空智探偵事務所事件録
「みなさん、私の事務所にようこそ。私が、この探偵事務所の所長、空智大五郎。そして、こちらが私の助手、大林青年です。」
大林「大林です、よろしくお願いします。」
空智「大林君、やっぱり人間に必要なのは良いご先祖様だぞ、ご先祖様。」
大林「確かに、親の七光りとかありますし、江戸時代の大名なんて単に先祖が偉かっただけで支配階級についていましたからね。でも、今の世の中では精々3代ぐらいでしょう、影響あるのは。」
空智「何を言っている大林君、大切なのは6〜7千年前のご先祖様だぞ。」
大林「えっ、6〜7千年前って、縄文時代じゃないですか。いくら何でも昔過ぎでしょう、先生。」
空智「現に、このゲーム『守ってあげたい。』の主人公は、6〜7千年前の祖先に、地球の平和を守れと4体の人造人間サイコロイドを託されるのだ。」
大林「そんな、縄文時代と言ったら実は石器時代ですよ、どうやってサイコロイドなんて造るんですか?」
空智「それは問題ナシじゃ、ご先祖は宇宙人なのだ。わしの体の良心回路もオールグリーン。ほりゃ、このオープニングを見れば一目瞭然、大林君も納得じゃ、ああ納得じゃ。」
〜オープニングと最初を見る〜
大林「およその話は分かりました。主人公の祖先のリグロL7441が幽霊になって現れて説明までしてくれましたからね(6千年前に死んだとは思えない、実在感のある幽霊でしたが)。」
空智「これで大林君も、『地球の平和を守るため、四つの僕に命令だ! やっ』、してくれるね。」
大林「ちょっと待ってください。敵は、リグロが製作したサイコロイドの一号機(ファースト)なんですよね。」
空智「そうじゃ。」
大林「それで、その一号機はリグロを誤って敵として認識してしまい、最終的には新に造った4人のサイコロイドの協力で封印したんですよね。」
空智「そうじゃ。」
大林「そして、その封印が昨日破られた。さらに、これが重要なんですが、主人公の脳波はリグロに非常に近くて第一号機がリグロと認識する現在地球でたった1人の人間なんですよね。」
空智「そうじゃ。だから、主人公には超能力の才能があるんだろう。」
大林「つまり、これは地球の危機ではなくて、単に主人公だけの危機じゃないんですか?」
空智「……そうとも言う。しかし、地球の危機は、僕の危機。僕の危機は、地球の危機じゃ。」
大林「(この人なら、そう言うと思ったけど、それは違うだろう)」
空智「まあ、ともかく、明日までにこのゲームをやってくれたまえ。詳しい話はそれからだ。」
大林「まあ、それはそうですね。」
そして次の日
空智「どうじゃ、大林君。最高じゃろ。何せ、4人の女性の僕(しもべ)と、ラブラブの幼なじみじゃからな。」
大林「はっきり言いますと、かなりヤバイラインですよ、このゲーム。
Hのチャンスはやたらにありますが、その多くが、まるで間違い探し位の違いしかないCGの使いまわしで、さらにテキストの変化もあまりないですし。さらに、毎日、学校に行って、訓練しての繰り返し。しかも、起こる事も変化があまりなく、本当の自分を探しに失踪したくなる程の退屈さですからね。」
空智「でも、毎日、新しい超能力を身につけて、変化があるだろう。」
大林「いくら新しい能力でも、利用するチャンスが殆どなければ、絵に描いた餅ですよ。あれで、訓練で身に付けた超能力を使用する場面が、もっと色々あれば少しは楽しみが増えたんでしょうけど。たった1ヶ月間で、一般人からバベル2世を抜いて超人ロック級にまで成長したはずなのに、それが全然感じられません。テレパシー・念動力に加えて、物質形成・分身・テレポート・重力操作すらも覚えるですけどね。
さらにCGの切り替えが遅くて、スキップモードがあっても早く感じないのだから、繰り返しプレイは苦行でしたよ。」
空智「はっきりときつい事を言うの。でも安心じゃ、大林君もこれを知ったら納得するぞ。このゲーム、登場する女の子全員(母親除く)とHするとこができるのだ。先生だって、保健の先生だって、それどころか、ロリ担当のサイコロイドが通う学園の同級生とだってHできてしまうんじゃぞ。」
大林「それが危ないんです。そのロリ担当のマリンは、パッケージで、ランドセルらしき鞄の赤いひもを背負っているんですよ。マリンは、実際は6千才以上だからギリギリセーフとしても、その同級生はいかんでしょう。」
空智「わしの良心回路は、2対1で反応グリーンだが。」
大林「(……ゆるい良心回路だな)」
空智「まあ、それは置いておくとして、大林君も意外と面白かっただろう、このゲーム。」
大林「そうですね、欠点を言っていたらきりのないゲームですけど、なんと言うか、完成には大幅に足りないのを気力とソウルで何とかしたという感じですか。その勢いは、面白いですね。
6千年前に、変装している時にメガネはないだろうとか、つっこみ所も満載ですし。
しかし、これをクソゲーと見るか、バカゲーと見るかは個人の好みだと思います。少なくとも、万人が楽しめるゲームではないと思いますね。新しいメーカーの第1作なので、それを割り引いても、もう少しテキストだけでも努力して欲しかったです。まあ、次回作に期待という所でしょうか。」
空智「まあ、大林君が話をまとめてくれたので、我々は重要なことをしよう。さあ、今からご先祖様のお墓にお参りだ。お彼岸には、おシャカ様の国、はるかな天竺を、沈む太陽がシャイニングロードで示すのじゃ。」
大林「いや、言っていることに、ほぼ間違いはないんですが、先生、もう4月なんですけど。」
空智「旧暦のお彼岸があるじゃろ?」
大林「彼岸に旧暦も新暦もありません。」
調査終了
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