、この辺りは軽く流してエンディングモードの明るい展開になっていたのだが、その前の、言わばどん底モードを詳しくやられても困る。
さらに、敵が退治されるどころか、その正体も不明なままで、さらに伏線も解決されるどころか、さらに増加する状況で、そこから唐突にギャグの通常の学園モードに突入されても盛り上がらない。確かに、文章自体は悪くないし、キャラの個性も立っているが、それでもTPOをわきまえていないギャグは滑るだけだ。
それでも第四話の「季節はずれの怪談」になるころには落ち込んだ気持ちも持ち直してくるのだが、全5話なのだから、ここで話の8割がもう終わってしまっている。さらに、いかに話が進んでいないか分るのが、その次の第五話だ。なにせ、ここの冒頭が前作のエンディングの一つ(「蘭子エンディング〜お見合いなんて、私には似合いませんわっ!〜」)なのだ。つまり、ここまでやって、ラストバトルからエンディングまでを詳しくやっていただけとは・・・。しかも、それから先の展開の半分は、エンディングのCGを見てれば予想ができる代物だし。本当に独立している意味がない。
それでも、ここで黒髪少女隊が再集合して、色々な情報が出てくると盛り上がってはくる。なぜ、魔物を封印していると伝えられている逢諒学園都市に施されていたのが封じるための「封印」でなく、魔を入れないための「結界」だったのか? なぜ、この逢諒学園の敷地内に聖堂があるのか? 色々と盛り上がってはくる。しかし、話を盛り上げるだけ盛り上げたところで、なぜかメッセージがクリックもしないで自動で流れていくようになるのだ。しかも、目を上に向けると、左端にスタッフの名前すら順々に表示されてくる。
まさか、これってエンディング? いや、正しく言うと、次回作のオープニング、いや宣伝? しかも、ここまでHシーンが1つもなかったのだが、本当に終わり? 18禁になりそうなCGは、何時ものマシンの暴走で服が脱がされるやつ1枚だけというのは、エロゲとは思えないのだが。
一応、エロシーンはおまけの「外伝 黒髪少女隊の不思議な洞窟」と「雅のおイタしちゃうゾ」に入っているのだが、それぞれとっても短い。おまけに面白くない。
このおまけ全部足しても、凄い短い。これで定価9,240円は詐欺だろう。普通なら、『黒髪少女隊 Re:Birth』に加わった追加シーンと『えくすて!』を一緒にして、この価格だと思う。
追加:「予約限定スペシャルファンディス」について
これは、一部の店舗とメーカー通販のおまけなのだが、結論を先に言うと内容はそんなに悪くなかった。
収納内容は、オリジナル壁紙が3種類、パッケージの絵を横版にしたものと、ゲーム内ゲームである銀英伝のパクリの潜水艦ゲームのCGを組み合わせたものが2種類(同盟側と帝国軍側)。音楽として「外伝 黒髪少女隊の不思議な洞窟」のファンコンRPG風の音楽と主題歌(ショート・ロング・カラオケ)のMP3データ。後は、ショートストーリーとして『紫苑の結構忙しい生徒会長の一日』が入っている。
この『紫苑の結構忙しい生徒会長の一日』は短いながらも、ドタバタの学園生活の雰囲気があって面白かった。新規CGもあるし、こいつは短い本編の方に入れておいても良かったと思う。まあ、エロシーンはないけどね。
(タコマロ)
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