人間が文明を持つ以前から存在していた不死身にして他に同じ個体のいない単一の存在。様々な文明で様々な名前、例えば地中海世界ではデミウルゴス(かつて流行したグノーシス派の創造主)、中近東ではイルルヤンカシュ(ヒッタイトの荒ぶる神・竜)、また製鉄の技術を授けたことからアラハバキ(荒覇吐)と呼ばれ、そしてもっとも単純な呼ばれ方が鬼。そんな凄い存在が、このゲームの主人公である。
現在は、その鬼は他者との関わりを避けて山奥の祠で隠遁生活を送っていた。そこに、生贄になりに来たと言ってメイドが現れたことから話が始まる。それから次から次へと色々な女性達が現れて祠にご厄介になっていくことになり、望まないながらも騒動の渦中に巻き込まれていきながら、他を拒絶してしいた鬼の心に変化が現れていくというのが、このゲームのストーリーだ。
そう聞くと非常に真面目そうに思えるだろうが、実際にパッケージにも「えぇ!?こ、これは・・・と思うことがあるかもしれませんが、全て気のせいであり、インスパイヤーであり、オマージュであります。むしろ、そんなもんを気にしてうんぬん言うのも楽しみの一つです」と書かれているように、パロディ全開のバカゲーである。そもそも主人公の鬼からして、ある時は神と祭られ、ある時は悪魔として迫害された存在にも関わらず、単なるヒッキーにしてオタクでしかない。
なにせ、この鬼、式神やネット環境を使役して、エロゲやフィギュアを購入して愛でているのである。しかも、フィギュアに関しては非常に濃い内容になっている。なにせ鬼のお気に入りを並べると、緑髪メイドロボ、はにゃーん、鯛焼き万引き娘、12姉妹の下から4番目、太眉白、猫耳モードときて最近は紅茶好き紅ゴスロリと来たものだ。(それぞれみんな分るか、多分『To Heart』のマルチ、『カードキャプターさくら』の木之本桜、『Kanon』の月宮あゆ、『Sister Princess』の誰か(公式設定では年齢は伏せられているので分らないが白雪か花穂?)、『ふたりはプリキュア』のほのか=キャアホワイト、『月詠』の葉月、『ローゼンメイデン』の真紅だろうと思う) さらに、この鬼、暇な時間を使って製作しているフィギュアが、どう見ても原画家「ささやん」が他者で描いた有名キャラ「カレラ」にしか見えなかったりするのだ。
そもそも「そう言えばちょっと前まで日本人って肉を食べなかったよね」と言う口で、トイレットペーパーを使ってサムライトルーパーの変身ごっこをしたことを懐かしむのは、どうしたものだろう。まあ、この辺りの鬼の変なギャップが、このゲームの面白い所なのだと思う。
しかし、パロディにしてはギャグのネタがストレート過ぎることが多い。例えば、鬼が新宿4丁目ビル4階のアニメスタジオに対して作品の原作無視とかオマケ商法に対して文句を永遠と言っているシーンがあったり(G○NZ○のことだろう)、ストーリーによっては敵役の名前が禿正義だったりする。もうちょっと、捻った方が面白かったと思う。
後は、このゲームの登場人物が濃い。そもそも女性陣からして、以下のようだ。
里崎依乃里:生贄として現れたメイドさん。家事全般は完璧なのだが、発想が異次元状態。そのセンスは、主人公の鬼のことを鬼ィちゃんと名づけたことからも分ると思う。
早坂紀伊:所謂、アヤナミタイプのキャラクター。自殺願望が強かったが、鬼ィちゃんと出会ってそれを取りやめた。凄い雑学に詳しく頭が良い。実はフタナリ。しかし、この性格でこの名前だと『HAPPY LESSEN』の「二ノ舞きさらぎ先生」を思い出してしまう。
フローレン・バレンタイン:バチカンから鬼ィちゃん退治に派遣されたエクソシスト。身長163cmでバストが123cmと言うとナイスバディを思わせるが、残りのパラメーターが91、125で、さらに体重89kgで分るようにかなり豊満な肉体をしている。ゲーム内でダイエットするイベントがあるが、Hシーンの殆どは、豊満な肉体でのシーンばかり。性格的にはかなり可愛い。ゲーム中ではノンノンと呼ばれている(ムーミンが元ネタか)。
三島ミリア:彼女も戦車に乗って岡山から鬼退治にやってくる。しかし、身長27cm。当然Hシーンもアレなものが多い(真紅の色のゴスロリを着てのHシーンもあり)。口調及び行動が軍人調。
性格に関しても濃いことが理解できたと思うが、同時に、このゲームのHシーンもマニアック路線なことも分っただろう。
それと、このゲーム、塗りの方もアレだ。まず塗りが完全にアニメ塗り。しかも、線がゴーギャンばりに黒一色ですごく太い。色も陰とテカリが各1色あればいい方という低いレベル。さらに、時々、デッサンが崩れている始末。同じアニメ塗りでも、あのキャベツで有名な『某けよりな』より酷いのは何とかしてもらいたい。さらに、現在では解消されているが、発売からしばらくの間、バグがあったのは論外と言える。
それでも、色々なシーンで色々な所がアニメーションするし、声優もかなり上手い。これでパロディ路線が好きなら買いだと思う。
個人的には、話の途中に出てくる熊族(普通のクマではなく話す知的なクマ)が好きだった。これがけっこう個体数が出てくるのだが、全部同じ声優がむりやりプレイしていて笑えるし、族長のキムンカムイの時々、地が出るシーンが良かった。
(タコマロ)
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