このゲーム、中古屋で購入したのだが、販売時には盗難防止用のシールを貼った部分やらバーコードやら中古を示すシールがベタベタ貼られていて、どんなゲームだかよく分らなかった。それにしても、中古屋も管理上の理由でシールを貼るのは分るのだが、それをゲームの内容を説明しているパッケージの裏面に集中するのはやめてもらいたいものだ。だいたい、内容が分らないと、有名なタイトルかパッケージ絵が綺麗なものしか売れないだろうに。そして、その両方を欠いていたこのゲームもよほど売れなかったのか、中古屋のワゴンコーナーにまで落ちぶれていた。
シールで内容がよく分らないとしても、「くノ一淫法でイカしてそうろう」というアレな売り文句と、ゲームジャンルが「パズル&ムービー」であることは分った。パズルの方は倉庫番ライクなゲームっぽいのでそう悪くはなさそうだし、何はなくても強大な魔力を感じたので購入することにした。
それから、しばらく自宅で積んで熟成させていたが、適当な頃合だと思ったので、シュリンクを破ってプレイしてみることにした。そして、バーコードのシールの下から出てきた文句は以下のようなものだった。
鬼才THE SEIJIの人気OAV「くノ一学園忍法帳」より綾と麗菜のエッチな淫法の数々を収録!!
ぷるるんパズルとハラハラムービーでドキドキのエンディングに到達せよ!!
OAVより収録って何だよと思ったが、まあ元々ムービー部分には欠片も期待していなかったのでショックは少なかった。問題は、溢れる魔力のレベルが限界を超えそうなことだ。
それでも挫けずに、中古を示すシールを剥がしたら、さらにショックな言葉が現れてきた。
パズルはクリアしなくても、ムービーは見ることができるの
それじゃ意味ないだろう、パズル。そう思ったが、元々ムービー部分には欠片も期待していなかったのでショックは少なかった。だが、これで魔力が完全に臨界点を突破していることは感じられた。それにしても、この中古屋、このシールを狙って貼ったのではないかと疑ってしまう程、不味い所を上手に隠している。
兎も角、気を取り直してCDをパソコンに入れることにした。そして、インストーラーなんて動くことなく直接ゲームが立ち上がった。どうも、インストールの必要がないゲームのようだ。しかし、そんなことは気にせず最初にすることは、無論、パズルを1面もクリアしないでムービー部分が本当に見えるか確かめることだ。そしてムービーを見に行ってみると、確かに見ることはできる。しかし、全部のシーンは見ることはできない。それも「○×△」というシーンはOKでも、それと同じ名前の「○×△・H」というムービーはダメ。確かに、全部のムービーが見られるとは書いてはなかったので嘘ではないのだが、騙された気分だ。まあ、そんなに美味しい話はないということだろう。
それでも一応確認のために、そのHの表記のないシーンを見てみることにする。しかし、音は流れるのだが、肝心な映像が流れてこない。まあ元々ムービー部分には欠片も期待していなかったので自分的にはショックは少なかった。ただ、期待して買った人には、あまりの仕打ちだったかもしれない。それでも、声優の演技があまりに下手なので(もしかしたらヤケクソなのかもしれない)、映像なんか見えなくても、自分と同じで、これで終わりにしようと思ってくれるかもしれない。
ただ、それではネタにならないので、やる気が出ないが、映像が見られるようにちょっとだけ努力してみることにした。古いソフトなのでコーデックスか何かが合っていないのかもしれないと思って、ウィンドウを退かしてムービー関係の設定でも見てみようと思ったら、なぜかウィンドウを動かしたら映像が見え始めた。理由は分らないが、あっけなく問題は解決した。あとは中身を見るだけだ。
その肝心な中身に関しては、実に壮絶な内容だった。ムービーの題名、「オープニング」・「逆さ蛸壺吸いつきしぼり」・「松の葉ばさみ大蝦がため」・「独楽廻し」・「潮吹きなめくじとかし」・「観音開き」を見るだけで、おおよその程度が分ると思うが、実物はその想像よりかなり下方にあると言っておこう。
