とらぶる!



シスタールーム


 

仕様 評価
対応機種 WIN システム

7点

ブランド名 UNDEAD シナリオ

6点

ジャンル 姉妹同居型極限恋愛ADV 萌え萌え

9点

    せつなさ

7点

    素薔薇さ

7点

 




 このゲームの主人公は学生で、両親が海外に行っている間、アパートで進学のために一人暮らしをしている。そして、これまでは、そのアパートの大家かつ幼馴染の来玖璃(ククルイ)姉妹と仲良くエロゲー(ギャルゲー)の主人公としては平凡な生活を満喫していた。しかし、そこに転機が訪れる。地球を侵略に来た宇宙人−アンドロメダ銀河のククル星人−が、主人公を全地球人類の代表に選んだのだ。そして、ククル星人が要求したことは、主人公が来玖璃姉妹のどちらかをパートナー(生殖相手)として選ぶこと。因みに、宇宙人によると拒否すると地球殲滅。そして、その間、主人公と来玖璃姉妹は主人公のアパート(1DK)に隔離されてしまったのだ

 そして、この隔離空間だが、扉も窓も破壊することはできない。だが、電気、ガス、水道、テレビにラジオにインターネットまで使え、冷蔵庫には食料が満載されている。けれども、電話もメールも使えず、外には声も届いていないし、外部ではまったくこれまでと変わらない日常が繰り返されている模様なのだ。

 こんな状況下で、来玖璃姉妹と強制的に同棲生活を送ることになる。しかも、主人公は来玖璃姉妹の姉である来玖璃聖(ククルイ・マリア)さんのことが以前から好きで、逆に何時も一緒に遊んでいた妹の来玖璃愛(ククルイ・アリサ)の方は主人公のことが好きなのだ。因みに、来玖璃姉妹は姉がおっとり家事万能のお姉さんタイプで、妹が活動的で手が先に出るツンデレタイプと、お約束を踏襲している。

 こんな三人なのに、そう簡単にHシーンにはたどり着かない。まあ、最終的には、宇宙人の助けで、発情するウイルスに感染させられたり、主人公が活躍する場面が用意されたり、意識の中に入ったりしてやっとこさ初Hに突入する。この辺りは、宇宙人の監禁、強制的なパートナーの選択も含めて、ご都合主義ともとれるが、基本的にH重視のゲームのつもりらしいので、これはOKだろう。むしろ、製作者の潔さすら感じてくる。

 そんなこんなで地球人類の命運をかけた同棲生活が幕を開けることになる。だが、この二人のうち一人を選択するということが、どうやらククル星人にとっても非常に重要なことらしい。これはククル星政府の重要プロジェクトであり、テロリストの妨害も十分に予想されるとのこと。グローバルどころかユニバーサルの運命が、この1DKのアパートで決定されるのだ。しかし、このアパート何か見たことがあるかと思ったら、このメーカーの前作『Sweet Room』の物と同じ。確かに中の家具やらカーテンとかは違うのだが造りは同じだ。前作は引き篭もり気味の兄妹が主人公だったが、今回は、地球人類の運命が左右されるのだから、同じアパートにしても部屋によってえらい違いだ。

 まあ『Sweet Room』に関しては同じメーカーだから問題ないにしても、他の部分でパロディ部分が多い。まあ、フレーバー部分だけで元ネタを知らなくとも楽しめるから問題ないが、ほとんどがパロ要素だ。まず、主人公の名前からして檜山麗(ヒヤマ・ウララ)、男でウララとは珍しいと思うが、その真の理由はアパートに閉じ込められた来玖璃姉妹の服を見ると直ぐに分る。この格好が古いSF同然の格好、いやもっと分り易く言えば『スペースチャンネル5』の格好を更にエロくしたようなもの。だから、『スペースチャンネル5』と同じで、主人公の名前が「ウララ」なのだ。だからって、それだけの為に主人公の名前変えるか?

