今回とりあげるのは、最近目立った活動がないのが幸なのか不幸なのか判断に苦しむ「HYPERSPACE」こと超空間の作品『PIN UP』である。
取説なんて何時ものようについていないので、CDの中身をHDに丸ごとコピーしてゲームを立ち上げてみることにした。すると、このゲームでは超空間しかも「HYPERSPACE」時代のゲームにも関わらず、オープニングは何時のアレとは違っていた。まあ、その何時もと違うOPと言っても、1枚絵を背景にスタッフの名前が表示されるだけに過ぎないので、相変わらず手抜きであることには違いない。
それで、ゲームを最初から開始することを選ぶと遊び方の説明から入る。しかし、それは
「プレイヤーを動かすには画面の左端にある矢印をマウスで操作してもよいのですが、キーボードのカーソルキーを使って動かすと便利です。」
という代物であった。
これを見て、スポーツゲームじゃないのだからプレイヤーを動かす必要はないだろうとか、矢印をマウスで操作するゲームとは一体何時の時代のゲームだとか色々なことが頭に浮かんでくる。だが、しかし、最大の問題点は、これとまったく同じ説明文を過去に見たことがあったことだ。そう、これは『覗』とまったく同じ説明なのだ。さらに、この後も、ほとんど同じような言葉が続く。
「ゲームの目的はマップの中から道具をさがし女の子と道具を使ってエッチをすることです。うまく全部の道具をプレーするとゲームオーバーとなります。」
『覗』と違っているのは、「覗道具」が「(エッチな)道具」に変わったぐらいのものだ。もちろん、クリアしたらゲームオーバーなのも変わっていない。
それで説明が終わってゲーム本編が始まると、変化のない退屈な毎日に飽き飽きしている典型的な主人公が登場してくる。ただ、プレイしている身で主人公に言わせてもらえるなら、世の中退屈なのは君だけはないって事を知ってもらい。なにせ、色々なゲームで流用され尽くされ、もう飽き飽きしている背景をまた見させられているこっちの方が、主人公より、よっぽどため息をつきたくなってくるのだから(それに、どーせ、お前の方は後でいい目を見るのだからな)。
そして案の定、主人公が家に帰ると、3人のランジェリー姿の女性が、なぜか主人公の家に侵入しているのである。しかも、この女性達、主人公の母親に頼まれてここにいるらしい。この時点で、この女性達がここに居る理由について説明らしい説明がないのだが、これはストーリーが進むにつれて明らかになってくるのだろう。
因みに、この辺りのことはパッケージでは以下のように書かれている。
「俺が家に戻ると3人の女の子が同居していた。俺は自分の部屋に隠し持った様々なエッチな道具を持って女の子の部屋を訪ねた。女の子を言いくるめ、道具を使ってエッチをする。(中略)次第に明らかにされる女たちの謎、一体その謎とは・・・」
しかし、どう見ても主人公が朝出かけて夕方戻ってくる間に侵入されただけで、「同居」はないだろうと思う。だが、それ以上に凄いのは、同じ家に住んでいる女の子に対して、いきなり大人のおもちゃを持っていって相手を襲ってしまう主人公のアレさ加減である。しかも、パッケージみたいに言いくるめるとか全然なしだ。
因みに、エッチな道具については主人公の部屋に隠してあると書かれているが、実際にゲーム本編が始まって主人公がたたずんでいるのは、もうファミコン時代のFRPGの町かダンジョンにしか思えない所だ。どう考えても、このマップは主人公の部屋には見えない。しかも、その表示色も8色程度にしか見えない。そして、自分には、このマップ、『覗』のものとまったく同じ物にしか見えない。なんか、この時点でかなりやる気が削がれた。
そして、そこに存在する扉を開けると中にエッチなアイテムがある。後は、それを女の子の所に持って行ってHするだけだ。まあ、いくら2000年の発売と言っても、当時の同人ゲームだってこんなレベルの低いものはなかった程の代物だ。ただ、慰めは、今回の『PIN−UP』は超空間のゲームにしては原画が結構いいことだ。それでも、何時もの超空間のレベルが低い塗りと、あまりに粘着質で世間一般のエロゲーとはかけ離れたHシーンが、原画の良さを引き出すどころか完膚なきまでに打ち砕いてしまっている。
それでも、彼女達がここに居る理由を知りたくて、フルスクリーンオンリーかつメッセージスピードも調整できずに、さらにそれが遅くて文字がチロチロと表示されるシステム最悪のこのゲームを、血圧を上昇させながら進めて行った。話を進めていくと、この謎のことについて、主人公のことを「おにいちゃん」と呼ぶ女性が居たり、主人公が事故で記憶を失っていることを教えてくれたりする女性が居たり、なぜか主人公を家から出さないようにしている女性が居たりして、思わせぶりな台詞だけはあるので、相手が超空間ということが分っていても、ついついその正体に期待してしまった。
そして、そのあまりのゲームの遅さにプレイしながら本を読みながら進めて行くと、ついにはエンディングにたどり着くことが出来た。
それでついに明らかになる真実。それは、彼女達は主人公を性犯罪者にさせないために、主人公の母親に派遣されていたのだ。しかも、彼女達は主人公のことが心配で献身的にここに来ている訳でもなく、単に大人のおもちゃを使ってプレイに興味しんしんでここに来ているだけ。そして、まさに割れ鍋に綴じ蓋って訳で、みんなで楽しく暮らしました、めでたし、めでたしでゲームは終わってしまう。
ただ、作中の人物は幸福かもしれないが、プレイしているこっちは、あまりの展開に、全然めでたくなく、がっかりして終わるのは何とかして欲しかった。
(タコマロ)
|