この『天藍の夏』は、ずい分前になるが何かのイベントでメーカーから格安に直販して入手した品物である。値段も良く覚えていないが、たしか千円か2千円だったと思う。最初に結論を言うが、非常にお買い得な品物であった。
ストーリーを説明すると、大学生の主人公(薬院海里)は、父がダンプと相打ちとなって入院したので、夏休みに故郷の赤矛(あかむ)に帰ることになる。主人公の実家は、古くから続く温泉宿であり、その手伝いをすることになるのだ。しかし、実際は宿に泊まるのは断りきれなかった、ある御一行様だけ。
その一行とは、十年前にこの旅館に1ヶ月程泊まり、主人公とも遊んだ「渡瀬夏生」、そしてその友人の「高宮真桜」・「矢可部茜」。これに元彼女の幼馴染で巫女の「犬塚風音」、義理の姉の「櫛原沙葉」、近所の子で妹同然の「朝倉稚葉」を加えた6人の女性と、夏祭りが終わるまでの1ヶ月間を、この山の田舎村で過ごすことになる。
ゲームの雰囲気としては、キャラクターも個性的な面々が揃っているし、日本の田舎という赤矛の村の感じも素晴らしい。ただ、田舎だけに、まったりと時間が流れているらしく、イベントが数日に1回しかないのはご愛嬌だろう。最近では、中古屋でもあまり見かけない作品であるが、安く売っていれば、ぜひ購入することを勧める。
と、一般的な紹介は終わったので、これからはオレの世界だ。このゲームにかこつけて好き放題書かせてもらう。
まず、このゲームでオレ的最高のキャラは、矢可部茜だ。大学で民俗学だか考古学を学んでいる彼女は、民間伝承や妖怪についての解説をしてくれる人である。そんな知的な面がある反面、大酒のみで猥談好き。しかも、猥談は独りで勝手に話を創作し、そして独りで演ずる。特に勝手に主人公の心の叫びを決め付けて言う、「ちち揉みて〜〜〜っ!!」(しかもエコー付き)のくだりは最高である。
まあ彼女と付き合って行動していると、主人公の祖父が赤矛の民俗学を調べていたという事で、旅館の蔵を調べることになる。しかし、この蔵の中が散らかっていて、倉庫番ライクなゲームをしないと先に進めない。いくら物が多いと言っても、限度があるだろと思うが、まあ、ドルアーガの塔とかダームの塔でなくて良かったと考えるべきかもしれない。このミニゲーム、倉庫番と違って引っ張る事しかできない荷物も混ざっていて、これが難易度を上げている。さらに、おまけに追加の面もあり、これだけでも結構遊べる所が嬉しい。
そんな訳で色々と調査していると、彼女の目的が明らかなる。彼女は、緋色金(ヒイロカネ)の秘密を調べに来たのだ。昔、赤矛には製鉄集団が存在しており、緋色金が、その集団の秘密だったらしい。そして、この緋色金については神話に出てくる金属の名前と説明してれる。
ここでオカルトの知識がある人は仰け反っているだろう。無論、緋色金とはヒヒイロカネ、そして、それが出る神話とは竹内文書のことを示していることは明らかだ。
まあ、知らない人に分かるようにそれぞれ説明しよう。この竹内文書とは、天津教の菅長(まあ教祖)である竹内巨麿という人物が引っぱり出して来た文献である。そしてこの文書は、古事記や日本書紀以外の日本の古い歴史が書かれているというのだが、内容が凄いことになっている。
だって、初代天皇(正確には上古第一代)の即位年代が、紀元前3175億954万6893年なのだ。紀元前3175年だって、欲張り過ぎだと思うのが、そんな常識を黄金聖闘士の拳で軽く粉砕して単位は億年。そして、その治世は160億60万年だ。ちなみに二代目の治世は320億年にも及ぶ。ビックバンが150億年前、地球ができてからも45億年と言うのに、いくら何でも治世320億年は行き過ぎだろう。
まあこの辺りは単位が果てしなく狂ったとしても、この次の記述を見れば絶対に偽物だと分かる。先程の二代目天皇の子孫が世界に広がって人類の始祖になるのだが、その名前がイカレてる。だって、南アフリカに植民したのがヨハネスブルグ青人大王、アメリカに植民したのがヒロケエビロスボストン赤人民王。これで信じろと言う方が無茶だろう。
もう完全にヨタ話だけど続けるが、この天皇達が古代の超技術を持っていて、浮船で世界をブンブン飛び回っていたり、地球上に存在してない特殊な金属を使っていたりする。そして、その金属こそがヒヒイロカネなのである。しかし、この金属がオカルティストには有名で、ある宗教団体がヒヒイロカネを東北で発見したと、学研の某オカルト雑誌でプレゼントを募集したりした事もある位なのである。無論、そんなのに応募したら、送られて来るのは、ヒヒイロカネでなくダイレクトメールだけどな。
えっ、その団体の名前を知りたい? そんなの物理の教科書の電気の所でも読めばいくらでも出てくるだろう。アレだよ、アレ。
なんか完全に話がわき道にそれたが、他にも兵主神社があったり、河童の伝承があったり、この村はオカルトの知識がある人にはニヤリとできる所が色々ある。しかし、それは背景だけに留まって話を理解するには全然必要ではない。だって、河童にしたって、実は渡来人のなれの果てとかの展開にはならず、何と実際に河童が出てくるのである。しかも、「尻こ玉抜くぞ」とかの怪物ではなく、それも非常にラブリーなお姿で。またその河童は、言葉は話せないが、「か〜〜?」という鳴き声も可愛い。
そんな状態なので、オカルト好きでなくても安心してプレイしてもらいたい。
(タコマロ)
|