ラズベリー1/3


Stay With Me


 

仕様 評価
対応機種 WIN システム

5点

ブランド名 ももグミ シナリオ

3点

ジャンル ハチャメチャADV 萌え萌え

3点

    せつなさ

9点

    素薔薇さ

3点

 


 ストーリー。このゲームの主人公は、この日、不幸の連続だった。会社をリストラされ、彼女にふられ、そして財布を落とすという、まさに踏んだり蹴ったり状態。意気消沈して家に帰ってみると、そこにはツギハギだらけの不思議な格好をした美少女が。なんと、彼女(ノマ)は「貧乏神」。主人公は貧乏神にとり憑かれてしまったのだ。

 このままでは残りの人生、貧乏生活は必至。しかし、占い師から、自分の望みをかなえて幸運力を得れば、まだ助かると教えられる。そして主人公の望みは、ある7人の女性とHすること(お約束だな)。その内の半分以上とHして、ギリギリ何とか貧乏神を追い出す幸運力に足りるらしい。そういう訳で、主人公の努力が始まるのである。

 実に素晴らしい導入だ。貧乏神の押しかけ女房(しかも可愛い)と聞いた時には、俺的期待の一作になった。

 しかし、甘かった。貧乏神ノマ様の力は、俺の想像をはるかに超えていたのだ。何とノマの力は主人公を不幸にするだけでは飽き足らず、話の他の登場人物どころか、デスクトップの前の君や僕も不幸にする程なのである。そんな馬鹿なと思う人も居るかと思うので、順にその理由を見ていこう。

 まず、ゲームが何時まで経っても発売されなかった。本来の予定日は2001年7月27日発売のはずが、実際に発売されたのは翌年の3月29日。おいおい、8ヶ月も延期されているよ。本当は、メーカー(ももグミ)のデビュー作だったはずが、『汁ブルマ夏』と言う怪しい名前の作品に先を越される始末。この時点で怪しいと思わなければならなかったが、発売週に、自分は新品で購入してしまった。そしてゲームの販売自体は、数週間でワゴンセールに直行。そんで、会社の公式HPには現在繋がらない状態・・・・。まあ「悲しいけどこれ、現実なのよね」って所かな。

 まあ世間の評判は兎も角、ゲーム自体を自分が楽しめれば何の問題もないのだが、それが苦しい。システム面の貧しさは置いておくとしても、このゲーム特有のシステムが、とっても不味い。説明すると、このゲーム「幸運力」というパラメータがあり(厳密にはこれダケ)、この高低によって同じ選択肢を選んでも結果が変わってくるのだ。まあ、これを聞くだけなら、ごく普通のシステムに思える。

 だが、それは大きな勘違い。このゲームの幸運力はストーリー上の展開を集計したモノではなく、刑事ドラマの様に自分の足で稼ぐモノなのである。意味が分からないと思うので説明すると、街の中を移動しているとランダムでイベントが発生する。このランダムイベントで正しい選択肢を選ぶ事が出来れば幸運力が上昇し、誤った選択をすれば幸運力が低下するのである。ちなみに、ある一定の幸運力がないと、先に進むイベントが起きない。結果として、幸運力を求めて街をウロウロする事になる。まるでRPGで中ボスに勝てずに経験稼ぎしている様な展開だ

 しかも、ランダムイベントの内容は既知外じみていて、どの選択肢が正しいか分からないのだ。例えば、裸の美少女が道に倒れていたら、“胸をもむ”が正解だったり、道を渡れずに困っている老人がいたら、そっと“背中を押してあげる”が正解だったり、基本的に普通でないのが正しかったりする。まあ、中には普通の選択が良かったり、正解が幸運力の上昇で変わったりして、究極的には選んでみるしか分からないのだが(ふざけるなよ)。

 これで、ゲームの基本はコマンドを総当たりタイプのAVGなのである。よって、ほとんどの時間は街を徘徊して過ごす事になる。そこに時間を取られ過ぎたのか、話の方も一応はあるにはあるのだが、ご都合主義的かつ非常に薄い。

 だってAV男優をすれば僅か2回目で人気AV嬢とHでき、その関係でエキストラをすれば人気アイドルと密着! そして、この時点で幸運力を稼いでいれば、ハリウッドの大女優が急遽来日。そして、もう訳も分からず、何故か一般人(失業者)の主人公は大スターの出るパーティーに2回も出席してたりする。主人公の運は全て女運に集中している状態だ。そして、トントン拍子どころかギュンギュン拍子に、濡れ場に突入。まさにジェットコースターゲーム。しかし、スピードを求めると言っても、Hシーンまでが急転直下に終わる事はないだろう! ディスプレイの前の君も僕も、もう完全に置いてけぼり。 

 それでも、一番許せなかったのは最後の展開だ。主人公の通っていた書店は店をしまい、AVの会社は潰れる。まあ、これは「貧乏神恐るべし」で済む問題だが、話はしんみり、そして精神論的になる。

 なにせ、貧乏神のことを相談すれば、「人のせいにしてはいけない、そんな考えだから会社もクビになるし、彼女にも逃げられる」とか、話の根底から覆す説教を受ける始末だ。そして、無理やりに性根を鍛え直して、前の彼女とよりを戻すことになる。これが強制。そして、Hをすれば、貧乏神のノマは、主人公が本当の愛を見つけたからという、これまで何の伏線もない理由で、主人公の元から去ってしまう始末。

 おいおい、これまでの苦労とか、話は何だったんだ? これまでHした女の子の立場は? それに、ノマ、お前は何をする為に、主人公の元に来たんだよ?

 無論、そんな疑問に答える訳もなくエンディングが流れていく。それが終わって、ディスプレイの前に佇んでいると、心にはスキマ風が吹き込んでくるようだ。その時に自分は思ったよ、これこそ、まさに貧乏神ゲームと言って過言ではないだろうってね。
(タコマロ)