美少女妖怪調伏伝

ぬばたま


 

仕様 評価
対応機種 WIN システム

5点

ブランド名 studio Ebisu シナリオ

8点

ジャンル アドベンチャー 萌え萌え

9点

    せつなさ

9点

    素薔薇さ

7点

 





 ちょっと前から何でも擬人化するという流れが存在している。昔はモビルスーツを擬人化(女性化)していたものだが、OSを擬人化したあたりからブレイクしたと思う。OSの時点でもう何でもありと言えば何でもありだったが、それからは次々と、お菓子、タバコ、仕舞いには電車、それすら超越して人工衛星の擬人化まで出現する始末。

 多分、このゲームを創ったスタッフは、これなら妖怪の擬人化(女性化)だって受け入れるだろうと考えたのだろう。しかも、ヒロインを妖怪にすれば、昨今問題になっている色々な事も同時に回避することができる。なにせ、妖怪ならば、見た目が幼児でも年齢は数百歳だって問題はない。座敷童なんて、まさにそんな代表例だ。

 そうして完成したゲームが、この『美少女妖怪調伏伝 ぬばたま』だ。

 それで、肝心な売り上げの方がどうなったかというと、まあ推して知るべしだ。だいたい、ほとんどの人が、このゲームの名前すら知らないだろう? この事実が、全てを表している。

 そもそもマイナーメイカーにも関わらず宣伝すらろくにされていなかったのが悪かった。結構良い所もあるので残念な作品なのだが、このメーカーに関してはあらゆる部分の詰めが甘いので自業自得の面はある。

 その詰めの甘さをもっとも良く示していることが、取扱説明書が入っていなかったことだ。これに関しては、本当にこのゲームは超空間レベルだ。一応、インストール方法とデモムービーをおまけに収録したという注記のある紙切れは入っているが、ゲームの操作方法なんて全然書かれていない。しかも、ゲームにヘルプが入っているのだが、これも説明不足で分らないことが多かった。なにせ、最初、フルスクリーンにしたら戻し方が分らなくなって、あせった程だ。

 そして、次に豪快なのは選択肢だ。このゲームの選択肢は何と「右」か「左」の二択だけだなのだ。中道とかそんな甘っちょろいモンはない。基本的に、分かれ道をどっちに進むかの選択が多いのであまり違和感がないのだが、それ以外の選択肢でも○○するなら右を選べ、△△したければ左を選べときた時には、おもわず笑ってしまった。

 ただ、この選択肢が江戸時代にあったような高札付きの道しるべになっていたのは洒落ている。そして、この高札に色々と書いてある。だが、その多くがヘルプに書ききれなかったゲームの説明になっている。実際に自分も、この高札の説明を見るまでフルスクリーンをウィンドゥモードに戻せなかった。もう何だが親切なのだか不親切なのだか分らんゲームだ。

 ついでに他のシステム面も説明しておくと、高速のオートモードはあるのだがスキップ機能がない。スキップがないので、無論、未読・既読の判別もない。他のも、ギリギリの機能を取り揃えたというだけで使い勝手は悪かった。

 ここまで悪く言うと本当にダメなゲームに思えるだろうが、ストーリー的には悪くはなかった。簡単にそれを説明しておくと、舞台は昔々、都の近辺に大量の妖怪が出没するので、それに対する警護及び対処を主人公(榊 手津真)が依頼されるのである。だけど、ゲームを始めてみると、いきなり主人公と妖怪のHシーンから開始される(説明は後でなされる)。

 因みに、この妖怪が、このゲームのメインヒロインである「ぶんぶく茶釜」の「ぶぶ」ちゃんである。「ぶぶ」ちゃんは、髪の毛が耳状になっている以外はほとんど人間と同じ姿をしている。まあ、ロリ体型だけど。彼女が、ちょこんと茶釜を被っているのは、なかなかに可愛い。因みに、「ぶぶ」の移動方法は、茶釜にちまっと生えた独立した四本の脚で歩行するか、空中をふわふわ飛行する。他の妖怪も、大体こんな感じで、かなり可愛くデフォルメされている。

 それで、最初のHシーンで大体予想がつくと思うが、主人公はHすることで妖気を浄化したり、妖怪を従属させたりすることができるのだ。一応、他の手段もあるのだが、主人公の趣味もあって、この手段だけ使用している。そして、そこから先は、もう妖怪が出る=主人公がHして調伏というのが続く。もうゲームの9割近くが、それだけで占められている。ただ、それでも残り1割の部分は結構楽しめた。

 それで話をストーリーに戻すと、「ぶぶ」とのHの後に、主人公の師匠が現れる。それまでは、自分も「ぶんぶく茶釜」が出てくるなら、ゲームの舞台は江戸時代か安土桃山時代なのかと色々と想像をめぐらせていたのが、この師匠を見てどうでもよくなった。

 なにせ、この師匠、赤銅色の肌をした筋肉質な大男。それは実戦派の退魔師としては悪くはないのだが、それ以外がいけない。なにせ、師匠の髪型はアフロ、しかも裸に注連縄をフンドシ状にしめて、アソコの部分には伊勢海老を飾っている始末。しかも名前が、師匠・ザ・サクセス(本名:サクセス・ドガノー)、自己紹介にいたっては「ミーはこの世にジャスティスをもたらすために遣わされた嵐のミラクルメン」ときたものだ。しかも、サクセス師匠には男キャラにも関わらず声優さんがついている。そして、その演技も良い。大体予想がつくと思うが、最後のミラクルメンの発音なんかも、ミラクルメェ〜〜〜ンといった塩梅だ。あまりにキャラが濃すぎる。こんな人物がいる時点で、この世界が何でもありの、ギャグワールドなことが分った。

