このゲームの主人公は、あと2週間で学園の卒業を控えている。そして、主人公が下校途中に見慣れないアンティークショップを訪れた所から、このゲームは動き出す。この店内で、主人公は、ある木の小箱に目を奪われる。そして、幸運にも店の主からこの小箱をタダで貰い受けた主人公が、この箱を苦労して開けてみると、何と中から虫の羽を生やした小妖精(フェアリー)が飛び出てくるのだ。
彼女の名前はノルン、このゲームのナビゲーター。そして、彼女が案内するゲームとは、「運命を変える双六(すごろく)」。何と、主人公が貰い受けた小箱こそが、その双六だったのだ。しかも、箱を無理矢理に開いた衝撃で、サイコロも飛び出してしまい、運命を変える双六の一振り目のダイスは既に振られてしまったのである。
ジュマンジ〜と叫び出したくなる感じだが(昔、そんな止まったマス目の出来事が現実化するというファミリー向けの映画があったのだよ)、この運命を変えるゲームは、あの映画以上に起きることがセコイ。
なにせ、
欲望 対抗 死闘
果てに 灰色の栄光
とか、非常にデンジャラスで運命を告げられても、起こることは、悪友と学校の廊下に落ちていたコインの争奪戦を行い、長い戦いの挙げ句に、そのコインが100円玉ではなくゲーセンのコインであることが判明したるする位のことなのだ。
他にも、
放つ言葉 美を求める
異なる言葉 夕闇に消え
これで起こることが、登場人物が全員、大阪弁になったりとか、他にもエアコンが壊れたりとか、そんな物ばかり。
しかも、このゲーム、始めたからにはゴールにたどり着くまで強制的に続くということもない。何と、ルールはサイコロを振れるのが1日に1回だけなことと、ゲームは最大でも1週間で終わるってことだけ。これでは緊迫感も何もあったものではない。
パッケージの説明では、「そのダイスの出目によって、物語が変わって行きます。」と大げさな事が書いてあるが、実際には、単に音声だけのイベントが起こるだけで、ゲームの攻略には何の意味も持たない。つまり、女の子の攻略には、最初の1週間に正しい選択肢を選ぶ事が必要になってくる。ぶっちゃけ、この双六ゲーム自体は、ほぼ共通パートである部分を飽きさせない為だけに存在しているのである。かなり、「JAROって何じゃろ」って言いたくなる代物だ。
何かチグハグな物を感じるのだが、それを言い出すと、このゲームのあらゆる所が、チグハグなのだ。
そもそも、この運命を変える双六自体も変な物なのである。外見は、まさに中国風の木箱なのだが、中に入っているのはフェアリーにローマ数字が入った4面体ダイス(4面体とは何とマニアックな!)。統一性がないのにも程がある。しかも、最初に中身を見た時は、この双六は何処がマス目で何がコマか分からなかった(実際は、虹がコマの進む所で人間の目にはマス目が見えず、その中で光の帯が濃い所がコマの止まっている所らしい)。
他にも、卒業までもう2週間に迫っているのに、何と主人公は卒業文集の原稿を提出していないのだ。これが、カブいてあえて締め切りを過ぎても無視しているなら兎も角、まだ最終締め切りすら来ていないのである。この学園の卒業文集は後で家庭に郵送されるとしか思えない。
また、卒業制作の油彩を未だに書いている級友がいたり、主人公自体も卒業試験に合格できずに、この時点で補習を受けていたり、こいつらにはあと二週間で卒業するつもりが本当にあるのかと聞きたくなってくる。
そうかと思うと、主人公の妹同然の従兄妹の女の子が、まだ卒業まで2週間もあるのに主人公の引越しの手伝いに家に泊まりこみにきたり、明らかにどこか変な世界が展開している。
しかも、最初の1週間はたまに重要な選択肢があったりする割には、キャラ個別のイベントなんてあまりなく、全方位的に非現実的なストーリーを見ていくのだからたまらない。しかも、ノルンと運命を変える双六は、この最初の1週間を終わったら、ロクに何もなくバイバイしてしまうのだ(オイオイ)。この辺りは、もう少し考えてゲームをデザインしてもらいたかった。
まあストーリーの方は、これ位で終わりにしておいて、システム面の方を見ると、一応必要な物は全部そろっているのだが、もう少し使いやすくして欲しかった。
CGの方では、淡い感じだが悪くはない。ただ、女の子は全員が、おでこが大きく、鼻が無いに等しいキャラだけで構成されているので、差が少ない。はっきり言って、髪を変えられるとキャラの見分けるのは、かなり難しい(いわゆる、判子絵って奴だ)。この手の原画が好きでない人は避けた方が良いだろう。
それでも、キャラ面では色々と味のある面子が揃ってはいる。
だだ、最後に言わせてもらうなら、同じ妖精ならば、ノルンよりも、やっぱりモモ(うそ×モテ)の方が何倍も素晴らしかったことだ(まあメーカーは無くなってしまったけどね)。つまり、『虹色水晶』は、その程度の作品だと思って欲しい。
(タコマロ)
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