 さらに、宇宙人の方も元ネタはパロディだ。一番登場するククル星人の名前がジャック、まあ地球人ならば珍しくもない。しかし、そのバックアップメンバーの名前が、クロエとトニーという所でネタが分る。宇宙人側は、『24-TWENTY FOUR』で陣営を揃えて来ている。

 それで、このジャックが、このゲームでも格好が良い。最初は何を考えているか分らない宇宙人だったが、最後には地球人の良き理解者になってくれる。しかも、ある壊滅した特殊部隊の生き残りという濃い経歴を持っている。そして、当然、仇敵がテロリストとして登場してくる。お約束と言えばお約束なのだが、ここら辺りは異常なまでにアツイ展開になっている。ただ、それでもククル星人は、4本足のタコ型で、ジャックにいたっては体色がピンク色で先端がハートマークの触覚が頭に生えている始末なのだ。しかも、CGの方も表情のない立ちグラ(?)がひとつだけ、当然ボイスもなし。これが、あれだけ漢らしいキャラなのは、どうしたものだろうと思う。

 ゲームは基本的にエロ中心なのだが、自分としてはククル星人の目的の方が気になった。しかし、それについて話すと完全にネタバレになってしまうので、それについてはおいて置いて、まずはゲームのまとめについて書いておきたい。CGについて、第一印象としては塗りが白い、でも肌についてもブラシをかけてあるのでけっして手抜きではない。ちょっと不安定な構図も混ざっているが合格点は満たしているだろう。まあ、今風ではないが。エロも悪くはないが、ゲーム内容が内容だから、もう少し多くても良かったとは思う。シナリオも展開は悪くはないが、文章が少々野暮ったい。これは、原画家さん自らのお手製だから、限界って所だろう。総じて見ると、悪くはないのだが全体として今一感が漂っている。これは、多分『スペースチャンネル5』なんて、マイナーなゲームをパクったのが悪かったのだろう。もっと有名な、涼宮なんとかさんとか、星繋がりで幸運な星とか、新世紀な話とか使えば、もう少し売れたかもしれない。ただ、それだと自分が買わなかったかもしれないけど。



 ネタバレ
 さて、何で主人公が来玖璃姉妹のどちらかを選ばなければならないかについて説明しよう。それについてはククル星人の歴史について触れなければならない。ククル星人、宇宙進出からだけでも既に3億年以上にも及ぶ歴史と叡智を持つ彼らは、色々な宇宙を訪れてきた。しかし、必死の探索にも関わらず、彼らが求めるククル星人以外の知的生命体を発見することはできなかった。最終的に、ククル星以外で生命が発生した少ない惑星(明言されていないがククル星以外では唯一の生命を持つ惑星かもしれない)で、ククル星人は人工的に知的生命体を創造する事にしたのだ。これが1000万年前のことになる。

 つまり、地球人類はククル星人によって創造された訳だ。この時に現地の生命体にククル星人の遺伝子を加えられた。それで話は現在に飛ぶのだが、ククル星人がある問題で2つの派閥に分かれて争っている。それは遺伝子の違いによる争いだ。全ククル星人に共通する遺伝子がαタイプならば、それぞれククル星人の半分しか保有していないβタイプとγタイプの遺伝子が存在している(つまり、全ククル星人はα+βとα+γの2タイプに分類できるって訳だ)。つまり、この闘争はβとγの優劣の争いという訳である。

 地球人創造の時点で、この争いが起きていたのか分らないが、地球人の中にも、このα、β、γの遺伝子を持つ者がいる。長い歴史の間に、パーフェクトな形で保持するものは、ほぼ失われてしまったのだが、その例外が主人公と来玖璃姉妹なのだ。主人公がαタイプで、姉妹がそれぞれβとγの遺伝子を持っている。よって、主人公が、βとγのどちらかを選ぶかで、その優劣を決めようというのだ。

 実にアホらしい話なのだが、ククル星人の取り決めでは、選ばれなかった方の遺伝子の保有者は、人類も含めて既知世界から追放されるというのだ。それはテロリストのひとつも出てこようというものだ。もっとも、普通なら、地球人の選択で、これまでの生活を投げ出す方が分らないのだが、どうもククル星人は考え方に柔軟性が乏しいらしく(彼らの多くは非常に馬鹿正直だ)、ほとんどの者はこれを受け入れているようだ。

 無論、そんな馬鹿な計画を実行させるわけにもいかず、エンディングでは主人公は一世一代の宇宙を賭けたハッタリ、いや言いくるめを実行することになる。主人公は、ある意味、全宇宙の救世主、あるいは宇宙承認の二股野郎とも言える。まあ、実に豪快なエンディングではあった。この辺りは、お約束ながらなかなか良かったと思う。

(タコマロ)

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