せいぎのみかた


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仕様 評価
対応機種 WIN システム

8点

ブランド名 ぱんだはうす シナリオ

7点

ジャンル AVG 萌え萌え

9点

    せつなさ

9点

    素薔薇さ

8点

 



 このゲーム、中身を空けてまず目立つことは、パッケの中に取説はおろかユーザー登録ハガキすら入っていないことだ。ワゴンで購入したので、思わず中古品かと思ってしまった。しかし、「HYPERSPACE」のゲームではないのだから、紙1枚でも簡単な説明を入れて欲しいものだ。

 パッケを空けてすぐ分かる点は置いておいて、実際にゲーム本体の中身に入りたい。このゲームの主人公(デフォルト名:一文字正義)は、実は記憶喪失で3年前からの記憶しかない。どんなに思い出してみても、廃病院の古びた手術台に横になっていたことまでしか思い出せないのだ。しかも、そこまで彼を運んでくれた「命の恩人」が運悪く悪の組織のトップだったため、主人公はそこで超高性能小型爆弾を頭部に埋め込まれてしまうのである。そんな訳で、主人公はそれ以来、表向きは社会科教師(もぐり)、裏向きは悪の組織の攻撃&工作部隊隊長として働くことになったのだ。

 こう書くと、主人公は悪い人みたいに思われるかもしれないが、そんなことはない。よく言えば良心派、悪く言うと小心者。悪の組織「サッキー」の中で一番の常識を持つ彼は、何とか組織の暴走を抑止すべく人知れず苦労するのが役割なのだ。

 そして、「光るあるところに影がある」(この場合は影あるところに光あるか)と、サスケのナレーションも言っているように、悪の組織が存在するなら、当然のことながら、それに対極となる善の組織が存在する。それが、機動風紀隊「アストレア」なのだ。

 このアストレア、主人公が教師をしている女子校の組織なので、当然のことながら隊員は全員女性。因みに、アストレアと言えば、スキンケア、いやそれもあるが元々はギリシャ神話の正義の女神(おとめ座)のお名前。だから、女性だけの正義の部隊名としては、これは中々洒落た名前だと思う。

 そして、主人公の属する悪の組織「サッキー」と機動風紀隊「アストレア」が戦わないのが、このゲームのストーリーなのだ。「戦わない」と書いたのは間違いではない、本当に、それはもう徹底的に戦わない。

 なにせ、悪の組織「サッキー」構成員からして全部で5人しかいない。もう、悪の組織としても弱小どころの騒ぎではない。でも、テレビの世界では、わずか3人で世界征服を目指していた「科学犯罪組織デスター」と言う「サッキー」にも劣る超弱小組織も存在していたから、ここは人数のことは置いておこう。世の中、数より質の方が求められるからね。(でも、デスターには戦闘員のアンドロイドがいっぱいあったな。)
 
 そして、その肝心な活動が、サッキーの最大の問題点なのだ。なにせ、ここがやっていることときたら、「ピンポンダッシュ強化週間」やら「購買部のつり銭ちょろまかし(未遂)」とか、悪事のレベルが低い。悪の組織と言うより、小学生のワルガキが集まってイタズラしている程度のレベルだ。到底、正義の組織と争って何かを非合法的に成し遂げるという組織ではない。

 それは、アストレアの方にも言えることで、こっちも単に仲良し3人組が面白そうだからと始めたような組織で、パトロール以外は活動らしい活動もない。おまけに学園非公認組織。それに、風紀の乱れらしい乱れもないこの学園では、そもそも設立に何の必要性もないと思う。無論、積極的にサッキーと戦うつもりなんてない組織だ。

 これで本当に『せいぎのみかた』なんてゲーム名でいいのかと思うのだが、パッケージにも「正義(自称)と悪(弱小)とコスプレ(趣味)の、まったり学園アドベンチャー」と大きく書いてあるし、ストーリーの説明でも、「「せいぎのみかた」は超脱力系学園ラブコメディ(コスプレ風味)です。」と説明されている。つまり、これは、学園ラブコメディなのだ。まあ、これでヒーロー物(アンチヒーロー物)と間違って買う奴もいないだろう。

