皆さんは、この『家庭教師シリーズ Part1 美樹』をご存知だろうか? はっきり言って自分も百円で投げ売りされているのを見つけるまで、そのゲームの存在はおろか、製作会社のサンッテクの名前すらも知らなかった。だが知らない人間も自分の無知を恥じる必要はない。だって、ある意味、一生知らなかった方が幸福なゲームなのである。
まず手にとって驚くのは、その絵のレベルの凄さだ。PC-9801のゲームだってこのクラスのレベルはそうそう無かったと断言できる。軽く20年は遅れているのではないかと思う程の絵。自分の最初の感想も、おいおい同人ゲームにソフ倫のシールを貼ったらイカンだろうというものだった。これで、発売が97年、希望小売価格が6800円と言うのだから、売れる訳がない。
だが、本当に驚くのはまだ早い。
実際にプレイすると、さらに衝撃の事実が待っているのである。まず、オープニングがない、そしてセーブ・ロードを含めた一切のシステムが存在しない。加えて、メッセージがダラダラと表示されてイライラすることおびただしい。さらに、背景は全てデジカメの取り込み画像で、CGは全てBMPファイル!
まあ、これでもゲームのジャンルが、家庭教師で予想できるようにクイズゲームなので、同人ゲームだと思えば許せるかもしれない。
だが、このゲームは、そんな常識が通用する代物ではないのだ。まあ、口で言ってもよく分からないと思うので、実際にゲームを進めながら説明したいと思う。それでゲームを開始すると、早々に、美樹ちゃんの家庭教師になる主人公。だが、美樹ちゃんの最初の出題で、のけぞることになった。
だって、
あなたはとある街角で女の子に出会いました。さてその女の子は、どんな服装をしていますか?
かわいいワンピース
体操着
きれいな振袖
学校の制服
性格診断かい、このゲームは!
実は、このゲーム、美樹ちゃんには、「信頼」・「学力」・「体力」・「愛情」・「信用」の5つのパラメーターがあって、この数値によってエンディングが変わるマルチエンディングゲームなのだ。それで、最初の性格診断である程度のパラメーターが決定される。後は、色々な行動選択でパラメーターを修正、その後のクイズで学力の増進になると思っていた。
だが、次のクイズモードで、更なる衝撃が待っていた。出題が、「3世紀の日本について書かれた中国の(以下略)」、まあ答えは4択ならば間違うわけもなく「魏志倭人伝」。それで、それを選ぶと、何と美樹ちゃんの「愛情」のパラメーターが上昇するのだ! 魏志倭人伝と愛の間に何の関連性があるかは分からない。このゲームの製作者は何を考えているのだろう? つまり、美樹ちゃんの出題を答えるだけで、パラメーターが上昇していくのである。
さらに凄いことに、出題内容はランダム。これでは、パラメーターのコントロールをするのは至難の業だ。しかも高いパラメーターを更に上昇させる問題だからと間違えてばかりもいられない。間違えるとパラメーターが低下し、ある一定値より下がると家庭教師失格になってしまう。
まあ、そもそも問題はかなり難しいので、正解するのもつらい。97年当時のJリーガーとか、当時の世相の事とか聞かれても覚えてないだろう(しかも家庭教師に関係ないし)。 たまに受験関係の問題が出題されれば、その問題も塩化カリウムの溶解度とか血液の凝固点とか普通の人間は習っても覚えていないような代物ばかり。これでセーブがないのだから、普通に答えていれば簡単にゲームオーバーだ。
時間制限が無いのでインターネットで検索をかければ簡単に正解を選べるとは思う。自分もこれで75%の回答率で最後までいったのだが、最後に志望校に受かった美樹ちゃんに告白されただけで終わってしまった。何と、Hシーンなんて1度もなし! まあ、あんなCGのHシーンなんかどうでもいいので気にはならなかったけどね。
(タコマロ)
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