大都市から鈍行電車で20〜30分の所にある町、練マ(因みに発音はネリマ)。ここが、このゲームの主人公が住む街で、このゲームの舞台でもある。まずのっけから「練マ」って何かと思うが、『地っ球の平和をま〜もるためっ!!』の「地っ球」と同じようなものなのだろう。まあ、「この話はフィクションです、ここに登場する人物、団体は架空のものであり、実在する人物・団体とは一切関係ありません」と同じノリだと思って欲しい。
この練マだが、まあ単なる固有名詞のごまかしではなく、このゲームでは練マに異常にこだわっている。なにせ主人公が通う学校も、練マにある練立練マ学園。まあ、練マにあるから練マ学園なのはよしとして、練立って何よ?
さらに、主人公の所属しているクラブも「練マ愛好会」。この「練マ愛好会」、学園でも最大の不思議と言われているらしい。練マの歴史を研究し、探求することが活動内容らしいのだが、なにせ所属している主人公にすら活動内容が分っていない始末。
まあ、実際に部がやっていることと言えば、昼間は部室で菓子を食べ、夜は打ち上げという、単なるお喋り部に過ぎない。本来の活動なんて置いておいて好き勝手しているというのは、文科系にはよくある話。この練マ愛好会もそんな部かと言うと違う。なにせ、この練マ愛好会の活動は世の忍ぶ仮の姿、練マ愛好会の本当の目的とは宇宙よりの侵略者(インベーダー)と戦うことなのである!
学校の部活で正義の味方って正気かと思うが、この練マ愛好会の場合は、「米国が宇宙人と密約が結んで〜」とか言っている単なるビリーバーさん達とは違う。実際に地球外生命体を探知できるレーダーみたいな機器を始めとして地球の一般的な科学力を超越した品々を保有しているのである。そして、彼らは宇宙人の侵略の時に備えて日々準備してきたのだ。
それでも他の練マ愛好会のメンバーと違って主人公だけは、侵略者のことは知らない一般人であった。しかし、深夜勉強中に公園に何か光るものが降りたのを見た時から、彼もこの件に引き込まれることになってしまう。その現場を調べに行ったのが運のつき、彼は侵略者につかまってしまうのだ。そして、その侵略者に情報を得るために吸収されそうになるのだが、逆に相手の方を吸収してしまう。
そこからは、主人公は駆けつけた練マ同好会のメンバーに疑われたり、吸収した宇宙人を回収に来た侵略者に狙われたりされることになる。しかも、主人公が逆に吸収した宇宙人は、相手にとって能力的にも貴重らしく、組織内の階級も高いことから、侵略者側の行動は、しばらくは主人公を捕まえることに重点が置かれてしまう。そうなると、対宇宙人部隊の練マ同好会の面子も、主人公の防衛が主な仕事になり、結果として話のほとんどが主人公中心に展開していくことになるのだ。
話の展開と言っても、基本的に戦隊物なので、最終回が近づいてくるか、てこ入れで新キャラが登場したりでもしないと展開らしい展開もない。各話の流れは、ストーリー(もうほとんどHシーン)→戦闘シーン(主人公攻防戦)→打ち上げ(+次回予告)というワンパターンで進んでいく。
しかし、CG枚数がエロシーン以外のものとなると極端に少ないゲームなので、敵のマシン(パワードスーツ)は毎回改良はされるものの基本的に同じものの使いまわしで新兵器が投入されることもない。一応、侵略者側をフォローしておくと、最初に持ち出したこのマシン(パワードスーツ)も宇宙人側の兵器としては劣っている所か、彼らにとっても自信を持てる最新兵器だったのである。だから、常識的にはそうそう次の兵器なんて用意できないのも無理はないだろう。でも、非常識な戦隊物おいては、敵は一品物ばかり製作して勝負に挑んでくるのが常識なのだけどね。
まあ、練マ同好会側にいたっては、戦隊物を基本にしながらも戦闘服なんてなく、制服のままで戦闘している始末なので、どっちもどっちという状態だ。おかげで、立ちグラ+背景で永遠と話が続くので、戦隊物といってもテレビというより声の出る小説と言ったほうが近い。
それでも、戦闘の描写は、相撲や柔道の技の掛け合いみたいに、双方共に毎回毎回工夫をして戦闘しているので、そんなに悪いものではなかった。ただ、自分としてはエロシーンを削ってでも、もう少しCGをサービスして臨場感をもっと出して欲しかったものだ。
話は変わるが、ここで登場人物の説明をしておこうと思う。このゲームの登場人物は、地球人側でも少し変な名前が多いが、これは別に洒落で変な名前をつけている訳ではなく、単に練馬に関連した名前をつけている駄洒落になっているので、一応、その解説もつけながら進めていきたい。それと、この解説は、ネタバレを避けるためにゲーム開始時のものを説明させていただく。話の展開(特にエンディング付近)で、内容に変更が出てくるが、それはやってみて確認してもらいたい。
星見 台(ほしみ うてな)
このゲームの主人公。両親は海外出張中で、一人で自宅に住んでいる。エロゲーの主人公にしては珍しく、童顔で女性の母性本能をくすぐるショタタイプらしい。よく女性に襲われていたらしいが、あんまりその辺りの表現はよくできていなかった。それだったら、学園のクラスの女性陣に猫可愛がりされていても良いとは思うのだが、なんか単なる「いじられキャラ」になっている。これでは他のゲームの主人公と差別化がはかれていないと思うのだが、どうなのだろうか?