 と言うことで、ゲームのジャンルが落ち着いたところで、今度はキャラクター説明に入りたい。

 サッキー

 高坂さつき:彼女こそが、悪の組織サッキーのボス、閣下。そして、高坂学園の保健医にして理事長&学長の娘でもある。面倒くさいことは徹底的に嫌う自分に正直な性格。

 サッキーでの格好は、格好も中身もまさに女王様。パッケではヒーロー物の女王様キャラお約束の電磁鞭を振り回している絵があるが、ゲーム中にはそんなシーンは欠片もないので注意して欲しい。

 北条ひびき:サッキー手下1号で高坂学園の生徒。自称、サッキーの策士にして世界最強の魔術師。サッキーでは、色々なアイテムを製作しているが、ろくに使えたためしがない。だが、主人公の頭の中にも入っている遠隔操作の超小型爆弾など、いらんモノに限って成功している点は性質が悪い。魔術については、本当に信じているのか、主に人をおちょくる為に使っているかは分からないが、おそらく前者だと思う。

 「呪うわよ」「お前、ムカつく」が口癖で、あまり喋らずに取り付く島がないキツイ眼鏡キャラ。反面、攻略ルートに入ってからのデレデレさは、その手の趣味の人にはたまらないだろう。

 サッキーでの格好は形容しがたいが意外とかわいい。また、パッケには指で空中に光輝く魔方陣を描いている絵があるが、ゲーム中にはそんなシーンは欠片もないので注意して欲しい。

 主人公:サッキー手下2号

 後藤ちづ:サッキー手下3号で高坂学園の生徒。主人公の部下として精一杯働いているのだが、努力が結果に結びつかないドジキャラ。おまけに、「〜っす」を語尾につけて話すので、まるで『逆転裁判』の糸鋸刑事の女版みたいなキャラ。

 このキャラを好きになるかどうかは、鎖で繋がれているのにも関わらず、自分の主人の呼びかけに呼応して全力で走ってきて、自分で自分にウェスタンラリアートをかける犬を見て、愛らしく思うかどうかにかかっていると思う。

 サッキーでの戦闘服はマントに学校指定の競泳用水着というアレな格好をしている。また、パッケには空を飛んでいる絵があるが、ゲーム中にはそんなシーンは欠片もないので注意して欲しい。

 後藤雄司:サッキー手下4号兼購買部の職員。主人公の部下だが、実際に役に立った所は見たことがない。むしろ、ホモで主人公に惚れているコイツが出現することで、混乱に拍車がかかるのがおちである。

 アストレア

 田宮由乃:アストレアの一応隊長だが、運動神経が鈍いのか絶望的に戦闘力がない。機動風紀隊の一員なので当然のことながら高坂学園の生徒で、主人公が担任をしているクラスに所属している。

 両親が外国に行っているので、自営の「らーめん田宮」の店長代理をしているのだが、これが本当に客が入っていない。チャーシューメン2杯で700円しかしない驚異的な値段設定で、味も悪くないみたいなのに何で客足が悪いのだろう? 単に美味いと感じている主人公が味音痴なのだろうか?

 しかも、それなのに何故か「後藤ちづ」をバイトに雇っている。二人は「ちづちゃん」、「由乃しゃ〜ん」と呼び合う仲良しコンビなので、サッキーの活動資金の為にバイトを探していた手下3号こと「後藤ちづ」を助けるために雇っているのかもしれない。

 アストレアの活動時は、かなり過激なチャイナドレスを着ている。だが、それ以外は、少々天然なことを除けば家庭的な普通人。

 瀧野涼香:アストレアの発起人。テレビや漫画の作品のモデルにもなっているかなり有名な正義の見方のファンで、それに憧れてアストレア設立を言い出したと思われる。そのことを見ても分かるように、これと思ったら後先考えずに行動するお祭り娘。

