『ポルテの魔女っ子レッスン』、ここを見ている皆さんは、この題名を聞いただけで、頭に浮かぶゲームのストーリーがあるだろう。さらに、その想像像を補強できるように、取説の「ポルテ」キャラ説明も引用しておこう。
『ドジ魔女っ子』ポルテ おっちょこちょいで大ボケの、可愛らしい魔女っ子。魔法も下手で落ちこぼれだが、同期のジュテミアに庇われながらもなんとか頑張っている。
他人は誰でも大好き。
これを見れば、先程、貴方の頭に浮かんだストーリーは、想像を越えて確信のレベルにまで達していると思う。
だが、このゲームの実際のストーリーは、貴方の想像をはるかに越えた所に存在しているのだ。第一、このゲームでレッスンを受けるのは、ポルテではない。何と、ポルテ自身はレッスンの先生なのである。つまり、題名は『ポルテの(行う)魔女っ子レッスン』と言うのが正しいのだ。
それでは、主人公は普通の女の子でポルテの指導の元で魔女っ子になる話と思うかもしれない。だが、それも大きく違う。何故なら、このゲームの主人公は男なのである。
そう、男が魔女っ子目指して訓練を受けることになるのだ。
・・・・・・確かに、まったく見たことのない展開に、一体全体どんなゲームなのか戸惑う方もいるかもしれない。念の為に言っておくが、もちろんオカマのゲームではないので安心して欲しい。
こうなったのにも理由がある。事の始まりは、ポルテが魔女っ子の教官になる為の試験として、人間を魔女っ子にすることになったことに遡る。それで、このポルテが、生徒として迎えようとして携帯電話を通して接触していた女性こそが主人公の妹だったのである。しかし、主人公の妹の方は、このポルテの勧誘を単なるイタズラとしか見ておらず、迷惑に感じていた。それで、直接会いに来たポルテに対応したのは、妹のふりをした主人公だったのだ。
この主人公、実は妹と双子で、性別は違いながらも、外見はまさに瓜二つ。ポルテが間違えるのも無理も無く、主人公はポルテに魔法の国(ネッテス・ハイム)に強引に攫われてしまうのである。
だが、主人公が連れて行かれたネッテス・ハイムは男子禁制の国で、進入した男はカエルやイモリに変身させられて魔法の触媒にされてしまうのだ。それを知った主人公は妹のふりをして、その場を誤魔化すことにする。それでも、そんな嘘が長時間持つはずも無く、最終的には男であることがバレてしまう。
この時点で主人公のことは現実世界に戻して、他の生徒を探した方が得策かと思うのだが、このポルテと同期のジュテミアは主人公のことを魔女っ子として育成することにするのである。だが、男と知って庇った者も重罪が課せられると言うのに、あえて男の主人公を魔女っ子にするのは、リスクに対してのベネフィットが全然釣り合ってしないような気がする。主人公の妹を連れてくれば解決する問題だと思うのだが・・・・・・。ここは、もう少し理由を考えて欲しかった。特に、その場のノリで何でも決めてしまいそうな「ぽえぽえ娘」のポルテは兎も角、頭の切れるジュテミア様とは思えない軽率な行動だと思う。
まあ、そんなこんなで、魔法の国で魔女っ子の訓練に勤しむ主人公なのだが、ここから先が中々辛い。なにせ、選択肢を一つ間違っただけでバットエンドに直行してしまうのだ。本当に魔法の国はデンジャラス。流石は、「寝首をかかれる方が悪い」という物騒なルールが普通に通用し、魔法の力に従って階級が厳しく分かれている世界だけのことはある。メルヘンチックさは見かけだけ、どう見てもネッテス・ハイムの本質は普通のファンタジーRPGにおけるデビル様やデーモン殿の住まう次元のルールと何ら変わらないように思えるのだが・・・。
だけど、そんな苦しい展開も前半だけ。後半になると、魔法薬の調合の失敗で現実世界に飛ばされて、そこでこれまでのAVG路線と打って変わってゆったりとした育成ゲーム的展開になるから安心して欲しい。
このゲーム、こんな感じで話の展開が急で唐突かつイベント間の繋がりも悪い。おまけに、絵に関しては原画もいまいちだし塗りも悪い。せめて、立ちグラに表情の変化ぐらいはつけて欲しいものだ(一応ポーズは複数あるが1ポーズ=1表情で数が少ない)。さらに、声優も一部アレだったり、システムも全CGを見るには繰り返しプレイになるのにスキップに既読・未読の判定がなかったり、色々と問題点がある。
あえて例えるなら、イカとかアジとか皮付きのジャガイモやニンジンを包丁でなにも考えないでザクザクぶった切って、圧力鍋で加熱して後に、インスタントカレールーを入れたシーフードカレーって感じだ。それ位、大味で野性味あふれるゲームなのだ。
それでも、このソフトハウス(AQUA HOUSE)にしてはバグがなく満足にプレイできるし、育成の程度で最後のHシーンで見れるCG数に変化があったり、本筋に全然関係ない所でRPG風の戦闘シーンがあったり、実はマックでも遊べたり色々と工夫があるのだが、どうにもそれが生かされていない。キャラとか設定とかは、そう悪くはないので、今度はもう少し全体のバランスをとって製作して欲しいものだ。
(タコマロ)
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