中村 温(なかむら ぬくい)
「温」で「ぬくい」はないだろうと思うが、練馬区の町名の中村と貫井から名前を取っているのだろう。
性格は天然ボケタイプで、その美しさから練マ学園のアイドルとして男性はおろか女性からも奉られている。主人公の幼馴染でお姉さん役を買って出ている。おかけで、主人公は逆恨みで色々と影で迷惑を被っているらしい。主人公がそんなにショタタイプなら、少なくとも女性陣には美女のペットのワンちゃんには見えないものか。ちょっと納得がいかない。
彼女は練マ同好会の会長でもあり、能力的にはサイコキネシス能力みたいな力を使う。衝撃波を敵に叩きつけたり、防御に使ったり、物を吹き飛ばしたり、応用性は高い。
南田中 鷹乃(みなみたなか たかの)
こちらも変な名前だが、練馬区の町名、南田中と高野台の合成だろう。
彼女は主要人物の中でただ一人の一般人で、練マ同好会には所属していない。主人公の幼馴染でお姉さんキャラというのが、彼女のたった一つの生命線。しかし、それすらも中村温とキャラが被ってしまっている。一応は、こっちは鉄拳制裁があることが違うぐらいだ。とりたてて能力もなく、あきらかに不運なキャラと言える。
大泉 映(おおいずみ あきら)
大泉も練馬の町名だが、名前の由来は東大泉にある東映東京撮影所(東映アニメーション)だろう。
主人公の後輩で秀才、何時もコンピューターに向かっていたりして変な発明品には余念がない。練マ同好会の科学担当で、戦闘力はない。
体型的にはロリキャラだが、ずけずけと空気を読まずに歯に衣を着せぬ発言をする。
Cheryl Blossom Fuse(シェリル・ブロッサム・ヒューズ)
名前の由来は練馬の町名、桜台だろう。
主人公と同じクラスで、お祭大好きの明朗な性格で快楽主義の所がある。主人公とは最初から仲がよく、二人で揉めていると周りからは夫婦漫才と言われるほど。実は、ゲーム開始時には既に二人はH済みだったりする。
練マ同好会では、得意なガンアクションを生かして攻撃担当を受け持っている。しかし、一番対策が施されてしまう所で、戦闘では意外と活躍しない。
早宮 光(はやみや ひかり)
名前の由来は、こちらも練馬の町名、早宮と光が丘からだろう。
主人公の先輩で長い黒髪のクールビューティーのお姉さま。冷戦沈着でちょっと人とは一線を置く所がある。
人類最強ではないかと思うほどの運動能力を持つ。でも、パワードスーツの放つ弾幕をかいくぐり、刀一丁と素手でパワードスーツを相手にしてしまうのは、もうどうかと思う。文句なく、練マ同好会最強のキャラ。実際に、侵略者側も彼女に対しては技術的には対処の方法が手の出せない所に行く、つまり空を飛ぶことしかなく、ほとんど手の施しようがなかった。最終的には、パワードスーツでは相性が悪く、侵略者側も似たような運動能力を持つ宇宙人で対応していたが、それでも彼女と対等というのが恐ろしいところだ。
江古田 旭(えこだ あきら)
「江古田」自体は中野区の町名だが、西武池袋線江古田駅は練馬区の旭丘にあるので、それが名前の由来だろう。
練マ学園の化学教師にして練マ同好会顧問。酒飲みでずぼらなで、それでいて何かしら達観している大人の女性。練マ同好会の顧問だが、侵略者関係のことには基本的には首を突っ込まない。
錦平 和(にしきひら のどか)
練馬区錦町には平和台という地名があり、それが由来と思われる。
彼女は第7話で現れる転校生なので詳しい話は伏せておくが、少なくとも取説の説明は嘘っぱちだ。
それで、見ての通り、練マ愛好会のメンバーは女性ばかりだ。しかも、みんな美人ばかりということで、学園中から注目を浴びている。しかし、入部を希望しても誰も試験を通過することがない。唯一の男性部員は主人公だけなのだが、周りの羨望と裏腹に、どっちかと言うと巻き込まれていて女の尻にひかれているだけ。そんな、単なるマスコットキャラ的な主人公が、宇宙人を吸収したことをきっかけで、成長していって漢になるのがこのゲームのもう一つのストーリーだ。
ただ、それがあまり上手くは表現できていない。主人公の最初の態度は常識の範囲だし、もっと情けない流されるキャラでないと、成長感がなかったと思う。この辺りは、もう少し話を練って欲しかった。
それで、ストーリー以外の面だが、まずシステム面ではあまり芳しくない。一応、一式は完備されているのだが、スキップ機能は既読未読関係なく文章を飛ばすし、SAVE・LORDでもSAVEできる箇所は十分な量が用意されているのにSAVEの日時しか記録されずに何が何だか分らないし、メッセージウィンドウが薄い虹色で所々文字が見え難いし、修正ファイルはあるし、もう少し工夫して欲しかった。
CG面は、数が少々少ないが悪くはない。実はこのゲームのメーカー「Gash」、活動を停止した「ZyX」のメンバーが創っているので、「ZyX」お得意のアニメーション部分を含めて、そのままの出来となっている。原画も公式には「せんどりくん」となっているが、実は「山根正宏」さんなのは公然の秘密だ。
全体としては、確かに戦隊物が基本ながら別にパロディネタが多いわけではないし、練マネタも分らなくても困るわけでもない(分ると楽しいけど)。ギャグ物としては悪くない出来となっている。音楽もOP曲は良いので、この手のノリが嫌いでなければ買ってみるのも悪くはないだろう。
(タコマロ)
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