 家が道場で、しかも学園からあきらかに全貌が伺える遠い山から徒歩で通学している。一応、この学園と同じ市らしいのだが、田舎の市はでかいから安心できないという好例。実際に、家に行くのに、登山が得意でないと3時間はかかるらしい。おかげで見事な体力バカ。ただ、授業中を睡眠タイムと考えているのはやめてもらいたい。

 サッキー手下1号こと北条ひびきとは幼馴染。それで、ひびきルートの方が、彼女の恐ろしい正体が明らかになる。

 アストレアの活動時は、自分の特徴である巨乳を最大限引き出す忍者の格好をしている。

 上泉真琴:上泉財閥の一人娘。寡黙で少々きつめの外見から学園ではお姉さまとしてファンクラブまであるらしい。しかし、実際は、やさしくて引っ込み思案な性格。少々社会常識に疎い所があるが、アレなキャラがひしめくこのゲームでは一番まともなかもしれない。

 サッキー首領である高坂さつき様が熱狂的に惚れこんでいて、アストレアで着ている服も彼女のプレゼントだ。それで、その服は、和風のファンタジーお約束のビキニアーマーちっくな露出度が高い代物。それにしても、こんな服を贈る人間は用心した方がいいよ、真琴ちゃん。

 彼女のルートは、もうサッキー首領の大活躍で、かなり笑える。


 それで、キャラの説明も終わったのでストーリーの方に戻ると、ある時、この「ほのぼの悪の組織サッキー」にある問題が発生する。それは、サッキーの閣下である「高坂さつき」様の妹の「高坂すみれ」(高坂学園の体育教師で人格者)に学園長のオファーがかかったことに端を発する。まあ、あの不精な閣下のこと、学園長に就任する気はさらさらないのだが、妹に負けていると思われるのが嫌だと、その就任を阻止するように要求してくるのだ。そこで、出された作戦が「高坂すみれ」嬢を拉致・監禁・調教して言うことをきかせるという、ある意味、悪の組織としては王道な計画だったのだ。

 しかし、普段のほのぼのレベルの活動から、急激なレベルアップが望める訳もなく計画は簡単に頓挫する。いや、はっきり言うとサッキーボスの「すみれ」さんに頓挫させられてしまう。まあ、姉妹が二人並んで帰宅する所を変装した主人公が襲ったのだが、目標が自分でなく妹だったことに対して意味のない対抗心を燃やして事を完全に邪魔してしまうのだ。

 おまけに、そこに機動風紀隊アストレアの面々が顔見せに現れて、もう完全に誘拐どころの事態ではなくなってしまう。因みに、このシーンが「サッキー」と「アストレア」との最初で最後の闘いかもしれないシーンだ。ただ、あのボケ・ツッコミの嵐は、普通の人間は闘いではなく漫才と言うのだと思うけど。

 兎も角、機動風紀隊アストレアの出現に対して、サッキーはまず敵を知ることを当面の目的に、アストレアの隊員と接触して情報を収集することになるのだ。つまり、ここまでが前振りで、この先、目的の女の子と出会って親しくなっていく、のほほ〜んとした学園ラブコメディモードに突入することなる。

 ゲーム自体は普通のAVGで、行く先を選ぶ時には、どこに行けば誰に会えるかが表示されるし、相手がこちらをどれだけ親密に感じているかはボタンひとつで簡単に確認できるので、攻略を気にすることなく簡単に目標の女性とエンディングを迎えられる。

 ただ、問題点としては、話が非常にまったり・のほほ〜んモードで進行していくので、話が無駄に長いことがあることだ。これを好ましく思うか、助長と思うかでゲームの価値が大きく変わるだろう。しかも、キャラの人数の割にCG枚数が78枚と少ないので、さらに起伏の乏しさが目立ってしまっている。ただ、CGの差分は非常に多い(特にSDキャラのシーン)ので、その辺りは頑張っているのだが、もう少しCGのあるイベントを増やして欲しかった。

 それと、このゲーム、原画の絵が独特だ。はっきり言うと、顔が全員卵型なのだ。この辺りは、少々、人を選ぶと思う。

 それでも、まったりとしたギャグストーリーが好きな方なら安いのでぜひやってみることをお勧めする。
(タコマロ)

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