 それでも、この師匠とボケボケ妖怪の「ぶぶ」を連れての珍道中がけっこう笑えたからOKだ。それにギャグだけでなく、しんみりとした所もあるし、ちょっと良い話もある。さらに、美少女化された妖怪のデフォルメも、結構妖怪の特質が考えられていて良くできていた(ネタバレになるので詳しくは最後に解説しておく)。しかも、妖怪は全部で39キャラ(37種類)にも及ぶ。

 ただ、残念なのは、原画は結構よく出来ているのにCGのサイズが小さく、また塗りが悪いことだ。さらに背景もデジカメ画像を使いまわし。システム面の悪さや、宣伝の至らなさも含めて、全体としてもう少し努力が欲しかった。それでも、妖怪が好きならプレイしてみてもいいだろう。

 ゲーム登場全妖怪+解説

 ぶんぶく茶釜・・・群馬県茂林寺に由来するタヌキが正体。このゲームのメインヒロイン。
 飯綱・・・いいづなと読む。実は大明神。鼬とも狐とも色々言われるが正体は不明。このゲームでは、鼬っぽいアネさんタイプ。
 油すまし・・・水木しげる翁が作品に登場させなければ、普通の人間は知らなかっただろう超マイナー妖怪。そもそも、何をするかも伝わっていない。このゲームでも、アヤナミ風というか掴み所がないキャラになっている。
 小豆とぎ・・・こいつは姿のない妖怪だけど単に小豆をとぐ女の子。
 一つ目小僧・・・これは解説の必要もない有名な妖怪だろう。この作品では、単に片目をつむっているだけの女の子になっている。
 唐傘お化け・・・こいつもお化け屋敷の定番の有名キャラ。このゲームでは単に傘を被ってケンケンしているだけのキャラになっている。
 鉄鼠・・・元は対抗する宗派に恨みを持って死んだ天台宗の高僧が変化した鼠の妖怪のはずなのだが、このゲームでは単なるネズミの着ぐるみを着ている。しかも、なぜか東北弁。訳が分らない。でもお気に入り。
 あかなめ・・・掃除してない風呂場の垢を舐める妖怪。このゲームでもその長い舌を使ったプレイをしてくれるが、ちょっと引く。
 野衾・・・闇夜で人に飛び掛かって驚かす妖怪。このゲームでは安全第一のヘルメットを被って、袖を広げてモモンガ〜と叫ぶ。
 豆たぬき・・・たぬきっぽい頭巾を被っているだけ。まあたぬきだから正体は分らん。
 子泣き爺・・・赤い前かけ一丁で泣いている女の子。単に爺を幼女に変換しただけ。
 貧乏神・・・ムシロに包まっている。これも爺を女の子にしただけ。しかし、神すら対処してしまうとは主人公恐るべし。
 うわん・・・高い所から、いきなり相手を大声で驚かす妖怪。しかし、竹馬に乗っているとは斬新だ。
 コロポックル・・・そのまま
 べとべとさん・・・これは正体が普通の人間に見えないのでなんとでもなる。彼女の話は結構良い。
 餓鬼・・・まっぱに前張りのみ。
 天邪鬼・・・ボンテージっぽい格好。
 座敷童・・・そのまんま。
 天狗・・・これも女性以外はそのまんま。
 吸血鬼・・・これもそのまんま。
 山彦・・・これは正体が普通の人間に見えないのでなんとでもなるが、拡声器を持っているのが○。彼女とのやりとりは本当にバカっぽい。
 鎌鼬・・・三位一体の妖怪。あまり鼬らしい所もなく人間ぽい。
 震震・・・人に取り付いてその人を震えさせる妖怪。まるでスキー客みたいな姿をしている。
 倩兮女・・・ケラケラオンナと読む。夜道でケラケラと笑い出し人を驚かす妖怪。髪に付いた2つの口がいい感じだ。
 ろくろ首・・・これもどうするかと思ったら、単にはりぼての首を持っているだけのキャラ。お前はコントの出演者かい。
 屏風覗き・・・屏風から覗く妖怪。自分から屏風背負うな。
 猫又・・・ありがち。
 加牟波理入道・・・ガンバリニュウドウと読む、一応は便所の神様。のぞきの神様ではないはずなのだが。
 二口女・・・マンガ日本昔話で有名。後頭部の口はいいのだが、なぜレッドスネークカモーンなのか?
 キジムナー・・・完全に人間サイズ、しかも大人の女性なのはなぜ?
 人魚・・・姿はそのまま。Hをどうするかと思ったら、あれは履物だった。
 おとろし・・・神社で悪さをすると上から落ちてきて懲罰する妖怪。おとろしらしいのは、彼女が乗っているアスキーアートっぽいウサギの方では?
 雲外鏡・・・鏡の妖怪。どこの和風魔法少女(変身後)って感じ、無論ステッキの代わりに手鏡を持っている。
 置いてけ堀・・・この妖怪も姿は不明ながら、なぜか鉄球を足にぶら下げている。
 がしゃどくろ・・・実は70年代につくれた若い妖怪。でもドクロの女性化とはスタッフのセンスは凄い。
 ・・・日本版キメラ。倒すと獅子王という刀を貰えるが、この刀が国立博物館に展示されているのが一番の不思議。このゲームの鵺はどんな姿をしているのかよく分らない、分離合体可能なのか?
 白面九尾の狐・・・大妖怪。しかし、このゲームにかかれば、こんな大人の妖怪もロリキャラに大変身。

以上で総勢39キャラ(37種類)だ。因みに、ゲームの題名にもなっている「ぬばたま」は黒や闇などの言葉につく枕詞だ。

(タコマロ)

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