このムービーはツッコミ所満載で、どこから何から挙げていいのか悩むが、まず挙げるならば、動画の繰り返しが多いことだろう。まるでGIFアニメーションでも見ているのではないかと思うほど、同じ動作が永遠と繰り返される。これが、A→A´→B→A´のように繰り返されているなら兎も角、この作品では、A→A→A→A→AそれからB→B→B→Bという感じでメリハリも何もあったものではない。台詞が終わるか次の展開になるまで、馬鹿みたいに同じ動作を続けている。とてもOAVで売られていたとは思えない。
さらに次の点を挙げるとすると、画質が酷いことだ。元々のアニメーションからして程度が良くない代物だと思われるが、それをさらにMPEGファイルにして質が悪くなってしまっている。ただ、それに関しては容量の問題もあるので多少は理解できる。だが、ズブの素人がテープのビデオ画像をMPEGにしたみたいに画面の下端にノイズがあるままで、商品として売るとはどんな了見だろう。プロなのだから、せめて縁の塗りつぶし機能ぐらいは使って欲しいものだ。これでは、まるで東南アジアの海賊版だ。
そして、演出に関しても実に酷い。エロ目的なのに欠片もエロい構図のない絵、ナンセンスを通り越して乾いた笑いしか浮かばない頭の悪い展開。基本的に、くノ一が勝負に負ける→相手にHされる→そこから淫法発動→勝利という使い古された展開ながら、何でここまで悪いのだろう。こんな代物を見るのを4分間も我慢しなければならないとは、これはもはや苦痛というレベルだった。
そして、最後のツッコミ所は、なぜかHシーンまで何の問題もなく見えてしまうことだ。それでは「○×△・H」みたいなHのついたムービーにどんな意味があるのかというと、これらは前半の頭の悪いやり取りをスキップして直接Hシーンから見ることができるのだ。そして、一定数のパズルをクリアすると、ムービーモードで見えるHシーン部分だけのムービーの数が増える。一応、パズルの褒美にはなっているのだが、それでもHシーンのあのアニメーションの質を考えるとさしたる利益はゼロに等しいだろう。
本当に価値のないムービーなのだが、それでも、オープニングの最後に出てきた「ブルセラ忍者参上」の文字にはバカゲー好きの自分は少し魅かれるものがあった。それでゲーム本体を始めてみたら、あまりのことに驚いた。なにせ、このゲーム、ストーリーが一切ないのだ。当然、ブルセラ忍者なんて登場しない。そこにあるのは、ただひたすらにパズルをクリアするだけ。しかも、そのパズルにしてもたった20面しかない。あまりにボリューム不足、これではせいぜい体験版かオマケソフトの面数だろう。これで定価8,400円は詐欺だろう。
まあ、せめてもの慰めは、パズル自体は、このゲームの他の部分ほど悪くないことだろう。このゲームのパズルは、基本的に滑る床の上で自キャラを動かしてゴールを目指すゲームになっている。ゲームの工夫として、障害物に衝突しても、単独の障害物ではそこで止まらずに一緒に滑っていってしまう。つまり障害物が2つ並ぶか壁にぶつかるまで止まらない。これを利用して画面の中ほどにあるゴールを目指すのがゲームの肝だ。
ただ、このパズルが最高かと言うと、そうでもない。非常にパズルに感や経験がある人なら分ると思うが、実は滑る床で自キャラを動かすゲームというのは、動かす選択肢が少ないのだ。このゲーム場合は動かせる方向が4方向だけなので最大で選択肢は4つ、それも4つもあるのは最初の1手だけであとは最大で選択肢は3つ(今、止まった方向には動けないため)。しかも、このゲームの場合、外壁に棘のマークが描かれていて、外壁に直接キャラが触れると死んでしまう。クッションにできる障害物も何時もある訳でもないので、結果として選択肢なんて1〜2つしかない。よって、明らかにダメでない選択肢を選んでいるだけで解けてしまう。正解をゴールから逆算するという楽しみを無理にでもしないと、パズルファンには物足りないだろう。
そんな訳で、総括すると自分としては、久々に本物を見つけてしまったという嬉しさ半分、こんなアレなムービーを合計22分間も見てしまった後悔半分感じだった。だから、20面のパズルに金を出しても惜しくない人か、素薔薇しいゲームをやりたい人だけ買ってみたらいいだろう。
(タコマロ)
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